海外に住まわれている日本人の方は、年に1度ぐらいのペースで帰国しているのでしょうか。 頻繁に日本の家族に会えるわけではありませんが、この度の出産にあたり、母親が2週間滞在して調理や掃除などの手伝いをしに渡豪してくれました。先週末に帰国してしまい今ホームシックでなんだかしっぽりしています。体力が落ちていたので代わりに家事をやってもらってありがたいのと、私が赤ちゃんの時は…等の話を聞いた。おばあちゃんやおじいちゃんひいおばあちゃんの生きていた頃の話 など、自分自身のルーツを聴きながら新しく生まれた次世代を迎えるのは感慨 深く。 綿々と続く命の連鎖の一部で子供に命を繋いだこれからは、シンプルに考えると、子育てをしてその後適当に生きて病気になって死ぬだけだなと。そう考えると人生短いなあと思います。
頬の内側の粘膜をサンプルとしてラボに送ってDNA性格検査をするサービスがあります。心理テストのよう質問群に答えて行動心理学?から割り出した現在の自分の性格特性とDNA検査からおしはかれる、その人の現状とポテンシャルを出してくれます。 私自身も受けてみましたが、14項目に渡る項目に渡ってDNA配列から?セロトニン、ドーパミン、オキシトシン、バソプレシンなど脳内ホルモンや神経伝達物質分泌の感受性と関連づけて能力発揮のアドバイスをくれます。 4年前には自分と長男との検査にスイスのKarmagenes社のサービスを利用しました。現在はその会社がオーストラリアのEasyDNA社と提携している様で次男はそちらを利用してみました。長男は傾向的に私によく似ていましたが、果たして次男はどうなのか?2週間後の結果が楽しみです。
自分の結果リポートを見ると、なんだか小さくまとまってしまっている様です。ゲームのキャラのスペック表示みたいで面白いなと思うのですが。 Emotional, Social, Strategic, Optimisticあたりにはまだ伸びしろがある様 。ストレス耐性が異様に低いのが気にかかりますが、だからこそ、コアラでも生き延びられるのんびりしたオーストラリアでしっくりきてしまっているのかもしれません。
ぼくはほとんどホームシックにはなりませんが、ときどき桜を見たくなります。桜の花吹雪が宙を舞う空間に身をゆだねるあの感覚はなんとも言えません。ジャカランダの花吹雪もいいですが、桜の散りゆく姿は生命のはかなさを思い出させてくれます。美しく生きるほどそのはかなさが際立つような気がします。
私もホームシックとは無縁だったのですが、実際にあってしまうと、去り際がさみしいさみしい。マタニティーブルーの一環のホルモンバランスの急激な変化からかも知れません。桜の見れる時期に久しぶりに帰国したくなります。
DNA性格検査なんてものがあるんですね。面白そうとは思いながらも、行動神経学の研究に携わってきた人間としては、どうしても検査の信頼性を疑ってしまいます。環境に影響を受ける人間の性格を、現段階のDNA検査技術が推し量れるのかはなはだ疑問です。なによりも、Karmagenesがその検査手法を公開していないところが、その信頼性を損ねています。また、Karmagenesの研究者の論文に不正があった事実も、ぼくの考え方を批判的にしてしまいます。ぼくはいつも言っていますが、Extraordinary claims require extraordinary evidence. です。何を信じるかは個人の自由ですが、何が正しいのかは個人の自由で決まるものではありません。論文取り下げの記事>>https://retractionwatch.com/2017/02/21/former-postdoc-admitted-fraud-cell-bio-paper-lead-author-says/
なんと、論文が取り下げされていたのですね。サービスの消費者の求める科学的根拠のレベルと、研究者の中で求められるそれとはかなり差があるのかも知れません。Karmagenes は利用者向けにWebinarや PDFなどでサービスの内容についてのアフターフォローがしっかりしている印象だったのですが…。研究者目線での貴重な情報ありがとうございます。
追伸:オチの「ストレスとKoala」の部分は笑わせていただきました。
戦うコアラでありたいのですが…。現在は有袋類そのものすぎて笑えません。