医学部2年目は、
臨床学習がクラスルームから
医療現場へと変わる。
そのなかでも、
General Practitioner Placementは、
学生にとってとても緊張するカリキュラムである。
カリキュラムを紹介する前に、
General Practitionerときいて
ピンと来る人は少ないかと思うので
まずこれを説明する。
General Practitionerは
直訳すると「一般医」になる。
イギリスでは
家庭医(Family Doctor)とも呼ばれる。
オーストラリアでは,
身体・心に何か問題が生じた場合,
まずみんなが相談・診療に行くのが、
このGeneral Practitionerである。
General Practitionerは、
歯科以外のすべての分野の診療に対応するため
「総合医」と呼ばれることもある。
オーストラリアは、
医療に「ゆりかごから墓場まで」
の概念を適用している。
どういうことかというと、
ひとりの一般医が、
患者さんと長い付き合いをし、
患者さんの病歴や生活や
環境をしっかりと理解することで、
患者さんの観点に立った
医療が提供できると考えているのだ。
General Practitioner Placementのカリキュラムは、
学校が紹介する(もしくは自分が探し出した)
General Practitionerの指導のもと、
一般医のトレーニングをおこなう。
これまでのクラスルームで学んできた
臨床のトレーニングと大きく異なる点は、
教室が診療所になることである。
診療所でのトレーニングの流れも
おおまか決まっている。
何をするのかというと、学生が、
慢性病に悩むひとりの「本物の患者さん」を
1年間かけてケアしていくのだ。
General Practitionerの指導のもとではあるが、
学生はその患者さんの「担当医」になるのだ。
Medical student から
Student Doctor へと
成長する瞬間である。
ちなみに、
ぼくを指導してくれるGeneral Practitionerは
スカボロ・ビーチの近くに診療所をかまえている。
臨床トレーニングが終わったら、
ビーチで少し泳いでから家に帰ろうと思う。
ときどき、サメいるけど。