Tag: レジデント
オーストラリアで総合医になる必勝方法
ぼくには、「オーストラリアで温かい医者になる」という夢がある。この夢の旅路に就くまでのその道は、控えめに言っても、紆余曲折で満ち溢れていた。
ごとうひろみちの紆余曲折の人生に興味のある方はこちらをどうぞ。
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オーストラリアの医学部を一年休学した後に卒業し、ぼくは現地の病院に就職した。現在は、医師3年目のペーペー Registrarをやっている。通常、オーストラリアで言うRegistrarは「専門医になるための訓練を受けている医師」を指すのだが、ぼくはいまService registrarという少し変わったポジションで働いている。Service registrarは、特定の専門のトレーニングプログラムに入っているわけではないが、病院側が働き手が一時的に足りていない分野に送り込むRegistrarのことを指す。オーストラリアの医師のハイラルキーに興味がある方は、過去記事『オーストラリアのインターン医師になったらやらなければならない6つのこと』をどうぞ。
インター医師よりも経験はあるが専門をまだ決めかねている医師は、このService registrarとして働くことが多い。そして、Service registrarとしてインターン医師よりは重い責任を負いながら、どの専門に進むかを考えている。どの専門に進むのかを決める要因は千差万別で、流行りの専門を選ぶ医師がいたかと思えば、朝の問診が嫌いだからという理由で救急医療を選ぶ医師がいたりする。色々な思惑と背景を持った医師がいる以上、これさえ押さえておけば専門医トレーニング選びに後悔しない、というものはない。
ちなみに、医学部に入ったときにこんなフローチャートが授業で出てきたが、あながち間違いではないような気がする。専門を迷われている方は参考にするといいかもしれない(が、あまり気にする必要もないと思う)。
オーストラリアのインターン医師は、大きく分けて外科、内科、救急、精神科のローテーションを通じて医師としての一般的なスキルを磨く。3年という限られたインターンシップの期間中に、すべての科を回ることは不可能である。あらかじめ「~科で働きたいなぁ」と思っている医師は、病院側にその科に優先的に回してもらうことをお願いする。また、「~科には興味がない」ということを病院側に伝え、それ以外の科に回してもらうこともできる。
ぼくは医師として以下のローテーションを回ってきた。
1年目
内科(記事)
移植外科(記事)
救急(記事)
急性疾患医療(記事)
2年目
整形外科(記事)
コードブルーチーム(記事)
精神科(老年)(記事)
救急科(記事)
神経科(記事)
https://www.youtube.com/watch?v=9ctkC_VszlY
3年目
腎臓学(記事)
リウマチ科・免疫科(記事)
精神科(記事)
リハビリ科(記事)
急性疾患医療(記事)
4年目
1.心疾患集中治療室(記事)
これらのローテーションを通じて、色々な人たち(および医学的症例)に出会い、「オーストラリアで温かい医者になる」という夢を温めてきた。そして、患者さんに「温かい医者」と感じていただける可能性が一番高い専門医は「総合医」ではないか、と思うようになってきた。また、色々なことに興味があるぼくの頭に刺激を与えてくれるのも「総合医」ではないかとも思うようになってきた(フローチャートを見てみると、I like everythingを選択した人には、Family medicineが勧められているのが分かる)。
今回の記事『【全貌公開】オーストラリアで総合医になるために必要なこと』では、以下の7点を、ぼくが実際に歩いた道のりを紹介しながら解説していこうと思う。
総合医(GP)って何のお医者さん?
...
コロナウイルス、オーストラリア、医師2年目の真実
2020年は、大変な年になりました。
なによりも、中国の武漢で発生したコロナウイルス(COVID-19)。
コロナウイルスが瞬く間に世界に広がり、多大な犠牲者が出たことによって、わたしたちの生活は大きな影響を受けました。
コロナウイルスの感染拡大が毎日のようにニュースなどで報道される中、人々の心配に付け込んだ営利目的・扇動目的のデマが、ネットで沢山飛び交っていました。ぼく自身は、医者として多くの人に正しい情報を送りたいと思い医学論文などを読み、YouTubeに警鐘動画をアップしたりしました(1月末)。
『コロナウイルス、これだけは知っておこう(医師からのアドバイスも添えて)』
https://www.youtube.com/watch?v=oOMJWGRQ8wg
コロナウイルスの件を通じて分かったことは、「科学者や医者は断定的にモノを語らない(語れない、というのが正確)」のに対して、「営利目的・扇動目的の人はモノを断定的に語る(エビデンスなしで)」ということだ。
これからまだまだ、沢山のデマが飛び交うことが予想されますが、皆様も「Extraordinary claim requires extraordinary evidence」という言葉を胸に持っていてほしいと思います。
さて、それでは話題を変えて、ごとうひろみちの「オーストラリア、医師2年目の真実」を語っていきたいと思います。
コロナウイルス、オーストラリア、医師2年目の真実
2020年は、ぼくにとってオーストラリアでの医師2年目となりました。
病院での仕事は、患者さんのプライバシー保護が第一になるため、仕事内容をブログに書くことがほとんどできません。それでも、これからお医者さんになろうとしている方に向けて、できるだけ正確な情報をお伝えできればと思い、YouTubeに「【高校中退⇒豪州で医者】救急の深夜勤務はツライよ」や「【高校中退⇒豪州で医者】2年目(レジデント)の真実」をアップしてみました。
『【高校中退⇒豪州で医者】救急の深夜勤務はツライよ』
https://www.youtube.com/watch?v=nb54aPwRLHc
『【高校中退⇒豪州で医者】2年目(レジデント)の真実』
https://www.youtube.com/watch?v=9ctkC_VszlY
そのほかにも、医者の仕事やコロナウイルスのストレスにつぶされないように、仕事とは関係のない動画もアップしてみました。
コロナウイルス、オーストラリア、医師2年目の真実
医者の仕事やコロナウイルスのストレスにつぶされないように、仕事とは関係のない動画もアップして、自分の精神衛生に留意しました。そのなかでも、シリーズ「高校中退者が英語で音読してみた」は、英語が上手になりたいと願っているぼくにとって、自分の英語を客観的に判断できる材料となりました。このシリーズを続けたおかげで、英語がまた少し上達したかも、と思える年となりました。
『シリーズ「高校中退者が英語で音読してみた」』
(右上のリストからすべての動画にアクセスできます)
https://www.youtube.com/watch?v=MKxYcCL5sas&list=PLf4Xi7iEROlu5N9SBIa-r3pqnIBBnjyN3
また、英語が上手くなりたいと思っている人たちのためにヒントとなる動画を作ったりしました。
『【レビュー】Atsueigo - 日本で英語が絶対にぺらぺらになる方法』
https://www.youtube.com/watch?v=9VG1PDuK-iQ
『【レビュー】eigophile - 英語ライティング - 本気で勉強するとどうなるのか?』
https://www.youtube.com/watch?v=24Xri6fG-Yw
『英語を勉強している人の99%が知らない英語試験の落とし穴』
https://www.youtube.com/watch?v=ZGtD5QrZS3A
『日本人の英語が伸びない理由』
https://www.youtube.com/watch?v=TK9nL4xZp5c
医者が医者のジョークを英語を読んでみた
https://www.youtube.com/watch?v=aX-dStbM-IE
医者の仕事は、滅茶苦茶大変ですが、とても充実しています。そのほとんどの内容は守秘義務のため、お話をすることができませんが、医者になって良かったと思える毎日を過ごしています。
2020年の暮れから、西オーストラリア州が州間移動者や海外旅行者を受け入れ始めたため、自分が住んでいるパースでもコロナウイルスの脅威がさらに現実的なものになっていきます。そのため、2021年には、オーストラリアの医療崩壊を目の当たりにするかもしれません。それでも、コロナウイルスのワクチンに少しだけ期待しながら、感謝の気持ちを胸にドクターひろとして邁進していきたいと思います。
オーストラリアの医師が答える「医師訓練アンケート」
オーストラリアの医師は、Australian Health Practitioner Regulation Agency(AHPRA)で免許を更新する。
免許更新が終わると、Training Survey Question(医師訓練アンケート)というものに任意で答える。このアンケートの目的は、どの分野に進む医師が多い(もしくは少ない)のかを調べ、予算案の材料にするのだとも思う。
また、このアンケートは、どの分野が人気な(つまり競争が高い)のか、などの情報を知れるため、医師にとっても有益なものである。
それでは、実際の医師訓練アンケートに答えていく。
...
オーストラリアで医師免許を更新する
オーストラリアの医学部を卒業し、インターンシップも無事クリアすると、医師免許が仮免から本免にアップグレードされる。
今回は、医師免許(本免)の更新の流れを図解していく。
まずは、Australian Health Practitioner Regulation Agency(AHPRA)で更新の状態をチェックする。
全体の流れはこのようになっている。
それでは、まずはSelection Applicationから。
次は、Privacy and Confidentiality。
Contact Details(連絡先)も記入する。
Training Survey Question(アンケート)に答える。(これは別の記事『医師訓練アンケート』にて詳しく触れる)
医師であれば、次の Mandatory Disclosures に答えなければならない。
Workfoce Survey(職場に関する質問)にも答える。
...
【オーストラリアで働きたいお医者さん】就職に有利な専門医。就職に不利な専門医。
ブログの質問箱に「オーストラリアで医者として働きたい」というコメントを、日本のお医者さんからよくいただく。
ほとんどの場合は手続きに関する質問であるため、ぼくはオーストラリア医学協会(Australian Medical Association)とオーストラリア医療関係者規制当局(Australian Health Practitioner Regulation Agency)のページを紹介し、自分で調べていただくことにしている。そうすることが一番確実で安全あるからだ。
とは言え、わざわざ質問をしていただいたのに、「自分で調べてください」という返答をする自分はなんだか味気が無いなぁと思っていたので、今回は「オーストラリアで働きたい日本のお医者さん」に耳寄りな情報をお伝えしたいと思います。
オーストラリアの保健省が2019年に発行した文書に「National medical workforce strategy scoping framework 2019」というものがある。その文書の目次の中に、7 Priority workforce issues and contributing factors というセクションがある。
1 Executive summary ... 7
2 About...
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