メルボルンでテロが起こり、日本領事館がこんなメールを送ってきた

 

ぼくは2013年にオーストラリアへ移住した。ほのぼのしたこの国が大好きだが、そのほのぼのとした雰囲気が一瞬で緊張の膜で覆われることがある。

 

長年謎とされてきた「クレアモント連続女性殺人事件」の容疑者が、自分の家から2ブロックぐらい離れたところで捕まった時もそうだ。殺人の内容からすると、「お金持ちの人かなぁ」と思っていたので、まさか容疑者が近所で暮らしているとは想像もしなかった。その家の人とは顔見知りではないが、「おぉ、怖えぇ」と思ったのは事実である。

 

クレアモント連続女性殺人事件は、パースに住んでいる人にはとても関心のあることかもしれないが、オーストラリア全体から見れば、そこまで緊張が走る事件ではないかもしれない。

 

しかし、国全体に緊張が走る事件が今日起きた。そう、イスラム過激派に関連したテロ事件である。

 

 

今回の事件は爆弾などを使った無差別テロ行為ではないと言われている。容疑者が男性を2人を射殺し、女性を人質にとった事件である。この行為そのものは、(言葉は悪いが)耳にしても驚かない類の事件である。しかし、警察によって射殺されたこの容疑者は、「doing this for IS(Islamic States)」と犯行声明を出していたと言われている。これが事実であるならば、ISによる犯行ではないものの、ISに触発された事件であることには間違いないことになる。

 

これまでにも、オーストラリアはイスラム教過激派によるテロリズム行為によって、罪もない人民が命を落としている(オーストラリアで起きたテロリストのリストはこちらをどうぞ)。テロリストによる犠牲者が増えれば増えるほど、国全体の緊張の糸は切れそうになっていく。そうすると、いつかその緊張の糸が切れて、「やられるまえに、やっちまえ」ということが起こる。そうなると、罪もない人たちが更に命を落とす恐れがある。

 

オーストラリアの日本領事館も、今回のテロリストを受けて、日本人永住者にこんなメールを送ってきている。以下全文そのまま掲載。

 

総領事館からのお知らせ

平成29年6月6日
在パース日本総領事館

~海外安全情報(スポット情報)~

オーストラリア:メルボルンにおけるテロ事件発生に伴う注意喚起

●6月5日夕刻,メルボルン市ブライトン地区で発生した銃撃人質事件について,6日,ターンブル豪首相は,本事件をテロ攻撃であるとし,更なるテロへの警戒を呼びかけています。
●上記を踏まえて,オーストラリアへ渡航・滞在される方は,以下を参照し,テロ事件等不測の事態に巻き込まれることのないよう,最新の関連情報の収集に努めてください。

1 現地警察によれば,6月5日夕刻,メルボルン市ブライトン地区で男がサービス・アパートに押し入り,女性を人質にとる事件が発生しました。アパートのロビーでは射殺された男性の遺体が見つかり,警察との銃撃戦により,押し入った男は射殺されました。この地域は日本人もよく立ち寄ったり,滞在するところでもあります。

2 本件との関連性は不明ですが,ISIL(イラクとレベントのイスラム国)の事実上の通信社とされる「アアマーク通信」はこの事件が「ISILの戦闘員」によるものと言及しています。6日,ターンブル豪首相は,本事件をテロ攻撃であるとし,更なるテロへの警戒を呼びかけています。

3 2014年12月にはシドニーで人質立てこもり事件が発生しており,また,昨年9月にはISILがウェブ雑誌を通じてオーストラリアの象徴的な場所におけるテロを呼びかけるなどしています。オーストラリアにおいて,引き続き,ISILによるテロの呼びかけに呼応する者などがテロ活動を行い,日本人が被害に遭う可能性も排除できません。

4 オーストラリア政府によれば,現時点では,同国のテロの脅威レベル(「Probable」(起こりそうである))に特段の変更はありませんが,連邦・各州当局では最近のテロ情勢を踏まえ,大規模なイベント等における警戒態勢を見直す等の動きが見られます。以上の状況を考慮し,不測の事態に巻き込まれないよう引き続き以下の対応に努めてください。
(1)最新の関連情報の入手に努める。
(2)テロ・誘拐等の標的となりやすい場所(※)を訪れる際には,周囲の状況に注意を払い,不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる等,安全確保に十分注意を払う。
 (※)リゾート施設,各種イベント会場,観光施設,レストラン,ホテル,ショッピングモール,スーパーマーケット,劇場,コンサート会場等人が多く集まる施設,教会・モスク等宗教関係施設,公共交通機関,政府関連施設(特に軍,警察,治安関係施設)等

5 在留届の提出や「たびレジ」への登録を必ず実施してください。
3ヶ月以上海外に滞在する方は在留届の提出を,また3ヶ月未満の場合は「たびレジ」にご登録ください。(たびレジの登録: https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/  )

6 日本の外務省作成の「テロ対策パンフレット」も併せお読みください。
(1)パンフレット「海外へ進出する日本人・企業のための爆弾テロ対策Q&A」
(2)パンフレット「海外旅行のテロ・誘拐対策」
(パンフレットは,https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph.html に掲載。)

(問い合わせ先)

○外務省
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311
・領事サービスセンター(内線)2902
・領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐に関する問い合わせ)(内線)3047
・領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐に関する問い合わせを除く)(内線)2851

○外務省 海外安全ホームページ:
https://www.anzen.mofa.go.jp/
https://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp (携帯版)
https://www.anzen.mofa.go.jp/sp/index.html (スマートフォン版)

(現地公館連絡先)
○在オーストラリア日本国大使館
住所:112 Empire Circuit, Yarralumla, Canberra A.C.T. 2600, Australia
電話:(61-2)6273-3244
Fax:(61-2)6273-1848
ホームページ:https://www.au.emb-japan.go.jp/jp/index.html

○在シドニー日本国総領事館
住所:Level 12, 1 O’Connell Street, Sydney, N.S.W. 2000, Australia
電話:(61-2)9250-1000
Fax:(61-2)9252-6600
ホームページ:https://www.sydney.au.emb-japan.go.jp/index_j.htm

○在パース日本国総領事館
U22 / Level 2, 111 Colin Street, West Perth, WA 6005, Australia
(P.O. Box 1915, West Perth WA 6872)
電話:(61-8)9480-1800
Fax:(61-8)9480-1801
ホームページ:https://www.perth.au.emb-japan.go.jp/jp/index.html

○在ブリスベン日本国総領事館
17th Floor, 12 Creek Street, Brisbane, Queensland 4000, Australia
電話:(61-7)3221-5188
Fax:(61-7)3229-0878
ホームページ:https://www.brisbane.au.emb-japan.go.jp/jp/

○在メルボルン日本国総領事館
Level 25, 570 Bourke Street, Melbourne, VIC 3000, Australia
電話:(61-3)9679-4510
Fax:(61-3)9600-1541
ホームページ:https://www.melbourne.au.emb-japan.go.jp/index_j.html

○在ケアンズ領事事務所
Level 15, Cairns Corporate Tower, 15 Lake Street, Cairns, QLD 4870, Australia
電話:(61-7)4051-5177
Fax:(61-7)4051-5377
ホームページ:https://www.brisbane.au.emb-japan.go.jp/jp/about/cairns.html

(連絡先)
在パース日本国総領事館 代表電話番号:+61-8-9480-1800

 

ぼくは、テロリズムのことを考えると、いつもノーム・チョムスキー氏が言った “If you want to stop terrorism, stop participating it” という言葉を思い出す。

 

 

日本でいずれ起こるかもしれないテロリズム行為を阻止するために、ぼくら平民ができることも同じだと思う。

 

If we want to stop(prevent) terrorism, stop participating it.

 

日本でいずれ起こるかもしれない戦争を阻止するために、ぼくら平民ができることも同じだと思う。

 

If we want to stop(prevent) war, stop participating it.

 

前の記事商標が思ったよりも身近だった件
次の記事あなたの人種差別度合を測るテスト
ごとうひろみち
『高校中退⇒豪州で医者』をいつも読んでいただき誠にありがとうございます。著者・ごとうひろみちに興味を持ってくれたあなたのために、詳しい自己紹介を←ここでしていますので、どうぞご覧ください。

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください