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オーストラリアの医学生がやっている3つの勉強法
(0)医学部の勉強を始める前に
医学部の一年生が終わった。
大変だった。
一年生が大変だった理由は3つある。
大学を卒業して10年以上も経っていたので、頭が怠けて(老化して)いた。
試験のために記憶・理解しなければならない情報量が膨大だった。
効率的な「My勉強法」を確立していなかった。
これから海外の大学で勉強するという方には、
学科の勉強
(医学部なら医学、建築学部なら建築の勉強)
に集中する前に、
自分が効率的だと思う「My勉強法」を
まず確立することをお勧めする。
もちろん、
万人に適応できる勉強法があるわけではないので、
個人の嗜好を考慮して、
最終的には学部の中間テストなどの試験結果を吟味し、
試行錯誤しながら
「My勉強法」を確立していくことになる。
ぼくの周りには
すごく頭の良い友人もいる。
しかし、どんな世界も同じで、
そんな才能を持っている人はごく一部で、
その他はぼくと同じように
自分の能力に疑問を持ちながら勉強をしている。
今回の記事は、
そんな凡人たちでも
無事医学部一年生をパスできた勉強方を紹介する。
友人たちの勉強法を大きく分けると、
以下の3つのやり方があるように思える。
論理的なノート作り
絵画的なノート作り
単語帳的なノート作り
(1)論理的なノート作り
論理的なノート作りは、
とても効果的な勉強法である。
とくに、医学生は、病気の勉強するときに、
だいたい同じような形式のノートを作っている。
たとえば、
ぼくの友人は以下の項目を印刷した
ノートを授業に持っていき、
授業中にその答えを見つけてノートを作りあげている。
Disease name
Definition
Epidemiology
Prevalence/Incidence
Who gets it
What causes it
Screening / Preventative measure
Health care...
オーストラリアの医学部をドロップアウトする人たち
1年生のドロップアウト率
ぼくと同じ年に
医学部に入学したのは
240名ほど。
1年次で
約20名ほどが
退学・留年もしくは
休学したことがわかった。
ぼくの知り合いの女の子も
私生活と医学部の勉強のバランスがうまく取れずに
1年の前期をパスし、
一年間休学をした。
結構仲が良かったので少し残念だった。
でも、彼女の場合は、
1週間のうち3日間フルタイムで働いていたし、
何らかの調整をしたほうが
心身のためになるとは思っていたので、
休学の相談をされたときは
「良いクラスメイトがいなくなるのは寂しいけど、
1年間ゆっくり考えると良いと思うよ。
戻ってきたときもまだ友達だしね」と伝えた。
2年生のドロップアウト率
2年生になると、
同じように昨年留年した学生が約20名いたらしく、
ぼくの学年の総数は240名ほどで
大きく変わることは無かった。
留年した先輩(いまは同級生)に
留年した理由を聞いてみると、
ほとんどの人が
臨床試験をパスできなかったことが
原因だと言った。
3年生に向けて
来年のRural Clinical Schoolの奨学金を受けるには、
2年生をパスしなければならない。
プレッシャーもあるが、
そんな中でいかに楽しめるかを模索していきたいと思う。
そのためには、体力が必要だぁ!
ということで、
いまからKings Parkに走りに行きます。
だぁ!
Kings Park とはこんなところです。
https://www.youtube.com/watch?v=JNPx2uQwT4o
出典:lukeaustinphotography.com/
オーストラリアの医学生のぼくが、STAP細胞事件について考えたこと
衝撃
昨年(2014年)の始めに発表された
STAP細胞のニュースは、
本当に衝撃的だった。
物理の世界における
ニュートンの万有引力の法則
と同等の発見だと思った。
丁度、
医学部での勉強が始まった頃で、
すぐに小保方氏に夏休みに
実験手法を学びに行かせてくれないかと
メールを出したことを思い出す。
返信はなかった。
理研の見解
最近、
理研側がSTAP細胞の論文は誤りである
という結論を出しました。
ガッカリした瞬間でした。
科学者で良かった
でも、自分が科学者で本当に良かった
と思ったときでもあります。
なぜなら、
家族や友人にSTAP細胞の話をしたときに、
ほかの実験者によって再現されて初めて
STAP細胞は認められること
を伝えていたからです。
この考え方を教えてくれたのは、
ほかでもない科学です。
STAP事件以来、
やっぱり科学は信じられない
という友人がいます。
この友人は
科学論と科学を
混同しています。
科学論が正しいかを審査するのが科学。
つまり、STAP細胞は誤った科学論であった、
と科学が教えてくれたのです。
科学者以外も知っておきたい金言
iTELLの中心哲学である「論理」に関する金言に、
”Extraordinary claims require extraordinary evidence”
というものがあります。
つまり、衝撃的なニュースほど、
さまざまな証拠を吟味して
結論を出す必要があるということである。
日本メディアは、
小保方氏の論文がNature誌に載ったから
というだけでこの考えをすっ飛ばしてしまったのではないか?
そしてそんなメディアと一緒に
われわれは躍っていたのではないか?
いんちき商法やエセ科学など
衝撃的なニュースはそこらじゅうにある。
ぜひとも、
”Extraordinary claims require extraordinary evidence”
という金言を覚えていてほしい。
理論より証拠
ポピューラーな理論を理解するより、
どんな証拠がその理論を正しい・間違いと証明できるのか
ということを考えるべきである。
その後、
STAP細胞は本当だったとか、
Harvard大学が特許申請をしているとか、
いろいろな情報が飛び交っています。
長い目で見れば
STAP細胞の真偽は大事です
(科学、医療、産業などが大きく変わる可能性があるからです)。
それでも、
ぼくら一般人が関心を払うべきことは、
飛び交う情報にどんな証拠があるのか?
と考えることです。
小保方さんの近況
小保方さんのホームページが
開設されています(本人かどうかは不明)。
このページには
最新のプロトコールが公開されています。
オーストラリアの医学生が夏休みにやっていること
Alone again on campus
大学はお休み。
だれもいないキャンパス。
芝生に支えられて本を読む。
I once had a girl, or should I say, she once had me...
村上春樹の『ノルウェイの森』を夏休みの間に3回読んだ。
1回目で、過ぎ去った青春時代を思い出し、
2回目で、失われた青春時代を嘆き悲しみ、
3回目で、自分の中の青春時代のかけらにさよならするために。
I sat on a rug, biding my time, drinking her...
オーストラリアで医学生をしているぼくが継続していること
Happy New Year!
いつものジョギングを
元旦からはじめます。
この景色を
毎晩見られることは幸せだけど、
日本で初詣するのも
幸せのカタチですよね。
太宰府天満宮に行って、
暴走族をみて、
梅ヶ枝餅と一緒に
熱くて濃ーい抹茶飲みたい。
そして、
あいつと実りの無い
くだらない話をしたいなぁ。
今年は、
医学部の2年生。
1年生のときに比べ
病院での研修も増えてきます。
大変なのは分かりきっていますが、
その中でいかに楽しみをみつけることができるか。
それでは、
2015年が皆様にとって良い年でありますように。
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ごとうひろみちの紆余曲折の人生に興味のある方はこちらをどうぞ。
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オーストラリアの医学部を一年休学した後に卒業し、ぼくは現地の病院に就職した。現在は、医師3年目のペーペー Registrarをやっている。通常、オーストラリアで言うRegistrarは「専門医になるための訓練を受けている医師」を指すのだが、ぼくはいまService registrarという少し変わったポジションで働いている。Service registrarは、特定の専門のトレーニングプログラムに入っているわけではないが、病院側が働き手が一時的に足りていない分野に送り込むRegistrarのことを指す。オーストラリアの医師のハイラルキーに興味がある方は、過去記事『オーストラリアのインターン医師になったらやらなければならない6つのこと』をどうぞ。
インター医師よりも経験はあるが専門をまだ決めかねている医師は、このService registrarとして働くことが多い。そして、Service registrarとしてインターン医師よりは重い責任を負いながら、どの専門に進むかを考えている。どの専門に進むのかを決める要因は千差万別で、流行りの専門を選ぶ医師がいたかと思えば、朝の問診が嫌いだからという理由で救急医療を選ぶ医師がいたりする。色々な思惑と背景を持った医師がいる以上、これさえ押さえておけば専門医トレーニング選びに後悔しない、というものはない。
ちなみに、医学部に入ったときにこんなフローチャートが授業で出てきたが、あながち間違いではないような気がする。専門を迷われている方は参考にするといいかもしれない(が、あまり気にする必要もないと思う)。
オーストラリアのインターン医師は、大きく分けて外科、内科、救急、精神科のローテーションを通じて医師としての一般的なスキルを磨く。3年という限られたインターンシップの期間中に、すべての科を回ることは不可能である。あらかじめ「~科で働きたいなぁ」と思っている医師は、病院側にその科に優先的に回してもらうことをお願いする。また、「~科には興味がない」ということを病院側に伝え、それ以外の科に回してもらうこともできる。
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