オーストラリアの医学部、最終学年の2発目の研修は、緩和ケアだった。
研修先のRoyal Perth Hospitalの緩和ケアチームに所属し、複数の患者さんたちとその家族や友達に出会うことができた。
一週間という短い研修ではあったが、数日前にジョークを言っていた89歳のおじいさんが目の前で死んで行くのを家族と友人と見守ったり、交通事故で意識を失ってしまった男性のケアをどうするのかという議論に加わったり、考えさせられる・学ぶことがとても多い研修であった。
そのなかでも、ぼくは、顆粒球肉腫(myeloid sarcoma)を患っているABさんという女性(仮名)と長い間話をさせてもらった。彼女との対話を忘れないためにエッセーを書いておいたので、ここで公開しようと思う。プライバシー保護のために、個人を特定できる情報はすべて脚色されています。(To protect the privacy of the patient, all the information that may be used to identify the patient has been edited and modified.)