過去の記事『オーストラリアの医学部、最終学年の一発目の研修先は麻酔科』で紹介したように、ぼくはいま Fiona Stanley Hospital の麻酔科で研修をしている。
オペ室に行く前に、パシャ。
(自撮りはしないぼくだが、
読者のリクエストには弱い)
朝6時30分ごろ家を出て、マンデュラ行きの電車に乗って、マードック駅まで行く。早い時間なので、電車の車両には数人しか乗っていない。
電車のなかでは、もちろん、麻酔科の本を読んでいる。
今回の記事は、ぼくが実際に読んで役に立ったと思う麻酔科の書籍を紹介する。専門医レベルではなく医学部を卒業することが目的のぼくは、書籍を選ぶときに、次の3つの点を重視している。もしあなたが同じように書籍を選んでいるのであれば、必ず役に立つ書籍なのでぜひとも手に取ってみてほしい。
- 詳細ではなく全体図を伝えている書籍
- 薄ければ薄いほどいい
- 7回読み出来るもの(☚これは、山口真由さんが推薦している勉強法で、2018年からぼくも取り入れた勉強法である。記憶力に劣るぼくにはとてもパワフル勉強法となっている。興味がある方は、この記事の下にリンクを貼っています)
麻酔科の勉強に役に立った書籍は次の3つである。
Lecture Notes – Clinical Anaesthesiaは実質100ページぐらいの書籍だが、麻酔科の基礎知識、麻酔用具の説明、そして救急の説明などがなされている。著者がどんな意図をもって書いているかが分かるので、何を覚えればいいかがスーッと入ってくる。一番のお勧めである。
Lecture Notes – Clinical Anaesthesia
Oxford Handbook of Anaesthesiaは、麻酔科の知識がゼロの人にもわかりやすく説明されている。ただ、上の書籍よりは臨床医向けの書籍かもしれない。麻酔科に興味を持っている人は、こちらのほうがいいかもしれない。
Oxford Handbook of Anaesthesia
Oxford Handbook of Clinical Specialtiesは、沢山ある専門医の全体図を伝えることを目的としている。そのため、麻酔科の細かい知識やスキル、そして卒業試験に出題される問題を網羅されていない(と思う)。しかし、この本を読めば、出発点と終着点を手早く把握できるため、「あとは中間地点を埋めていけば卒業できる」と安心することが出来る。膨大の量の知識を詰め込まなければいけない医学生にとって、無駄な勉強をしていないという感情を持つことは、精神的に非常に大事なことなのだ。
Oxford Handbook of Clinical Specialties
最後に、全体図を把握してから詳細を埋めていく、山口真由氏の『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』は、医学部の勉強に役立つ。とくに、記憶力、理解力に自信がないぼくにとって、「繰り返すことの大切さ」を強調している勉強法は、勇気を与えてくれる。