Collieでのへき地医療研修も終え、ぼくはパースに戻ってきた。その後、1週間の休みがあり、その間にぼくは論文を書いたり、異能vationの申請書を用意していた。本当は卒業試験に向けて勉強するべきところだが、人生は1度しかない。欲張りに生きてみようと思ったのだ。
休みが明けると、医学部の研修は続く。これまで、麻酔科、緩和ケア、腫瘍科、脳外科、へき地医療の研修の話をしてきたが、第6弾の研修先は、外科である。研修先の病院は、ジュンダラップ病院だ。
ジュンダラップ病院は、これまでの医学生生活のなかで一度も訪れたことがない。ぼくが住んでいるシティから1時間ぐらい(つまり、往復2時間)通勤にかかるので、あまり行きたい場所ではなかったが(時間がもったいないので)、乗り掛かった舟はぜひ楽しみたいと思う。
それでは、これまでのように、外科の学習ガイドラインを読んでいこうと思う。
ふむふむ。耳鼻咽喉科と一般もしくは専門外科にそれぞれ2~3週間配属されるんだな。
やることは、Ward work, Outpatient clinics, Theatre workなんですね。縫合のワークショップもある。
外科研修の中で磨かなければならない臨床スキルは以下のもの。
耳鼻咽喉に関すれば、これらのことを学ばなければならない。
オペ室ではこんなことを実習・習得しなければならない。
その他、臨床スキルや臨床試験がどのような病気の診断に使われるのかを理解しなければならない。
外科の教科書はたくさんあり、5週間で読める量のものはひとつもない。興味のある人はTextbook of Surgeryを書店で手に取ってみてください。重いですぞ。
最後は、外科研修の評価方法である。耳鼻咽喉科と一般外科で一つずつ、Structured Clinical Assessmentがある。これは、ひとりの患者さんをHistory-taking, physical examination, investigation, diagnosis, management, follow-upまでを網羅し、どのような工程で患者さんのケアが行われたか、そしてそれが適切であったかをお医者さんと議論するものである。
特に、外科のコミュニケーションは、とても難しい。普段使われる英語とは違い、無駄をできるだけ省きながらも、患者さんの医学的状態を的確に描写しなければならない。これは、ノンネイティブのぼくにとっても、ネイティブの同級生とっても、習得が難しいスキルである。鍛錬と時間のみが、その習得を可能にしてくれる。
次の動画は、ぼくが尊敬する外科医アトール・ワンディ先生がTEDで話したものである。医療に関する「自動車」の例え話は、医者だけでなく患者さんも知っておくべきことかもしれない。