Tag: 1年生
オーストラリアの医学部1年生が使う15の教科書
ぼくが医学を学んでいる
UWA医学部が推薦する
教科書を紹介します。
お金が無いぼくは、
基本的に図書館で
本を借りて勉強をしている。
コメントを参考にしていただけたら幸いです。
教科
リンク
教科書
コメント
Anatomy
Moore KL, Agur AMR, Dalley AF. Clinically oriented anatomy. 7th ed.
Gray’s anatomyよりも絵がわかりやすく、臨床とのつながりが強調されている。暗記が嫌いなぼくには、とてもお世話になっている本。もっと絵をわかりやすくして欲しい。
Biochemistry
Alberts B, Bray D, Hopkins K, Johnson AD, Roberts K, Lewis J, et al. Essential...
現場の医者が医学生に教える生の授業
臨床研修: 救急医学
救急病棟の外には、
セキュリティーふたりに取り押さえられている
20代後半の男性がいた。
男性はうつぶせになり
身動きができないものの、
セキュリティーに対し
悪態をついていた。
ぼくの救急医学の研修は、
Sir Charles Gardner Hospitalという
病院で行なわれた。
ここは公立病院で、
ぼくの家から歩いて
3,4分のところにある。
その日は、
青空が綺麗な日だった。
また、お昼時で、
病院に入っていく人も出て行く人も
なんとなく気の抜けた顔をしていた。
男性を取り押さえていたセキュリティのひとりが
近くにいた看護師さんに
「Get a doctor」
と叫んでいるのが聞こえ、
ぼくの耳の後ろから後頭部にかけて緊張が走った。
ぼくはポケットに入れていた
腕時計を取り出した。
12:50PM。
臨床研修の集合時間は
13:00PM。
医者と看護婦が
この状況にどういう対応をするのか
を見ていたかった
(スキあれば医療チームに加担したかった)が、
約束の時間に遅れてはいけないとおもい、
ぼくは救急病棟の中へと入っていった。
ナースステーションの男性に、
「UWAの医学生で、
Dr. Erclereさんと臨床研修の約束があるのですが」
と伝えると、
ぼくのほうには目もくれず、
「もう少ししたらここに来るから、
適当なところで待っていてちょうだい」と言い、
外の喧騒をじっと見つめていた。
ぼくは近くの椅子に座り、
救急病棟にいたみんなと同じように、
外の喧騒をドアのガラス越しに見つめていた。
2,3分すると、
先ほどの看護師とひとりの女医が
救急病棟の外へと早歩きで出て行った。
女医さんは患者さんに何か話しかけていたが、
これじゃ埒が明かないといった表情で、
隣の看護師さんと少し話し合い、
持っていた注射器を手に取った。
針の安全キャップを取り外し、
うつ伏せになっている男性の右太ももに薬を注射した。
90度の角度で注射していたので、
鎮静剤(Risperidone?)か何かを
筋肉注射したのではないかと思われる。
ぼくは
注射した薬剤が効き始めるまでの時間を計ってみようと、
ポケットに入れていた腕時計を取り出した。
12:58PM。
「驚いたかい?」
とぼくに話しかけてきたのは、
Dr. Erclereさんだった。
とてもハンサムで
目じりのしわが
彼の感情の豊かさを表していた。
Dr. Erclereさんにとって
外の喧騒は日常茶飯事のことのようで、
何事も無かったかのように、
ぼくらは救急病棟の奥へと入っていった。
Dr. Erclereさんは事前に、
入院していた患者さん3名に許可を取り、
医学生(ぼく)が質問できる環境を作ってくれていた。
ぼくが問診をしたのは、
胸の激痛で担ぎ込まれた肥満男性、
大量の睡眠薬を飲んで自殺を図った40代の女性、
激しい頭痛に悩まされる20代の女性だった。
ぼくは授業で学んだ、
SOCRATES (Site, Onset, Character, Radiation,
Associated symptoms, Timing,
Easing/Exacerbating factors, Severity)
と Comprehensive History
を患者さんから聞き出した。
問診が終わり、
患者さんに感謝をしてその場を離れると、
Dr. Erclereさんはぼくに質問をした。
What do you...
医学生が社会奉仕活動を通じて、自閉症の子供たちと出会う
西オーストラリア大学の医学部1年生は、
病院への臨床研修に加え、
社会奉仕活動をしているグループにも研修へ行く。
パースにはさまざまな団体が
社会奉仕活動を行なっており、
医学生たちは
学部側が事前にコンタクトした
団体に送り込まれていく。
ぼくが一日研修をしたのは、
自閉症協会(Autism Association of WA)である。
ぼくは研修前に
この協会のホームページに目を通した。
自閉症協会のウェブサイトは
よく考えられて作られている。
ぼくみたいに
自閉症のことを知りたい人間だけでなく、
自閉症をもつ家族に対しても
懇切丁寧に書かれている。
自閉症の子供がいる家族には、
とくに以下の点が簡潔に書かれている。
自閉症はどんな病気なのか?
自閉症の子供にはそうでない子供よりも特別なケアが必要なのか?
自閉症の子供を持つ家族は自閉症協会および政府機関から援助を受けられるのか?
この他の点も分かりやすく書かれており、
ぼくが見てきた社会奉仕団体のホームページのなかで
一番「かゆいところに手が届く」情報を
提供していると思う。
素晴らしいページである。
ぼくが研修をした
自閉症協会の西オーストラリア支部は、
Shenton Park駅から歩いて
3,4分ぐらいのところにある。
その日は小雨が降っていた。
ぼくの指導にあたってくれたのが
Catherineさんという保育士さんだった。
彼女は自閉症協会の専属の保育士さんで、
3歳から5歳までの自閉症を持つ子供を
3人担当していた。
正確な数字は覚えていないが、
ここには30人ほどの保育士さんがいて、
総勢100名近い自閉症の子供たちが
通っていたと思う。
お分かりの通り、
約3名強の子供に対し
保育士さん1人の割合である。
ぼくは
Catherineさんの一日に密着させていただき、
子供たちと一緒に時間をすごした。
自閉症協会に通っている子供たちには、
はっきりとした時間割が決められていた。
時間割は、
日ごと季節ごとに変わるようになっており、
子供たちが飽きないように
デザインされている。
ぼくが参加させていただいたクラスは、
子供たちが歌に合わせて体いっぱい踊るもの、
ブロック作り、
保育士さんの本読みを聞いたりするものだった。
自閉症と言っても
軽度の症状の子供もいれば
重度の症状の子供もいる。
得意不得意もある。
好き嫌いもある。
ぼくはそんな場面を見ながら、
保育士さん達はどうやって
子供たちに合った教育をデザインしているのか
ときいてみた。
すると、
「保育士さんたちはまず
子供たちと信頼関係を築くことが大切なの」
「信頼関係を築いて初めて
子供たちのニーズが分かるの」
とCatherineさんは教えてくれた。
最後のクラスは、
すべての子供たちが
屋内ジャングルジムで
自由に遊ぶものだった。
時計は16時を指していた。
子供達は、
親が迎えに来た順に
家に帰っていった。
ぼくは、
Catherineさんにお礼を言い、
17時からの授業に参加するため
大学のキャンパスへ
自転車をこいで戻っていった。
外の小雨は止み、
雲の谷間から
太陽がちらちらと光っていた。
自閉症の映画で有名な映画「レインマン」
出典: www.psychologytoday.com/
海外医学部を楽しくしてくれる大切なもの
2014年から、
うちの大学(西オーストラリア大学)は
医学部を大学院入学に一本化し、
約240人の生徒を受け入れている。
授業は、
大きな講義室でおこなわれるが、
10人1グループで
臨床スキルなどを一緒に学んでいる。
ぼくのグループには
「戦うマングース」
という名前が付いている。
この名前は、
この動画が語源となっている。
https://www.youtube.com/watch?v=hxh-YVSoZeE
ぼくが最年長なので、
みんな弟や妹みたいな感じです。
このグループと共に成長していけるのが
楽しみです。
海外の医学部に入った瞬間に湧き起こる3つの感情
海外の医学部に入った瞬間に湧き起こる感情(1)
海外医学部の第1日目
記念するオーストラリアの医学部の第一日目!
ぼくは医学部を3回受験し、
3回合格した末に入学したので、
心には医学生になれた喜びの実感が
大きな波のように押し寄せている。
諦めずによく頑張った。
講義室を見渡すと、
約240名の生徒たちが、
となりの同級生たちと
握手しながら自己紹介をしている。
みんなの目はとても輝いていて、
笑顔がこぼれおちている。
ぼくも自然に笑顔になっていることに気づく。
海外の医学部に入った瞬間に湧き起こる感情(2)
同級生はだいたい若い
同級生の平均年齢は
22,23歳ぐらいだろうか?
ぼくのようなOldiesは・・・、
おぉ若干名ながらいることはいますね。
どんな人たちと友達になっていくのだろうか?
ぼくの性格からして、
同級生全員と友達になることは無いかなと思うけど、
良い友達がひとりふたり見つかればいいな。
言語の壁、
年齢の壁、
決して乗り越えられない壁ではないが
友だちができるかどうか不安である。
海外の医学部に入った瞬間に湧き起こる感情(3)
オリエンテーションは盛りだくさん
さて、オリエンテーション(説明会)は、
朝9時に医学部長の挨拶に始まり、
夕方17時の臨床ロテーションの説明で幕を閉じた。
最初は笑顔だった同級生の顔が、
1学期の課題や試験の説明がされているとき、
真剣な表情に変わっていくのを見ると、
みんな真面目なんだという印象を持った。
ぼくはと言えば、
与えられた情報があまりにも膨大だったため、
ほとんど頭に何も残っていない。
オリエンテーションで唯一憶えていること
残っているものは、
Wash hands! Wash hands! Wash hands!
だけである。
https://www.youtube.com/watch?v=RIsBB6TmZvA
手を洗わないお医者さんが多い
というデータを見たときは、
正直ショックでした。
オリエンテーションで
沢山の情報を与えられたことを考えると、
医学部の勉強はやはり大変なのだろう。
勉強について行けるか不安を覚えた。
https://www.youtube.com/watch?v=hD5cESzQdd4
海外の医学部に入った瞬間に湧き起こる3つの感情
出典:afludiary.blogspot.com
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オーストラリアの医学部を一年休学した後に卒業し、ぼくは現地の病院に就職した。現在は、医師3年目のペーペー Registrarをやっている。通常、オーストラリアで言うRegistrarは「専門医になるための訓練を受けている医師」を指すのだが、ぼくはいまService registrarという少し変わったポジションで働いている。Service registrarは、特定の専門のトレーニングプログラムに入っているわけではないが、病院側が働き手が一時的に足りていない分野に送り込むRegistrarのことを指す。オーストラリアの医師のハイラルキーに興味がある方は、過去記事『オーストラリアのインターン医師になったらやらなければならない6つのこと』をどうぞ。
インター医師よりも経験はあるが専門をまだ決めかねている医師は、このService registrarとして働くことが多い。そして、Service registrarとしてインターン医師よりは重い責任を負いながら、どの専門に進むかを考えている。どの専門に進むのかを決める要因は千差万別で、流行りの専門を選ぶ医師がいたかと思えば、朝の問診が嫌いだからという理由で救急医療を選ぶ医師がいたりする。色々な思惑と背景を持った医師がいる以上、これさえ押さえておけば専門医トレーニング選びに後悔しない、というものはない。
ちなみに、医学部に入ったときにこんなフローチャートが授業で出てきたが、あながち間違いではないような気がする。専門を迷われている方は参考にするといいかもしれない(が、あまり気にする必要もないと思う)。
オーストラリアのインターン医師は、大きく分けて外科、内科、救急、精神科のローテーションを通じて医師としての一般的なスキルを磨く。3年という限られたインターンシップの期間中に、すべての科を回ることは不可能である。あらかじめ「~科で働きたいなぁ」と思っている医師は、病院側にその科に優先的に回してもらうことをお願いする。また、「~科には興味がない」ということを病院側に伝え、それ以外の科に回してもらうこともできる。
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