オーストラリアの医学生が奨学金をもらったために進路変更をした話

2016年は、パースを離れ、

ブルームで1年間勉強することになった

(留年しないことが前提)。

ぼくは最後まで、

ブルームに行くか、

パースでiPS細胞の研究を選択するか、

近所のカフェでコーヒーを飲みながら迷っていた。

コーヒーはぼくの朝ごはんなのだ。

店には、Astrud Gilberto & Stan Getz

“The Girl From Ipanema” がかかっていた。

最終的には、

学生時代は今までやったことの無いこと

(つまり不安が多いほう)に挑戦するべきだと思い、

ブルームに行くこと決めた。

ぼくはコーヒーを一口を飲んだ。

ブルームに行く決断を、

iPS細胞の指導教官になるはずだった先生に連絡すると、

「ブルームかい。そりゃいいね。

私もそっちを取るよ、ハハハ。

でも、パースに帰ってきて、

iPD細胞の研究に携わりたいときは

必ず連絡しなさいよ。

やることは沢山あるからね。」と言ってくれた。

さて、ブルームに行くから研究に携わらなくなるわけではない。

うちの大学の医学生は2年次の後期から卒業まで、

Research、Service Learning、Course Workの

どれかひとつを選択しなければいけない。

Researchの目標は、研究成果を学会で発表したり、科学雑誌に論文を掲載することである。

Service Learningの目標は、学者が立てた仮説に基づいて活動しているNGOグループに参加し成果をあげることである。

Course workは、医学部卒業証書のほかに、Master of Education、Master of Public Health、Master of Business Administration (通称MBA)などの学位を取得することが目的である。

ぼくは研究が大好きなのでResearchを選択するつもりだった。

でも、ブルームにはあまり面白そうな研究が無かった。

自分で研究プランを立てても良かったのだが

(例:ブルームに移り住んだ日本系オーストラリア人は、

その他のオーストラリア人に比べてどのような疫学的違いがあるのか?)、

なんせ知り合い(コネクション)が現地にいない。

その上、ブルームにいるのは1年間。

研究以外にも、学校の授業や研修などもあるため、

この選択は非現実的だと判断した。

ぼくは、最終的に、

ResearchからService Learningに方向転換する決断をした。

この時、ぼくの目の前には、

飲みかけのコーヒーと、

半分ぐらい食べられて牛の角のような形になった

クロワッサンがあった。

Service Learningを選択する場合、

自分が希望するNGO団体に、

履歴書と参加動機などをしたためたレターを書かなくてはいけない。

大学側がテンプレートを用意してくれるので

これに倣ってExpression of Interestレターを書く。

  1. What do you understand this activity to involve?
  2. What skills do you bring that will enable you to contribute to this activity?
  3. What training might you need to complete this activity to a high standard?
  4. How will this activity contribute to your career interest/s?
  5. In the event you are not successfully matched in this activity, what topic areas are of interest to you?

全5問で、各質問に250単語以内で答えなければいけない。

ぼくが参加を希望したのは、

You Can Do It!と呼ばれるNGOの活動である。

ぼくのExpression of Interestレターが承認されるかどうか、

今はわからない(レターをさっき書いたばかりなのだ)。

具体的な活動内容もわからないが、

もし参加が認められたら、

ブルームにいる小学生の

社会的、情緒的、学術的な成長を

促す活動に関わることになると思う。

そのなかでも、

家庭環境(例えば、両親がアルコール中毒症に罹っているなど)が原因で

なかなか学校生活に適応できない子供たちの支援に関われたらと思っている。

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ごとうひろみち
『高校中退⇒豪州で医者』をいつも読んでいただき誠にありがとうございます。著者・ごとうひろみちに興味を持ってくれたあなたのために、詳しい自己紹介を←ここでしていますので、どうぞご覧ください。

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