確定申告は、日本で働いているときから自分で行っていた。「確定申告」という固い言葉の意味が理解できず、税金がらみのことなので「めちゃくちゃ面倒くせぇ」と思いながら、嫌々やっていたことを憶えている。
しかし、オーストラリアに来てから確定申告の見方がポジティブに変わった。なぜかと言うと、確定申告が Tax returnであることが分かったからだ。Tax return。つまり、「税金返せ!(return my tax!)」という申請書なのだ(正確には、対象となる税金控除を示して税金を減らすという作業)。日本も、確定申告という固い言葉ではなく、「税金返還」に名前を変えればいいと思う。
しかも、オーストラリアの確定申告は、すべての作業をオンラインで完結することができる。役所の様々な書類の記入、ハンコの手続きなど、面倒な作業が多すぎる日本とは違い、一度やり方を憶えてしまえば、オーストラリアの確定申告は、自分で全部できるようになる。
今回は、オーストラリアで確定申告を自分でやってみようと考えている人のために、Tax returunの全貌を紹介することにした。
ステップ(1):myGovに登録する
オーストラリア政府の厚生サービス(Centrelink、Medicare、Childsupportなど)を受ける最良の方法は、myGovのアプリを使うことである。自分のTax File Numberなどを使ってアプリに登録することができる。詳しくは、自著「豪州永住権の手引き」を参照いただきたい。
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ステップ(2):ATO(Australian Tax Office)とmyGovをリンクする
まずは、myGovにログインする。
一番上のServicesをクリックして、
リンクできるサービスを選択する。(ぼくはすでにAustralian Tax Officeのサービスにリンクしているので表示されていません。リンクしていない人は Australian Tax Officeをクリックする)
ここでは、Child Supportを例として使っていますが、Australian Tax Officeにリンクするには、Tax File Numberが必要となります。それ以外は、大きな違いはありません。
リンクしたら、Your Servicesに表示されているAustralian Tax Officeをクリックする。
そして、Manage tax returnsをクリックして申請を監視する。
ステップ(3):Tax returnを申請する
Tax returnは4つのステップがある。
(3.1)メルアド、電話番号、住所を入力する
(3.2)銀行口座情報を入力する
(3.3)確定申告の大まかなカテゴリーを選択する
(3.4)税金対象となる収入および税金控除の詳細を入力する
(3.1)メルアド、電話番号、住所を入力する
(3.2)銀行口座情報を入力する
オーストラリアの銀行であれば、銀行側が税務省にすでに口座情報を報告しているはずである。なので、自分で調べる必要はなく、サービスにリンクした時点ですでに情報が自動入力されている。
(3.3)確定申告の大まかなカテゴリーを選択する
確定申告に必要となる大まかなカテゴリーを選択する。ここで税金対象となるものを選択していないと脱税になり、金額によっては禁固刑になる。ので気を付けよう。
(3.4)税金対象となる収入および税金控除の詳細を入力する
3.3で選択した大まかなカテゴリーの詳細を記入していく。
まずは、きちんと税金を払っている会社であれば、あなたの雇い主、年俸などの情報が政府に伝わっており、これまた銀行口座の時のように自動で表示される。
銀行の利子益も自動で表示される。
職種によって、税金控除の対象が異なる。詳しくは、ATOのページを調べて、税金控除となりそうなものは全て申請しよう。
申請者が、本人か代理人かを明らかにする。また、今後もTax returnを申請するかを明らかにする。
全ての記入が終わると、暫定的な税金額が表示される。最終的に払うことになる税金の額は、Tax returnを申請してから1週間ほどして届くメールの中に表示されている。つまり、Tax returnの申請時点では税金を支払う必要はない。
オーストラリアのTax return(確定申告)は、一度覚えてしまえば、すべて自分で行える作業である。レシートで費用を計算している方には大変な作業だが、すべての支払いをカードで行っている人であれば、簡単に年間費用が算出できる。そして、何よりも、税務署から費用の証明をしてくれと言われた時に、銀行の引き落とし履歴を簡単に提示することができる。現金が絶滅しつつあるオーストラリア社会ならではの利点であると思う。
それでは、Let’s tax return! Save your money.