Tag: 3年生

オーストラリアの医学生が住む「我が家」

  Rural Clinical Schoolに参加すると、 学生に住居が与えられれる。   場所にもよるが、 ブルームは学生2人が共同生活できる 2DKのアパートが与えられた。   シェアメイトは、同級生の女の子だった。   ぼくが音楽を聴いていると、 彼女がいきなりぼくの部屋に入ってきて、 ダンスをし、曲が終わると 何事もなかったように出ていくことがよくあった。   https://youtu.be/rZlcH5inrgM   それはそうと、 ぼくが暮らしたブルームのアパートは、 こんな感じのところです。   エアコンが少々故障気味 (気温19度も25度も同じ程度のクーラー加減)でしたが、 住みやすいところでした。   https://youtu.be/My7rHXCNK4I  

オーストラリアの医学生が作った動画「医学生生活 in へき地」

  ブルームにいるUWAの同級生で動画を作った。   医者や看護師のコーヒーのパシリとしてスタートした医学生が 成長していく姿をユーモラスに描いた動画だ。   https://youtu.be/tK5FUNg8bD0   実は、この動画の音源は、 うちの大学(UWA)の大学紹介の動画が元になっている。   https://www.youtube.com/watch?v=gfv_cC243vQ  

オーストラリアの医学生がへき地でパスしなければいけない10の課題

  Rural Clinical Schoolの宿題は とても大変だ。   羅列すると、 REFLEX reviewと呼ばれる患者さんのレポートを最低60ケース。 お医者さんのまえで、実際の患者さんと問診と身体検査をおこない、ぼくが考える鑑別診断、科学検査、医療管理をお医者さんとディスカッションする課題を最低25ケース 血液採取などの医療処置の記録(眼瞼反転からパップ検査まで幅が広い) 眼科の試験(おもに画像を見ながら診断し、それの治療を書く試験) ビデオカメラの前で、総合医として問診(うつ病と膀胱がんのふたつのケースだった) 小児科ケースの詳細レポート(ぼくの患者さんは注意欠陥多動性障害の子だった) 小児科ケースの発達検査レポート(胎児性巨大児の3か月間の成長をレポート) 産婦人科ケースの詳細レポート(もちろんこの人がレポートの患者さん) 内科ケースの詳細レポート(ぼくの患者さんは慢性閉塞性肺疾患を患っていた) 精神科の口頭発表(ぼくの患者さんは自閉症を患っていた) となる。   課題の成績は芳しくなかったが、 最後の精神科のプレゼンが終わったので、 ぼくはケーブル・ビーチで 波と戯れてリラックスした。   最終試験までの英気を養わなければ・・・ うーん、しかし、海は気持ちいいなぁ。   https://youtu.be/CYAdFlz94Ls  

オーストラリアの医学生が日本で起きた大量殺人について考えること

  病院にいると、「ひろ、あの事件をどうなった?」とよく聞かれる。   そう、日本の障害者施設で起きた大量殺傷事件のことを聞いているのだ。   事件とその背景のことを全く知らないので、 加害者の動機などについての考察はできない。   ぼくができることは、 加害者の「障害者は生きていても無意味」という主張に 意見を述べること。   そして、 「障害者の大量殺人は現代社会の写し鏡ではない」という主張に 意見を述べることぐらいだ。     「障害者は生きていても無意味」という主張について   障害者・健常者にかかわらず、 生きていても無意味だと感じる人は多い。   ぼくは物心ついた頃から 「生きる意味」について悩んできたし、 自分が路頭に迷った時などは 「ぼくが死んでも世界は問題なく廻り続けるんだよなぁ」と 悲しさを覚えたこともある。   悲しさを覚えたぼくは、 「生きる意味」を探すことを止めた。 だって、そんなもん無いんだもん。   でも、ぼくはここで歩みを止めなかった。 ぼくは「生きる意味」を探すことをやめて、 生きている「ぼくの意味」を探すようになった。 いつのまにか。   まだ、「ぼくの意味」は見つかっていない。 加害者の主張からすれば、 「意味のないぼく」は殺されても仕方ないのだろう。   でも、本当にそうだろうか?   この動画を見てほしい。   親子の動画なのだが、 息子は脳性麻痺(たぶん)を患っていて、 親父は息子とともにトライアスロンに参加している。   https://www.youtube.com/watch?v=MnhDyc7AZ5U   なぜこの親父は息子と一緒に トライアスロンに挑戦しているのか?   それは、 息子が放った “When I'm running in the field, my disability disappears (外を走っていると、障害者じゃなくなるんだ。)” という一言が動機だったと述べている。   健常者と同じようなことはできない息子に意味を求めるよりも、 親父として息子に何ができるか?を自問し、 そして(愛されるのではなく)愛することを選択し、 トライアスロンに一緒に挑戦したのだ、 とぼくなりに理解している。   この動画をみていると、 「ぼくの意味」は決して ぼくの中だけ存在するものではない、 ということが分かる。   そして、ぼくの外に存在している「ぼくの意味」は、 周りの人間が次のよう考えたときに生まれることも分かる。   何をしてもらったかよりも、 何をしてあげたか? 何をしてあげたかよりも、 してあげたことにどれだけ愛を注ぐことができたか?   この考え方は、 以前書いた「自分の円を出ること」に通じているし、 もしかしたら「ぼくの意味」は これに終結するのかもしれない、 とふと考えることもある。   ただ、つぎの動画を見ると、 「ぼくの意味」はおそらく、 ぼくの中にも存在するのだろう とも考えたりする。   https://www.youtube.com/watch?v=VLmzjsKV8Ps     「障害者の大量殺人は現代社会の写し鏡ではない」という主張について   この質問自体は、 Yes/Noの問題である。 である(Yes)。もしくは、ではない(No)。   ぼくが興味を持っているのは、 どちらが正しいのかということよりも、   どんな証拠があれば「障害者の大量殺人は現代社会の写し鏡ではない」と主張できるのか? どんな証拠があれば「障害者の大量殺人は現代社会の写し鏡である」と主張できるのか?   ということである。   以前書いたことがあるが、 Extraordinary claim requires extraordinary evidence (極論は極めて精度の高い証拠を必要とする) ということをぼくたちは忘れてはならない。   どちらの主張をするにせよ、 上記のいずれの主張も極論であることを認識し、 「どんな証拠があってそんな主張をしているの?」と、 証拠に興味を持たなければならない。   そして、 その証拠が本当に主張の裏付けになっているのか ということも考察しなければならない、 とぼくは考える。     「ひろ、あの事件をどうなった?」 と聞いた病院のスタッフに、 これまで書いたことを言っても質問に答えていない。 だからぼくは、コンピューターの患者さんの血液検査の画面を最小化して、 BBCのニュースを二人で一緒に読むことにした。   その日のランチは、 このことについて ふたりでずっと議論をしていた。     出典:sharedstory.org    

オーストラリアの医学生が見たブルームの真珠祭り

  ブルームには、 真珠祭りという催し物がある。 名前もそのまま、Shinju Matsuriである。   一年に一回行われ、 観光客などの訪れとともに 盛大な祭りとなる。   昼間はパレードや様々なアート・イベント、 夜は露店や生バンドなど、 すごく楽しめるイベントが行われる。   ビーチに山積みされていたビール・ケースが アート扱いされていたのには、 少々???となったが、 とても面白いイベントです。   お近くの方はどうぞ。   https://www.youtube.com/watch?v=rRvrR36_M-w              

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