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ゴルゴ13が教える、海外で命を守るための安全対策マニュアル

  ぼくは、オーストラリアに永住している。(⇐高校中退したぼくが海外永住を実現した方法は、アマゾン書籍『豪州永住権の手引き』を参照)   オーストラリアに永住してから数年が経つが、外務省からメールが定期的に送られてくる。主に、選挙や教育に関するメールが多いのだが、最近送られてきた安全に関するメールがかなりインパクトがあったのでここで紹介しようと思う。   以下、実際に送られてきたメール文章。   昨年7月のバングラデシュの首都ダッカでのテロ事件を踏まえ,外務省では特に海外における中堅・中小企業の安全対策の強化を重視し,「切り札」として「ゴルゴ13」ことデユーク東郷氏の協力を得て,「中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」を作成しました。 このマニュアルには,ゴルゴ13が指南する「最低限必要な安全対策」が13の物語の中に盛り込まれていますので,この機会に是非ともご覧いただき,安全対策の一助としていただければ幸いです。   ゴルゴ13!   「中堅・中小企業向け」の海外安全対策マニュアルと書かれているが、これから海外に観光旅行する人にも知っておいてほしい安全知識とスキルが盛り込まれている。海外旅行慣れをしている人ほど、安全の初心を忘れるものです。推測ですが、日本人に実際に起こった事件をもとに漫画が描かれていると思います。海外観光、海外生活を安全で楽しいものにするために、ぜひともゴルゴ13の漫画から、命の守り方を教わりましょう。   漫画は全て、下のリンクから無料ダウンロードできます。外務省の能化領事局長が漫画を解説しているYoutube動画もついています。   ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル 舞台 テーマ(PDF漫画) Youtube動画 第1話 日本 外務大臣からの依頼 リンク 第2話 パキスタン 「たびレジ」 リンク 第3話 タイ 外務省海外安全情報 リンク 第4話 インドネシア 中堅・中小企業 海外安全対策ネットワーク リンク 第5話 ベルギー 情報収集 リンク 第6話 メキシコ 海外渡航の基本的心得 リンク 第7話 フィリピン 安全のための三原則 リンク 第8話 ドイツ オフィスの安全対策 リンク 第9話 ケニア トップの意識 リンク 第10話 トルコ 平時の危機管理 リンク 第11話 イラク 有事への備え リンク 第12話 イラク 有事への対応 リンク 第13話 米国 Gマニュアルの完成 リンク      

人種差別に揺れる人類

  ドナルド・トランプ政権の誕生により、もともと存在していた人種差別の種が、アメリカで大きく成長する兆しを見せている。   日本のメディアでも大きく取り上げられたが、2017年8月12日、米ヴァージニア州シャーロッツビルの白人至上主義者の集会にて、白人至上主義グループと反対派グループが衝突し、反対派1名、警備にあたっていた警察官が2名亡くなった(参照:朝日新聞)。   New York Times https://www.youtube.com/watch?v=dSS1G1MP6Cs   Neo-NazisグループのChristopher Cantwell https://www.youtube.com/watch?v=P54sP0Nlngg   トランプ大統領はこの事態を受け、Racism is evil. という声明を発表し、白人至上主義の活動を糾弾している。しかし、大統領のこの声明が出されたのは衝突2日後であり、遅れた対応の根底には白人至上主義があるのではないかと、トランプ大統領は強い批判にさらされている。   https://www.youtube.com/watch?v=xJZQ8TfXb4Y   アメリカで白人至上主義を主張する団体KKK(クー・クラックス・クラン)の存在を知っている人は、どれぐらいいるだろうか。このKKKは、シャーロッツビルの衝突に関わっている。   KKKのリーダーとリポーターとのやり取り https://www.youtube.com/watch?v=aCAXE_78chM   KKKに関するドキュメンタリー https://www.youtube.com/watch?v=cayCYpxtIyo   人種差別は心を強く揺さぶる   動画を観ると分かるが、人種差別問題はぼくたちの感情に強く訴えてくる問題である。感情に訴える問題は、その刺激があまりにも強いため、理性的な議論を通じて問題解決することがとても難しい。しかし、だからと言って、感情に任せて反応すれば、血の結末しか待っていないことは、歴史を見れば分かる。   https://www.youtube.com/watch?v=DFNUdCtMXWE   人種差別は人類共通の問題   人種差別は、アメリカやヨーロッパに限った問題ではない。日本にも「三国人」という表現に代表されるような人種差別の思想があるし、アジアにも南米にもアフリカにも、そしてぼくが生活しているオーストラリアにも存在している。差別の対象が変わるだけで、人種差別は人類史における普遍的な問題である。   https://www.youtube.com/watch?v=MxnmMrWOj3c   ぼくは自分の記事「あなたの人種差別度を測るテスト」で、人種差別は無意識的な社会的構成概念であると主張した。人種差別は、人間が持つXenophobia(他人恐怖)に起源をもち、経済的・政治的な社会構造の影響を受けて、その思想が育つと思っている。このことはつまり、思想の種である他人恐怖はだれにでもあり、すべての人が過激な人種差別主義者になる可能性があるという主張につながる。   人種差別者にならないために   少子化を迎える日本は、これから海外の労働力に頼る割合が増えてくることが予想される。そうなると、日本も人種差別の問題がより顕著になっていくことになるだろう。つまり、人種差別の問題がより身近な問題になるということだ。   人種差別者の主張がより幅を利かせる社会において、ぼくらは自分自身そして家族・子供に防御線を張らなければならない。そのなかでも、ぼくそしてあなたの中に存在する「人種差別の種」をまず認めることが大事な一歩である、とぼくは考えている。   人種差別の種の存在を受け入れることができれば、その種の成長に歯止めをかけることは、自分の責任であることを受け入れられる。しかし、人種差別の種の存在を否定してしまうと、人種差別は「一定のグループに限られた問題」になってしまい、責任を放棄したあなたは社会構造の影響をより受けやすくなる。そうなると、あなたは感情的な議論に巻き込まれ、当たり前のように人種差別者になってしまうかもしれない。   https://www.youtube.com/watch?v=r9DDE7NV1Nw    

ぼくが見つけた最高のYouTuber

  YouTuberはうるさい。   何かを喋っていなければ、 視聴者に動画を消されてしまうからだろう。   騒々しいYouTuberが氾濫する中、 何も言わずにぼくの心を動かす動画がある。   ハローもないし、 グッバイもない。   言葉はないのに ぼくの心を揺さぶる。   ぼくはこんなことをしてみたいんだ ということに気づかせてくれる。   https://youtu.be/o3Dpthn3eqU?list=PLf4Xi7iEROls5u8shj_FEaAeSKyi9FFM5   書籍 "Into the wild"を読んだ時のような 自然に回帰したいという 強い欲求に駆られる。   Into the wild(英語)   荒野へ(日本語版)   映画「イントゥ・ザ・ワイルド」   https://www.youtube.com/watch?v=eQyE0Mu97Ec     あなたはどんなことがしたいですか?    

あなたの人種差別度合を測るテスト

  Harvard大学はアンチ人種差別   Harvard大学に入学が決まっていた新入生が人種差別的な発言をして入学が撤回になったニュースがあった。Harvard大学と言えば、世界大学ランキングでも常に上位にある大学である。そんなworld-wideな大学ですら、人種差別の問題は存在するのだ。このことは特筆するほど驚くことではない。   https://www.youtube.com/watch?v=fTcSVQJ2h8g   「人種差別がない国」はない   ぼくは、人種差別の存在を否定するほどナイーブではない。日本でも人種差別はもちろん起きているし、ぼくが旅行した海外の国でも人種差別的な発言・行動を目にしてきた。ちなみに、日本が人種差別国ランキングで何位かを知っている人はほとんどいない。(←どうやってランキング化しているんだろう)   ぼくが暮らしているオーストラリアは、日本よりも多人種・多文化国家である。そのため、人種差別問題は明るみに出やすい。ぼく個人も、人種差別的発言をいただくことがある。それは、往々にして、街を歩いているときに知らない人から暴言を浴びせかけられるなどの全く根拠のない程度のものである。だから、ほとんど気にならない。イラっとするぐらいである。   ただ、自転車に乗っているときに、ぼろぼろのワゴン車がぼくのそばに来て、運転手の男性と助手席の女性から大声で罵声を浴びせられた時は、さすがに心の中でハァーと大きなため息をついてしまった。ぼくの中にある「女性は博愛主義者である」という穿った妄想が打ち砕かれた瞬間である。良い子は耳をふさいでしまう言葉を浴びせられながらも、英語が分からない振りをしてニコニコしていたぼくだが、心の中は本当に残念でしかなかった。思い出しただけで、ハァーっとなる。   「人種差別は有る、無い」で議論することは不毛   ぼくは、人種差別の問題を有る無しで議論することは無い。ぼく(あなた)が人種差別者であるか否かということは議論することは不毛だと思っている。それよりも、ぼくが関心があるのは、ぼく(あなた)が「どれだけ人種差別的思考・感情を持っているか」ということである。(←思想ではなく、思考・感情と書いていることに注意)   実は、ぼく(あなた)が「どれだけ人種差別的思考・感情を無意識的に持っているか」を測るテストがある。Implicit association test(潜在連合テスト)と呼ばれるもので、脳科学・心理学の分野で用いられる科学的テストである。   このテストを受けるかどうか躊躇する人がほとんどである。「もし、人種差別者だと判定されたらどうしよう」という恐れがそこにはあるからである。健全だと思う。上でも述べたが、「人種差別者か否か」という考え方を持っている限り、この恐れは無くなることはない。より建設的なのは、自分が「どれぐらい人種差別的思考・感情を持っているか」ということを知り、だからどうすればいいかを考えることである。   あなたの無意識的な人種差別傾向を測るテスト   潜在連合テストを受けて、自分の人種差別的傾向を知っておこう(日本語版、英語版)。はからずも、このテストを無料提供しているのは、Harvard大学である。   潜在連合テストの妥当性は、まだ議論が行われており、このテストの結果によって「ぼくはアジア系の人種を無意識的に差別している」「あなたはヨーロッパ系の人種を無意識的に差別している」という風には断定してはならない。   しかし、人種差別というものが無意識的に行われているという考え方は、覚えていた方がいいと思う。人種差別者と「自称そうではない人」の違いは、意識的に人種差別的な思考・感情を抑えているかどうか、だとぼくは考えている。   人種差別は本能ではない   といっても、人種差別が生来的で不変なものであると主張しているわけではない。人種差別はsocial constructに近いとぼくは考えている。子供たちが遊ぶ姿を見れば、それは分かる。子供たちにとって、人種も文化も宗教も大きな意味をなさない。子供にとっての最大の関心は、一緒に遊んで楽しいかどうかということだけである。白も黒も黄色も、子供にとっては透明である。   それでも、人間が清廉潔白な生き物だともぼくは思わない。人種差別はなくならないだろうし、これからも人種差別を子供たちに伝える大人はいなくならないだろう。だからこそ「アンチ人種差別」という継続的な教育というものが大事なのである。   https://www.youtube.com/watch?v=CoVdi9U_PIQ&t=126s    

メルボルンでテロが起こり、日本領事館がこんなメールを送ってきた

  ぼくは2013年にオーストラリアへ移住した。ほのぼのしたこの国が大好きだが、そのほのぼのとした雰囲気が一瞬で緊張の膜で覆われることがある。   長年謎とされてきた「クレアモント連続女性殺人事件」の容疑者が、自分の家から2ブロックぐらい離れたところで捕まった時もそうだ。殺人の内容からすると、「お金持ちの人かなぁ」と思っていたので、まさか容疑者が近所で暮らしているとは想像もしなかった。その家の人とは顔見知りではないが、「おぉ、怖えぇ」と思ったのは事実である。   クレアモント連続女性殺人事件は、パースに住んでいる人にはとても関心のあることかもしれないが、オーストラリア全体から見れば、そこまで緊張が走る事件ではないかもしれない。   しかし、国全体に緊張が走る事件が今日起きた。そう、イスラム過激派に関連したテロ事件である。   https://www.youtube.com/watch?v=yvgZ9zpyQys   今回の事件は爆弾などを使った無差別テロ行為ではないと言われている。容疑者が男性を2人を射殺し、女性を人質にとった事件である。この行為そのものは、(言葉は悪いが)耳にしても驚かない類の事件である。しかし、警察によって射殺されたこの容疑者は、「doing this for IS(Islamic States)」と犯行声明を出していたと言われている。これが事実であるならば、ISによる犯行ではないものの、ISに触発された事件であることには間違いないことになる。   これまでにも、オーストラリアはイスラム教過激派によるテロリズム行為によって、罪もない人民が命を落としている(オーストラリアで起きたテロリストのリストはこちらをどうぞ)。テロリストによる犠牲者が増えれば増えるほど、国全体の緊張の糸は切れそうになっていく。そうすると、いつかその緊張の糸が切れて、「やられるまえに、やっちまえ」ということが起こる。そうなると、罪もない人たちが更に命を落とす恐れがある。   オーストラリアの日本領事館も、今回のテロリストを受けて、日本人永住者にこんなメールを送ってきている。以下全文そのまま掲載。   総領事館からのお知らせ 平成29年6月6日 在パース日本総領事館 ~海外安全情報(スポット情報)~ オーストラリア:メルボルンにおけるテロ事件発生に伴う注意喚起 ●6月5日夕刻,メルボルン市ブライトン地区で発生した銃撃人質事件について,6日,ターンブル豪首相は,本事件をテロ攻撃であるとし,更なるテロへの警戒を呼びかけています。 ●上記を踏まえて,オーストラリアへ渡航・滞在される方は,以下を参照し,テロ事件等不測の事態に巻き込まれることのないよう,最新の関連情報の収集に努めてください。 1 現地警察によれば,6月5日夕刻,メルボルン市ブライトン地区で男がサービス・アパートに押し入り,女性を人質にとる事件が発生しました。アパートのロビーでは射殺された男性の遺体が見つかり,警察との銃撃戦により,押し入った男は射殺されました。この地域は日本人もよく立ち寄ったり,滞在するところでもあります。 2 本件との関連性は不明ですが,ISIL(イラクとレベントのイスラム国)の事実上の通信社とされる「アアマーク通信」はこの事件が「ISILの戦闘員」によるものと言及しています。6日,ターンブル豪首相は,本事件をテロ攻撃であるとし,更なるテロへの警戒を呼びかけています。 3 2014年12月にはシドニーで人質立てこもり事件が発生しており,また,昨年9月にはISILがウェブ雑誌を通じてオーストラリアの象徴的な場所におけるテロを呼びかけるなどしています。オーストラリアにおいて,引き続き,ISILによるテロの呼びかけに呼応する者などがテロ活動を行い,日本人が被害に遭う可能性も排除できません。 4 オーストラリア政府によれば,現時点では,同国のテロの脅威レベル(「Probable」(起こりそうである))に特段の変更はありませんが,連邦・各州当局では最近のテロ情勢を踏まえ,大規模なイベント等における警戒態勢を見直す等の動きが見られます。以上の状況を考慮し,不測の事態に巻き込まれないよう引き続き以下の対応に努めてください。 (1)最新の関連情報の入手に努める。 (2)テロ・誘拐等の標的となりやすい場所(※)を訪れる際には,周囲の状況に注意を払い,不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる等,安全確保に十分注意を払う。  (※)リゾート施設,各種イベント会場,観光施設,レストラン,ホテル,ショッピングモール,スーパーマーケット,劇場,コンサート会場等人が多く集まる施設,教会・モスク等宗教関係施設,公共交通機関,政府関連施設(特に軍,警察,治安関係施設)等 5 在留届の提出や「たびレジ」への登録を必ず実施してください。 3ヶ月以上海外に滞在する方は在留届の提出を,また3ヶ月未満の場合は「たびレジ」にご登録ください。(たびレジの登録: https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/  ) 6 日本の外務省作成の「テロ対策パンフレット」も併せお読みください。 (1)パンフレット「海外へ進出する日本人・企業のための爆弾テロ対策Q&A」 (2)パンフレット「海外旅行のテロ・誘拐対策」 (パンフレットは,https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph.html に掲載。) (問い合わせ先) ○外務省 住所:東京都千代田区霞が関2-2-1 電話:(代表)03-3580-3311 ・領事サービスセンター(内線)2902 ・領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐に関する問い合わせ)(内線)3047 ・領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐に関する問い合わせを除く)(内線)2851 ○外務省 海外安全ホームページ: https://www.anzen.mofa.go.jp/ https://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版) https://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html (スマートフォン版) (現地公館連絡先) ○在オーストラリア日本国大使館 住所:112 Empire Circuit, Yarralumla, Canberra A.C.T. 2600, Australia 電話:(61-2)6273-3244 Fax:(61-2)6273-1848 ホームページ:https://www.au.emb-japan.go.jp/jp/index.html ○在シドニー日本国総領事館 住所:Level 12, 1 O'Connell Street, Sydney, N.S.W. 2000, Australia 電話:(61-2)9250-1000 Fax:(61-2)9252-6600 ホームページ:https://www.sydney.au.emb-japan.go.jp/index_j.htm ○在パース日本国総領事館 U22...

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