オーストラリアの医学生が先住民の医療格差を埋めるためにやっているプロジェクト

この記事の目次

 

以前の記事で、

オーストラリアの医学格差の問題に触れた。

 

問題(前記事より抜粋)

同じ人オーストラリア人なのに、

非先住民と先住民という違いだけで、

寿命が10歳も違ったり、

心臓病、糖尿病、腎臓病の罹患率など、

様々なところで医療の格差が存在する。

この格差をGapと呼び、

オーストラリア政府は、

医療だけでなく、政治、経済、教育などの

多面的な取り組みによって

このGapをなくそうとしている。

(Closing the Gapのことを知りたい方は、こちらをどうぞ

 

ぼくが問題解決のためにやっていること

ぼくは医学部生として、

大学のService Learningという活動に従事している。

これは、以前の記事で触れたプロジェクトのことである。

活動をさせてもらっているのが、

Clontarf Academyと呼ばれるNPO団体で、

主にBroome Senior High School

St. Mary’s Collegeの高校生を対象に、

健康と予防に関する授業、

スポーツ大会中の体調管理、

終業式の応援スピーチなどを行った。

 

 

このプロジェクトを通じて

学ばせていただいたことは、

高校生がオーディエンスであるばあい、

授業の内容を入念に作り込まなければいけない、ということだ。

 

Clontarf Academyとの準備会議で、

「衛生」と「傷の治療」について

授業をしてほしいと言われていた。

 

でもぼくは、

高校生を相手に

「衛生」の大切さをストレートに訴えても、

だれも聞いてくれないだろうなぁと思った。

 

だから、ぼくは衛生を教えるのではなく、

「デート」という高校生にとって切実な問題を、

「衛生」につなげて教えることにした。

 

その時の実際の映像がこちら。

プレゼンのタイトルは、

How to get a date

(デートに誘うための秘密)です。

その一部をどうぞ。

 

 

「衛生」を「デート」につなげるという、

このひと工夫が功を奏し、

みんな目をキラキラさせながら、

ぼくのプレゼンに耳を傾けてくれました。

 

子供たちが興味を持って

授業を聞いてくれたおかげで、

授業後のテストの成績が

授業前と比べて格段にアップしました。

 

テストの成績なんかより、

「衛生」「傷の治療」の大切さを、

子供たちに卒業してからも

覚えてもらえたらと心より願っている。

 

追伸:恥ずかしいことに、

「デート」の授業が終わった後から、

みんなに”Dating Guru, Hiro”と呼ばれるようになりました。

とくに、病院に来た高校生からそう呼ばれると、

同僚たちからからかわれたりします。

“Hey guru, how can I ask Miranda Kerr out?”って。

もちろんぼくは

“No, you can’t. I will.”

って答えています。

 

 

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ごとうひろみち
『高校中退⇒豪州で医者』をいつも読んでいただき誠にありがとうございます。著者・ごとうひろみちに興味を持ってくれたあなたのために、詳しい自己紹介を←ここでしていますので、どうぞご覧ください。

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