英語のお悩み相談
ぼくはアマゾン書籍を出してから、「英語の悩み相談」をお願いされるようになりました。
日本社会では「敗者」と見なされがちの高校中退者でありながら、TOEFL 279、IELTS8.5取って、海外の大学を卒業&世界有数の研究所に就職し、きわめつけに海外で医者になろうとしている、というギャップが読んだ方を突き動かすのだと思います。
応援メールもありますが、ほとんどのメールは相談です。
そのなかでも一番多い相談は
「どうしたら英語ができるようになりますか?」
というものです。
これは答えに窮する、とて~も難しい質問です。
まず、「英語ができる」という状態がどんなものなのか、ぼくには分かりません。
「英語で道を聞かれたら、英語で行き先を答えられる」ことなのか。「英語試験で高得点をとる」ことなのか。「英語で好きな人を振り向かせる」ことなのか。ぼくには、「英語ができる」という状態が、どんなものなのか全く想像がつきません。
ぼくは英語を勉強し始めたころ、この想像できない「英語ができる」を追い求めることをやめました。つまり、ぼくは「英語ができる」状態を目指したことがありません。どんなことをすればいいか考え付かないからです。
それでは、ぼくは何を目指したのか?
それは、この記事でも触れている「英語でできる」状態です。
英語ができるよりも、「英語で勉強できて、英語で仕事ができる」そんな状態を目指しました。
英語ができなければ勉強も仕事もできないじゃないか!と反論される方もいます。英語力が高くない時は確かにそうです。
しかし、ぼくに相談される人の多くは、つねに「英語ができる」ことを目指していて、いつまでたっても「英語でできる」状態を目指そうとはしません。いつまでも「英語がペラペラ」とか「TOEIC990点」を目指したりしています。
それでは、いつまでも英語で勉強したり、英語で仕事をすることはできません。つまり、英語で成功することはできないということです。
ぼくからのアドバイス
長年英語の勉強を続けてきて、分かったことがあります。それは
英語試験の点数は、「英語でできる」能力に比例しない
ということです。
このことを次の図で説明します。(横軸は、英語試験の点数。縦軸は、英語でできる(成功)能力。)
上の図をみて下さい。この図は、英語試験の点数が低ければ、英語でできる(成功)能力も低いことを示しています。これは、「英語ができなければ、勉強も仕事もできないじゃないか」という考え方を裏付けています。
しかし、次の図を見て下さい。
上の図を見ると、英語試験の点数が高くても英語でできる(成功)能力が必ずしも高くないということが分かるのではないでしょうか?
この考え方を持っているのは、ぼくだけではなく、英語で成功されている人の多くが似たような考えを持っています。
例えば、作家の村上春樹さん(村上さんは翻訳を手掛けるほど「英語で仕事ができる」人です)。村上さんは過去に、TOEICを勉強している人にこんなことを述べています。
村上さんも、実践的英語力とTOEICの点数は比例しないと言っています。
ぼくは、こういうこともあって、「どうしたら英語ができるようになりますか」という相談メールが来ると、
できるだけ早く「英語ができる」から「英語でできる」へと方向転換をしてください
とアドバイスしています。
TOEIC満点を目指すことを否定しませんが、その努力が次の図のように二度手間にならないように気を付けましょう。
上の図のように、点数を上げる努力(1)をして英語でできる努力(2)をすると、多大な時間とお金をつぎ込む必要があります。
若くてお金も潤沢にあれば、このやり方でもいいと思いますが、ほどんどの人は時間もお金も余裕がありません。ほとんどの人は、より効率的な勉強をしなければいけないということです。
これまで「英語ができる」ことを目指していた方は、実は非効率的な勉強法をしていることに気づいてください。でも、がっかりすることはありません。「英語でできる」能力を伸ばすことができれば、英語試験の点数は自然に伸びていきます。こんな感じで。
「英語でできる」ことを心がければ、1回の努力で済むので、お金も時間も大幅に節約することができます。
実は、早いうちから「英語ができる」から「英語でできる」へ方向転換したことが、ぼくが
- TOEFL297、IELTS8.5
- 海外大学留学
- 英語で論文出版
- 海外医学部合格(3回)
- 海外永住
- エアーズロックガイドの資格
を実現できた秘訣なのです。
「英語ができる」を目指した勉強を続けていれば、TEOFLとIELTSで高得点を取ることはできたでしょう。しかし、その勉強だけでは、他のゴールはおそらく数十年かけないと達成できていないと思います。
あなたもぜひ、「英語ができる」から「英語でできる」への方向転換を早目にしておきましょう。