医学部最後の年。一発目の研修先は麻酔科だった。これまでの医療研修のなかでも、熱心に教えてくれるお医者さんが多い専門科研修だった。
麻酔科の研修が終わると、間髪入れずに緩和ケアの研修が始まる。麻酔科で学んだ薬物がダイレクトに応用されているので、学習が一層強化される。
ぼくが配属されたのは、Royal Perth Hospitalという、パースのど真ん中にあるTeaching Hospitalである。
緩和ケアの概要をざっと見ておこう。
緩和ケアの研修は1週間しかないが、医学生に期待されている臨床体験は次のようなものである。
卒業試験に出題される範囲は、次のようになっている。(試験に出るとは書いていないけど・・・)
緩和ケアの臨床研修の成績は、次の課題となっている。丸で囲まれている部分は、卒業試験(筆記と実技)の説明をしている。
緩和ケアは他の専門科とは異なり、患者さんを病気の対象としてではなくBiopsychosocial-spiritual beingとして捉え、その枠組みの中で医療がどんなサービスを提供できるかを考える医療である。目の前の木を見るだけでなく、その木が属している森も見なければいけない。言うのは易しだが、行うは難しだ。