オーストラリアで医療に従事するために必要な手続き(4) Infection Control

 

Infection controlとは何か?

 

Infection Control (Blood test)とは、感染症歴が管理されているかどうかを示すものである。つまり、感染症に過去にかかったらダメというわけではなく、感染症が抑えられているかどうかを証明するものである。

 

ぼくの大学の医学生は、つぎの9つの感染症の病歴を血液検査で証明しなければならない。

 

  1. Hepatitis B (B型肝炎ウイルス)
  2. Hepatitis C (C型肝炎ウイルス)
  3. HIV (ヒト免疫不全ウイルス)
  4. Measles(ましん)
  5. Mumps(おたふくかぜ)
  6. Rubella(ふうしん)
  7. Varicella/Zoster(水痘・帯状疱疹)
  8. Tuberculosis(結核)
  9. Pertussis(百日咳)

 

9つの感染症のうち8つのは、幸いMedicareでカバーされている(つまり、国が代金を払ってくれる)。しかし、TuberculosisのQuantiFERON-TB Gold Test だけは自己負担(確かA$75)しなければならない。

 

ぼくは医学部に入学したときに QuantiFERON-TB Gold Testを受けてTuberculosis negativeだったので、再検査をしなくてもいいだろうと医学部から言われた。

 

血液検査をしたのは大学の医療クリニックで、血液を採取した後、血液検査の結果とお医者さんからの大丈夫でしたレポートをもらうために、1週間後に再診してくださいと言われた。

 

ちなみに、医学生の自分も血液を採るのだが、注射針は素早く入れるべきである。恐る恐る針を刺していると、その時間に比例して痛みが発生する。針はすっと素早く入れて、さっと血液を採取するべきだ。

 

ちなみに、今回登場した感染症に興味がある方は、こちらの動画をどうぞ。

 

Hepatitis B & C (B,C型肝炎ウイルス)

 

HIV (ヒト免疫不全ウイルス)

 

Measles(ましん)

 

Mumps(おたふくかぜ)

 

Rubella (ふうしん)

 

Varicella/Zoster(水痘・帯状疱疹)

 

Tuberculosis(結核)

 

Pertussis(百日咳)

 

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ぼくが医者を目指すことにした2つのきっかけ

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00:10:04

オーストラリアの現役医学生が「旅人が最も行ってみたい10の世界の町」に選ばれたフリーマントルをブラブラ散策してみた

  世界版「地球の歩き方」と言っても過言ではないLonely Plant誌によれば、オーストラリアのフリーマントルは、世界の旅行者が一度は行っておきたい10の町のひとつ、だという。   Wikipedia によれば、フリーマントルは、西オーストラリア州の州都パースから南西19kmに位置する街で、人口は約25,000人。ちなみに、日本の姉妹都市は横須賀市。   フリーマントルという名前は、スワン川植民地計画を指導したイギリス海軍の船長チャールズ・フリーマントルに因んで名付けられている。歴史的に、フリーマントルという町は、イギリスが行ったオーストラリア植民地政策の拠点のひとつだった。植民地政策が終わってからも、フリーマントルはいまだに港として大きな役割を果たしている。   ぼくは久しぶりに土曜日に時間が取れたので、フリーマントルで「ブラひろみち」した。   日中の気温が37℃だったので、少々暑いなぁと感じながらも、日陰に入ればカラッとしていて、とても過ごしやすい一日だった。   ぼくは町を散歩するとき、ネットで「フリーマントルに行くならここだけは行っておけ」みたいな情報は見ない。自分が行きたいところに、こころ赴くままに足を運んでいく。   ジェラートの甘い香りがすれば、鼻をクンクンさせながらそちらのほうに行ってみたり、遠くからディジュリドゥ(先住民アボリジナルピープルの伝統楽器)が聞こえてくれば、耳をぴくぴくさせながら音源のほうに歩いて行く。   赤の他人が高評価している場所よりも、ぼくが歩いているその瞬間にしか体験できないことを、ぼくは優先して選んでいるのかもしれない(←Carpe Diemかな?)。そのため、ぼくの動画は旅行者向けではないのかもしれない。   それでも、ぼくがその時出会った人たちとのふれ合いのおかげで、フリーマントルの町はゆったりとして楽しいところだなぁと感じることができました。感謝。この記事を読んでくれているあなたにも感謝。   https://youtu.be/LCawimYFXVo    

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ごとうひろみち
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『高校中退⇒豪州で医者』をいつも読んでいただき誠にありがとうございます。著者・ごとうひろみちに興味を持ってくれたあなたのために、詳しい自己紹介を←ここでしていますので、どうぞご覧ください。

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  変な人を日本政府がサポートするプログラム「異能vation」の2次面接の戦略と戦術を考えている。   記事「異能vation、の2次面接の練習を始めます」で触れたが、もしぼくの「破壊的な挑戦」の申請書が1次選考を通過すると、2次面接で3分間の面接・プレゼンを求められる(かもしれない)。面接・プレゼンを楽しむためにTED Talksやスティーブ・ジョブズ氏関連の書籍を参考にしながら、自分のプレゼンを組み立てている。   プレゼンの練習に疲れたので、何か別のことをしようと思い、近所のジュンク堂に行くことにした。家を出て上を見上げると、真っ青な湖面に白色の積乱雲が漂っている。こんな日は、この歌が自然に頭に流れてくる。   https://www.youtube.com/watch?v=PQXMU1A8CjI   書店に行く目的は、異能vationの方向性を決めているプログラムアドバイザーが日頃どんなことを考えているかを理解するためである。プログラムアドバイザーが異能vationの具体的な方向性に言及している書籍は無い(と思う)。しかし、プログラムアドバイザーがどんな思想を持って活動しているのかは著作を通して知ることができる。総務省はこの思想に魅力を感じてプログラムアドバイザーに選んでいるはずなので、プログラムアドバイザーの思想を知れば、異能vationの選考条件が自然に浮かんでくる(とぼくは青空を目で聞きながら夢想している)。   伊藤穰一(じょういち)さんの紹介   プログラムアドバイザーのリストに最初に来ている人物は、伊藤穰一(じょういち)(愛称はJoi)さんである。伊藤穰一さんのことはTEDを通じて存在を知っていたが、どんな思想・経歴をお持ちなのかぼくは全く知らなかった。   https://www.youtube.com/watch?v=LN6Vn-aqgFs   伊藤さんの経歴をWikipediaで調べてみると、おもわず笑ってしまった。     大学中退の学歴で、MITのメディアラボ所長になるって!現在は、博士号も取り、現実的な処世術としてMIT教授にもなっている(その時の話は、彼のブログ記事「教授になります」が面白い)(追記:現在、伊藤さんはジェフリー・エプスタイン関係の事件が原因でMITのメディアラボ所長を退職されています)   経歴の面白味は、それだけじゃないです。伊藤さんは、過去に六本木でナイトクラブを経営したり、DJだったり、IT会社を複数起業していたり、大企業の取締役をしていたり、赤ちゃん企業にスタートアップ投資するエンジェル投資家の顔も持っています。かと思えば、スキューバー・ダイビングの先生であったり、著名人を写真に収める写真家であったりもします(そのほかにも突っ込みどころが満載なのでWikipediaとその脚注・外部リンクの情報を読んでみてください。面白いに尽きます)   https://www.youtube.com/watch?v=Fbqib311QgA   伊藤穰一さんって、変な人でしょ?異能vationの最終選考者の竹内さんが、伊藤さんを「Joi = 神」と表現している理由がなんとなくわかったような気がします。   UCアーバイン校で人類学教授をしている伊藤瑞子さん(穰一さんの妹)との対談を聞いていると、穰一さんの異能ぶりを家族の視点から知ることもできます。   https://www.youtube.com/watch?v=P0CxCR9Uj60   伊藤穰一(じょういち)さんの書籍   伊藤穰一さんにHookedされてしまったぼくは、ジュンク堂におかれている彼の書籍をすべて買って読んでみた。           そのなかでも、異能vationの面接に役立ちそうな切り口を与えてくれたが、著書『9プリンシプルズ』である。書籍の内容は学術的であるため、ターゲット読者はおそらく知識人であると考えられるが、メッセージはシンプルである。書籍に書かれているメッセージとは、これからのネット時代においてイノベーションを起こしながら生き残るには9つのマインドセットが必要であるということだ。   1.権威より創発 2.プッシュよりプル 3.地図よりコンパス 4.安全よりリスク 5.従うより不服従 6.理論より実践 ...

【世紀の一戦】ごとうひろみち 対 Atsueigo

  えー、巷では名須川天心対フロイドメイウェザーの世紀の一戦がもっぱらの話題です。英語の世界も負けてられん、と【世紀の一戦】ごとうひろみち 対 Atsueigo を(一方的に)実現させました。それでは、前置きを含めてどうぞ。   ☆★☆★☆★☆★   オーストラリアの医学部を卒業した後、日本に一時帰国し、総務省の異能vationのイベントに参加したり、Urdocアプリの創始者と対談したり、日本の医学生に臨床英語のセミナーを開いたり、東大で先生をしている友人にサインをもらったり、1日5~8時間ぐらい東京の町を当てもなく歩いたりした。   オーストラリアにとんぼ返りする直前にAtsueigoさんの東京トークライブに参加してきた。今回の記事では、トークライブでのAtsueigoさんの印象や、Atsueigoさんがこれから挑戦しなければならない問題を提起していく。記事の流れはこうなっている。   Atsueigoとは誰なのか? ごとうひろみちとは誰なのか? Atsueigoのトークライブと彼の英語力 Atsueigoに挑戦状を叩きつける 挑戦状の先にあるもの   まずは、自己紹介から。Atsueigoさんを知らない方のために、彼のことを簡単に紹介しておく。   Atsueigoとは誰なのか? 以下、Atsueigoページより抜粋。   ...

【期間限定】アマゾン書籍『高校中退から豪州医学部へ』無料プレゼント中!(前半戦)

  アマゾン書籍『高校中退から豪州医学部へ』前半戦を期間限定プレゼント(無料)!     いまなら期間限定で、アマゾン書籍『高校中退から豪州医学部へ』の前半戦の感想をコメントするだけで、アマゾン書籍【後半戦】を無料ゲットできます!     このページの一番下に感想コメントすると、アマゾン書籍『高校中退から豪州医学部へ』の後半戦のページに移動することができます。 ↓↓↓↓↓↓

オーストラリアの医学部に進もうかと考えている日本の女子高生からの悩みに、ごとうひろみちが答えてみた

  ぼくのブログには、オーストラリアで医者になりたいというコメントがたくさん寄せられます。そのほとんどは、具体的なプランが無いなど、どうやって返信をしていいのか分からないものが多いです。 そんな中、オーストラリアの医学部に行くことを真剣に考えている日本の女子高生からお便りをいただきました。丁度、深夜勤務明けのお休みの日にお便りをいただいたこともあり、ぼくも真剣にコメントを返してみました。 以下、高校生からの文章を太字にして、パラグラフごとにぼくなりの返事をしています。   こんにちは、初めまして。 ⇒初めまして。   今回は大学進学について悩んでいたところ、このサイトと出会い、ぜひ助言をいただきたくこの文面を書いています。拙い文章力で申し訳ありませんが、しばらくお付き合いください。 ⇒この時点ですでに文章力の高さを感じます。   私は広島在住の18歳で、将来の夢は小さな頃から医師になること、「人の命を救うこと」でした。昨年高校を卒業し、高校では日本の文部科学省規定の学習ではなくIBディプロマを取得しました。英語でBiologyやChemistryなど、様々な科目を学習してきた私でしたが、自分の英語に日本人の中では話せる方であったとしても、nativeと戦っていけるほどの自信はなかったので、そのまま日本の大学(subject requirementの関係で一校のみ)を受験しました。しかしscoreがrequirementに及ばず不合格に。医師の道を諦めるという選択肢はなかったので、IB生では異例の浪人を決意し、IBの最終試験の再受験のための勉強(自宅にて)とセンター試験のための勉強を一から(予備校にて)並行して行い、無事IB scoreはrequirementを越え、今年はセンター試験の点数も持っていたため、昨年受験した大学を含め三校受験しました。一週間ほど前に開示された結果は全校不合格でした。 ⇒IBディプロマというものがあるんですね。知りませんでした。まずは、IBディプロマ修了おめでとうございます。大学受験は残念でしたが、前に進んでいる(行動している)ので全く問題ありません。今は胸が痛いかもしれませんが、数年後にはこの経験があったからこそ「自分」のアイデンティティが確立されたと思えるようになります。   合否発表前より、全て不合格だった場合にはどうするかを考えており、以下の2つが家族の中でも濃厚な線でした: 1. ハンガリー医科大学時事務局を通じてハンガリー国立大学医学部を受験し、進学。卒業後は日本の医師国家試験を受験(卒業と同時に受験資格は得られる)し日本で医師として働く。 ⇒ハンガリー医科大学事情は詳しく知らないのですが、確か留学生の留年率が50%だったような気がします。つまり、毎年、半分の同級生が留年するというとても大変な道のりです。このことを考えると、日本で浪人をして日本の医学部に行くほうが時間的・金銭的にベターかも、という可能性も見えてきます。 追記:留年率は66%でした。過去記事を参照。   2. オーストラリアの大学に進学し(昨年の段階で合格はもらっていたため)、学士をとった上で帰国、日本の国立大学医学部へ学士編入し、日本で医師として働く。元来私は日本で医師になることを目標にしていたので、このどちらかを考えていました。しかし、高校の先輩で今オーストラリア・ブリスベンで看護師として働く方と話す機会があり、とても生き生きと自分の夢に向かって走っている彼女の話を聞くと、この先輩のようになりたい、オーストラリアに進学したいという気持ちが強くなりました。 ⇒オーストラリアの大学合格おめでとうございます。パチパチ!素晴らしいです。オーストラリアで学士を取った後、日本の医学部に編入する選択肢も現実的です。おそらくですが、オーストラリアで学士を取ると、そのままオーストラリアの医学部(大学院コース)に進みたくなるかもしれません。これも、選択肢の中に入れておいてください。   両親も私が医師になる夢はずっと応援してくれているので、日本での進学の道がほとんど閉ざされてしまった今、オーストラリアへの進学を前向きに考えてくれています。 ⇒両親が応援してくれるのは、すごくプラスです。ぼくは、誰からも応援されることなく医学部受験をしたので、両親が応援してくれたら、もっと高い点数を取ることができたかもしれません。   ただ、master courseの学費の高さや、(学費を安くするための)永住権取得の難しさ、そしてオーストラリアで日本人が医師になることの現実性など、本格的に考えれば考えるほど、実際に医師として働けるなど夢のまた夢のように思えてしまっています。 ⇒学費の高さは、とても重要なポイントです。最近では、クラウドファンディングなどで学費を捻出する強者もいるようですが、ほとんどの人は高い学費が払うことができずに医学部に行くことを断念します。ぼくもその例にもれず、医学部を3度受験し3回合格したにもかかわらず、永住権が無かったために2回入学を辞退しています。ここをどうクリアするかは、経済事情によりますので、ご両親とよく議論されることをお勧めします。オーストラリアで日本人が医師になることの夢のまた夢と表現されていますが、オーストラリアで働く日本人医師はちらほらいます。例が少ないために、「無理なんだ」と思い込んでいるだけだと思いますよ。前例が無ければ自分が最初の例になればいいだけのことです。   一番の夢が「人の命を救うこと」である以上、医師になれる確率が高い道、という考えで進学先を決めるとすると、上記のようにハンガリー -> 日本、もしくは学士編入が良いのでは、という考えが両親の中では強いようです(医師として働けるようになるまでの年月も踏まえて)。 ⇒日本で医師になることを前提にハンガリーへ留学する人が多いことは認知しています。詳しいことは知らないのですが、ハンガリーの医学部には日本の医師国家試験の勉強もしている医学生が周りにいるらしいです。この点において、オーストラリアよりもハンガリーのほうが有利かもしれません。というのも、オーストラリアの医学部には日本人の医学生はゼロですし(いるのかなぁ?)、周りに日本の医師国家試験の勉強する人はいません。アメリカのUSMLEを受験する人は少ないですが存在します。   私の一番の希望は、オーストラリアでbachelorをとり、その後永住権をとった上でmasterに進む、という道ですが、masterへの進学が叶いそうにない(永住権を取れそうにない)場合は、bachelorだけでもオーストラリアで取得し、そこからハンガリー/日本の医学部へ進学/編入したいと考えています。*bachelorに関してはメルボルン大学またはUQのbachelor of...

最新のブログ記事

丹精込めて書きました

オーストラリア医師、レジストラを振り返る(パート5:リハビリ科)

  ぼくは「オーストラリアで温かい医者になる」という夢を持っている。ぼくはその夢を叶えるべく、オーストラリアの医学部を卒業し、インターン医師として次の4つの研修を無事修了した。 一般内科 (General Medicine)(リンク) 移植外科 (Transplant Surgery)(リンク) 救急医療 (Emergency...

オーストラリア医師、レジストラを振り返る(パート4:コロナウイルス病棟)

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オーストラリア医師、レジストラを振り返る(パート3:心臓病科・心疾患集中治療室)

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オーストラリア医師、レジストラを振り返る(パート2:急性疾患医療)

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オーストラリアで総合医になる必勝方法

  ぼくには、「オーストラリアで温かい医者になる」という夢がある。この夢の旅路に就くまでのその道は、控えめに言っても、紆余曲折で満ち溢れていた。   ごとうひろみちの紆余曲折の人生に興味のある方はこちらをどうぞ。 ↓↓↓↓↓↓   オーストラリアの医学部を一年休学した後に卒業し、ぼくは現地の病院に就職した。現在は、医師3年目のペーペー Registrarをやっている。通常、オーストラリアで言うRegistrarは「専門医になるための訓練を受けている医師」を指すのだが、ぼくはいまService registrarという少し変わったポジションで働いている。Service registrarは、特定の専門のトレーニングプログラムに入っているわけではないが、病院側が働き手が一時的に足りていない分野に送り込むRegistrarのことを指す。オーストラリアの医師のハイラルキーに興味がある方は、過去記事『オーストラリアのインターン医師になったらやらなければならない6つのこと』をどうぞ。   インター医師よりも経験はあるが専門をまだ決めかねている医師は、このService registrarとして働くことが多い。そして、Service registrarとしてインターン医師よりは重い責任を負いながら、どの専門に進むかを考えている。どの専門に進むのかを決める要因は千差万別で、流行りの専門を選ぶ医師がいたかと思えば、朝の問診が嫌いだからという理由で救急医療を選ぶ医師がいたりする。色々な思惑と背景を持った医師がいる以上、これさえ押さえておけば専門医トレーニング選びに後悔しない、というものはない。 ちなみに、医学部に入ったときにこんなフローチャートが授業で出てきたが、あながち間違いではないような気がする。専門を迷われている方は参考にするといいかもしれない(が、あまり気にする必要もないと思う)。     オーストラリアのインターン医師は、大きく分けて外科、内科、救急、精神科のローテーションを通じて医師としての一般的なスキルを磨く。3年という限られたインターンシップの期間中に、すべての科を回ることは不可能である。あらかじめ「~科で働きたいなぁ」と思っている医師は、病院側にその科に優先的に回してもらうことをお願いする。また、「~科には興味がない」ということを病院側に伝え、それ以外の科に回してもらうこともできる。   ぼくは医師として以下のローテーションを回ってきた。 1年目 内科(記事) 移植外科(記事) 救急(記事) ...

オーストラリア医師、レジストラを振り返る(パート1:リハビリ科)

  ぼくは「オーストラリアで温かい医者になる」という夢を持っている。ぼくはその夢を叶えるべく、オーストラリアの医学部を卒業し、インターン医師として次の4つの研修を無事修了した。 一般内科 (General Medicine)(リンク) 移植外科 (Transplant Surgery)(リンク) 救急医療 (Emergency...