理研・脳センターでぼくが携わった4つの仕事

 

ぼくは、オーストラリアに永住する直前まで、世界最高峰レベルにある理化学研究所・脳科学総合研究センター(以下、理研BSI)でサイエンティストの仕事をしていた。ぼくが仕事をしていたころは、STAP細胞問題が起きる前だったので、比較的平安な状態で仕事をすることができた。

 

ぼくを含むほとんどの脳科学者は、心・精神といういうものが分子レベルで解明できるという仮説をもっている。この仮説を証明することはまだまだ先のことかもしれないが、いずれそうなるとほとんどの脳科学者は考えながら毎日の研究にいそしんでいる。

 

ぼくが理研で携わった研究は、3つの論文として成果を出した。

 

  1. Genetic dissection of medial habenula-interpeduncular nucleus pathway function in mice. 論文はこちら
  2. Netrin-G/NGL complexes encode functional synaptic diversification. 論文はこちら
  3. Diversification of behavior and postsynaptic properties by netrin-G presynaptic adhesion family proteins. 論文はこちら

 

そして、ぼくが携わっていた研究プロジェクトが4つ目の論文として成果を出した。

4. Molecular Correlate Of Mouse Executive Function. Top-Down And Bottom-Up Information Flows Complementation By Ntng Gene Paralogs. 論文はこちら

 

ぼくが理研BSIを去って4年が経つが、なんとも感慨深いものである。頑張って仕事をして、その遺産が論文という成果につながったのだ。自分のやっていたことが、後からでも評価されることはとても嬉しいことである。

 

今回の論文で一番評価をされるべき人は、元同僚のパベル・プロセルコブさんだ。ぼくが理研BSIで仕事をしていた当時、彼はまだ東大の獣医学科でPhDを取ろうとしていた学生だった。ぼくが行動実験の指導をしていたのだが、彼と戦わせた「心と分子の関係」の議論は、とても白熱したものだった。

 

彼は研究熱心だけでなく、心優しい人でもある。ぼくが東北沖地震ボランティアに行きませんか?と理研の友人を誘ったときに、唯一賛同してくれた人である。被災者の方は、海外の方がわざわざボランティアに来てくれていると言って、勇気づけられた表情をしていたことを、今でも頭に思い浮かべることができる。

 

話題が研究からそれてしまったが、今回の論文になったNetrin-Gという分子はとても興味深いもので、「心と分子の関係」の解明に大きなヒントを握っているのではないかと、ぼくは考えている。今は医学の道へと足を進めたが、Netrin-Gに関する論文が出ていないかいつも確認している。もし、この分子に興味がある方は、糸原重美先生にコンタクトされることをお勧めする。糸原先生は、熱心にこの分子の魅力を語ってくれると思う。

 

理研・脳センターでぼくが携わった4つの仕事出典:Max Planck Institute for the History of Science

 

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最年少7段将棋棋士、天才・藤井聡太に脳科学が迫る

  ぼくはオーストラリアに移住する前、日本の理化学研究所・脳科学総合研究センター(通称 RIKEN BSI)で働いていた(糸原重美先生には、大変お世話になりました)。そのときのことを書籍にしたのが著書「サイエンティストのお仕事」である。   「サイエンティストのお仕事」 RIKEN BSIには面白い研究者がたくさんいる。そのなかでも、中谷裕教さん(東京大学大学院総合文化研究科 進化認知科学研究センター 助教)はダントツでぼくの記憶に残っている。中谷さんとの思い出は、上の書籍で語っているため控えるが、その中谷さんが最近とてもタイムリーな書籍を出版された。   中谷さんの書籍のテーマは、将棋である。そして、書籍のタイトルは 「次の一手」はどう決まるか である。   巷では、藤井聡太氏(15歳)が最年少で7段に昇段したことが話題になっているが、中谷裕教さんは、藤井聡太氏が注目されるずっと以前から、羽生善治氏のような天才将棋棋士たちの脳を研究し、天才と凡人を分けるものがどこから生まれているのか?ということを研究している。   中谷裕教さんの研究は、【対談】脳科学者なかたにひろのり x ごとうひろみち「英語の達人にあるためのヒント」でも触れられている。   https://youtu.be/Fg08PCU06-g   天才の脳は、凡人の脳と違うのか?違うなら、どこがどう違うのか?そんなことに興味があるあなたは、この書籍を手に取って読んでみてほしい。    

ぐれたグレタさんをぼくが応援する3つの理由

  気候変動と人間生活 気候変動が及ぼす影響は、地球上の生態系の隅々にまで及ぶ。気候変動は、人間生活の変化だけでなく、食物連鎖の断裂、地質の劣化など、様々な変化を引き起こす。 気候が変動することそのものは自然なことである(四季があるように)。しかし、人間の経済活動が引き起こす地球温暖化がいずれ人間生活そのものを持続不可能なものにする、ということが多岐にわたる科学者たちによって叫ばれている。簡単に言うと、現状維持だといずれ破綻するかもしれないよ、という声がたくさんの科学者から上がっているのだ。   科学者と一般人のギャップ 残念ながら、科学者たちの声は一般の人たちになかなか届かない。その原因の一つに、科学者たちが自分たちの研究の時間を失うことを嫌い「データを見せるから自分で解釈してね」と丸投げすることがある。そしてもうひとつの原因に、現代のほとんどの人たちがデータやメソッドを読むことよりも結論だけを求めることがある。「データ」だけを提示する科学者と「結論」だけを求める一般人の間にギャップがあるのだ。   ギャップを埋める政治 そんな科学者と一般の人たちの間のギャップの橋渡しに大きな役割を果たしたのが、政治である。地球温暖化を政治的な舞台に上げたはアメリカ大統領選挙に出馬したアル・ゴア氏である。映画『不都合な真実』をご覧になった方も少なくないと思う。   https://www.youtube.com/watch?v=0yg8uwaC4Xk   政治嫌いがやる誤った判断 政治は、たくさんの人に声を届け問題を認識してもらい、問題解決のためにグループや企業に支援を行うという点で、とても重要である。 しかし、政治に根拠のない嫌悪感を覚える人の中に、気候変動が政治的に利用されているから気候変動は嘘だと誤って判断してしまうがいる(かなりの数で)。そうすることで自分のマインドを政治的なマインドコントロールから守ろうとしているのかもしれない。 残念ながら、そんなことをしても政治的なマインドコントロールどころか人間生活の破綻から身を守ることはできない。政治的議論から目をそらしても気候変動そのものの存在は消えないし、気候変動が人間生活の破綻を起こしてからでは、時すでに遅し、だからだ。   科学的データが示すこと ぼくがここで主張したいことは政治を無視するなということではない。気候変動を無視するなということである。あなたがどんな政治的思想を持っていたとしても、気候変動を示す科学的データは変わらない。民主主義の人が読んでも、社会主義の人が読んでも、共産主義の人が読んでも、科学的データそのものは変わらない。 現時点での科学的データが示すことは、この記事の冒頭で書いたように、人間の経済活動によって引き起こされる気候変動が原因で、いずれ人間生活が持続不可能なものになる、という可能性である。 ぼく個人的には、科学的データがいまのままで問題ないよと示すのであれば、気候変動に取り組まなくてもいいと判断する。しかし、現時点での科学的データが、このままじゃ人間生活破綻するんじゃね?ということを右から左から、下から上から、訴えてくるので、気候変動は重要な問題であると判断しているだけである。   気候変動に取り組む活動家 グレタ・トゥーンベリ 2018年の後半、この気候変動の問題に取り組む、ある活動家が世界中で有名になった。その活動家の名前は、グレタ・トゥーンベリ(以下グレタさん)。   ぐれたグレタさん グレタさんが活動を始めたのは時若干15歳の時。気候変動のための学校ストライキを行い、自国のスウェーデンスの国会議会の外で、気候変動に取り組むことを訴えたことがメディアなどで大きく取り上げられた。 グレタさんは、自分は学校に行って多くのことを学びたいのに気候変動に取り組まなければ自分たちも未来の子供たちも学校に行くことすらできない、という声を上げ、気候変動の活動を始めた。グレタさんのことをWikipediaで読むだけでもとても面白い。(事実の真偽は別にして) https://www.youtube.com/watch?v=KAJsdgTPJpU   ぐれたグレタさんをぼくが応援する3つの理由 行きたい学校へ行かずに気候変動の活動を始めた「ぐれたグレタさん」を、ぼくが応援する理由は3つある。   理由①科学データに基づいて行動していること グレタさんは、気候変動活動の根拠を科学データに置いている。 科学データを絶対視せずに実験手法を批判的に読むことのほうが大事ではあるが、多くの科学者たちの独立したデータが示唆する「人間の経済活動によって引き起こされる気候変動が原因でいずれ人間生活が持続不可能なものになるという可能性」は現時点ではかなり説得力がある。 強い根拠に基づいて行動することは問題解決につながるため、グレタさんの気候変動活動は奨励されるべきことである。問題を解決するには、根拠を持たないよりは持ったほうがいいし、行動しないよりは行動をしたほうがいい。根拠と行動が伴ったグレタさんを応援するのは自然なことである。 ちなみに、グレタさんは学校に行かずに「ぐれた」が、会社を休んで気候変動に取り組むぐれた社会人(ぐれた老人になるにはどうすればいいんだろう?)がいても、ぼくは応援すると思う。ただ、学生と大人だと、社会で果たす責任の大きさが全く違うので、大人の場合は批判される度合いがもっと大きなものになることは容易に想像できる。   理由②精神疾患の社会的立場の創出に貢献していること グレタさんは、アスペルガー症候群 、強迫性障害 、選択的無言症を患っている、と言われている。   https://www.youtube.com/watch?v=EAmmUIEsN9A   現代社会における精神疾患の一般的な扱いは、床に落ちたごみのようなもので、カーペットの下に掃いておけば見えなくなってそれで解決できると思っている人が少なくない。それでは、ユダヤ人が虐殺されたヒトラーのナチズム、中国人が虐殺された満州事変、ツチ族が殺されたルワンダ虐殺と、何の変りもない。 精神疾患はまだまだ分からないことが多く、健常者(どんな人を指すのかわからないけど、たぶん精神疾患をカーペットの下に掃く人)が持っていない能力が精神疾患患者には眠っているかもしれないと考える人もいる。 例えば、グレタさんが患っているアスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害とも言われる)は、社会に大きな革命を起こした著名人の多くが患っている(いた)と言われている(その根拠がどこにあるのかわかりませんが、興味がある人はアスペルガー症候群を患う著名人のリストをどうぞ)。 アスペルガー症候群の能力は世界をより豊かにしてくれるという発想は、アスペルガー症候群は床の上のごみという考え方に比べてより許容的で、社会に多様性を生み出してくれる。   精神疾患、健常者、そのほかの脳の多様性(例えば男女の脳)を生かした社会を作ろうという発想を Neurodiversity という。まだまだエセ科学的なものが多いが、この研究が進めば社会だけでなく環境もより良くなるはずである。というのも、Neurodiversityを発展させると、人間だけでなくそのほかの動植物にもその考え方を適用できるからだ。 精神疾患を患うグレタさんが自分の能力を発揮して社会において大きな役割を果たすことは、いまの患者さんやこれから生まれる患者さんへの新たな社会的意義の開拓になる。だから、この点においても、ぼくはグレタさんを応援している。   理由③気候変動が及ぼす影響は未来の子供たちにまで届くこと ぼくがグレタさんを応援するのは子供だからだと批判されたことがある。行動する若者を応援したくなるのはぼくの偏った価値観であることは否定しない。財力や人のつながりが大人に比べて少ない若者が現代社会で、自分の中から湧き出てくる信念を貫いて行動し続けることは並大抵のことではないのだ。 しかし、ぼくがグレタさんを応援するのは、彼女が若者であるということ以前に気候変動に取り組む活動家であるという事実がある。もし彼女が科学的に根拠がない「HPVワクチンはてんかんを起こすから予防ワクチン反対」という活動をしていたら糾弾するだろう。 気候変動の活動家が若者であれ老人であれ、科学的なデータに「人間の経済活動によって引き起こされる気候変動が原因でいずれ人間生活が持続不可能なものになるという可能性」が強く示唆されている以上、ぼくが気候変動の活動を応援するのは理性的な判断である。 大切なのでもう一度言います。気候変動の活動家が、ぐれた若者であれ、ぐれた社会人であれ、ぐれた老人であれ、強い根拠に基づいて行動する活動家をぼくは応援します。   ぼくは遅かれ早かれ死ぬ。この記事を読んでいるあなたもそうです。自分たちの子供たち、そしてその次の子供たち、またその次の子供たちがどんな社会に住むようになるのかはわからない。人間は適応能力が高いので、今とはある程度違った自然環境・社会環境でも力強く生きていくことができるだろう。しかし、いま行われている人間の経済活動によって引き起こされる気候変動のせいで未来の人間生活が持続不可能なものになってしまうのは食い止めなければならない。   そんなことを考えながらこんなブログ記事を書いて、毎日病院に出ては患者さんのケアに全力を注いでいる。  

【対談】脳科学者なかたにひろのりxごとうひろみち「英語の達人になるためのヒント」

  ぼくは、オーストラリアに永住するまで、日本の理化学研究所脳科学総合研究センターで働いていた。ぼくが「日本人の英語を変える」という夢を持ち始めたきっかけは、大学院生、テクニカルスタッフ、研究員を対象におこなっていた英語クラスである。(詳しくは拙著「サイエンティストのお仕事」を参照ください。いまなら無料プレゼント中)   悲しいことに、ぼくが「日本人の英語を変える」という夢を語ると、ほとんどの人が興味を持たないか、「そんなの無理だよ」という憐みの表情でぼくを見つめる。それでも、自分を信じて活動を続けていると、少ないながらも、応援してくれる人がいる。そのなかでも、理研時代の友人であり脳科学者でもある「なかたにひろのりさん」は、仕事を辞めた後も交流を続け「英語教育」に関する貴重なアドバイスを与え続けてくれる方である。   なかたにさん本人の希望で詳しいプロフィールには触れないが、なかたにさんがおこなっている「プロ将棋士の脳研究」は新聞でも紹介されているので、「あぁ、あのなかたにさん、か」と思われる方も多いのではないだろうか。   出典:毎日新聞   今回の記事は、「なかたにさん」と語り合った、達人の脳の研究から見えてくる「英語の達人になるためのヒント」をここで公開しようと思う。ぜひとも、対談をご覧になっていただき、英語の達人になるヒントを得ていただけたら幸いである。対談の内容をさらに強化するための「最強英語勉強法」も期間限定で無料プレゼントしているので、こちらも早めにゲットされることをお勧めしたい。   【対談】なかたにひろのりxごとうひろみち「英語の達人になるためのヒント」 https://www.youtube.com/watch?v=Fg08PCU06-g ↑↑ボリュームが小さめです↑↑   毎日新聞記事のリンク 将棋の「天才」の育て方 長期の訓練で「直観」成長 https://mainichi.jp/articles/20171019/ddm/016/040/012000c   サイエンス誌の論文のリンク The neural basis of intuitive best next-move generation in board game experts. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21252348   Think Differentの動画 https://www.youtube.com/watch?v=GEPhLqwKo6g   対談に関する質問や感想は、下のコメント欄にどうぞ。  

東京大学で先生をしている理研時代の友人にサインをもらった話

  最初は、オーストラリアの医学部を卒業してから医者として働き始めるまでゆっくりしようと思っていた。しかし、卒業式に出られないというアクシデントがあり、日本に帰国したぼくは、 異能vationのイベントに出たり(詳しくはこちら⇒リンク)、 Urdocアプリの創始者と対談したり(詳しくはこちら⇒リンク)、 日本の医学生にセミナーを開いたり(詳しくはこちら⇒リンク)、 と結構忙しくしていた。   そんな忙しいスケジュールの中で、ゆっくりと息を付ける時間も少しだけあった。以前対談させていただいた脳科学者・中谷裕教さんに再会することが出来たのだ。   【対談】なかたにひろのりxごとうひみち「英語の達人になるためのヒント」 https://www.youtube.com/watch?v=Fg08PCU06-g   現在、中谷さんは研究室を理化学研究所から東京大学へと席を移し、脳科学の研究を続けられている。また、東大生に対し教鞭も振るっているとのことだった。   中谷さんのことは自著『サイエンティストのお仕事』でも触れているが、枠にとらわれない思考を行動に移す人である。そんな中谷さんは、ぼくの「日本人の英語をネイティブにする」という突拍子もないアイデアを、アイデア誕生初期から温かく見守ってくれている唯一のアドバイザーでもある。二言目には「アドバイス料、払え、払え」と言うけれど、決してアドバイスを惜しむことがない寛容な人である。   ごとうひろみち著『サイエンティストのお仕事』   中谷さん自身が忙しいということもあり、お会いできたのは短い時間だった。それでも、中谷さんには、東大の駒場キャンパスを案内していただいたり、カフェで甘いものとお茶を御馳走になった。   そのとき、ぼくが感じたこと 東大生食堂で教科書開いて勉強している割合日本一(世界一)説 #水曜日のダウンタウン — ごとうひろみち (@iTELL_) 2018年12月20日   さらには、東大の本屋さんで購入した中谷さんの書籍『「次の一手」はどう決まるか』に、サインと一言を一筆書いてもらった。有名人と写真を撮ったり、サインをもらうことに価値をあまり見出さないぼくだけれど、友人の功績に触れることは素直に嬉しいものだと実感しました。     ちなみに、書籍のなかに伊藤正男先生が登場する。伊藤先生は理化学研究所・総合脳科学研究センターを創り上げた神経科学界の重鎮である(伊藤先生の功績はこちらを参照)。ノーベル医学生理学賞受賞者で、伊藤先生の師にあたるジョン・エックルスとともに書いた書籍『脳の進化』は様々なアイデアが盛り込まれた本である。   『脳の進化』   そんな偉大な伊藤先生だが、ぼくが日本にいたときにこの世を去られた。90歳だった。理研時代に聴いた伊藤先生の講演を思い出し、東京のコンクリートジャングルでふと、こんなことをつぶやいた。   LTD, BSI等、神経科学界に与えた功績は数知れず。データに基づくロジックだけでなく、イマジネーションの大切さを説かれた偉大な先生。御冥福をお祈りします。 https://t.co/uz2OukxdNC — ごとうひろみち (@iTELL_) 2018年12月21日    

Dream Theater、の過去のアルバムを振り返る(その11)

  Dream Theaterの記事を書いたら、無性に彼らの音楽を聴きたくなった。   ということで、Dream Theaterのアルバムをひとつずつ振り返ることにした。   Dream Theaterの音楽を語れるほど彼らを研究しているわけではないので、アルバムが出た頃のぼくの思い出を書いてみようと思う。   Dream Theaterの11thアルバムは、『A Dramatic Turn of Events』だ。     https://www.youtube.com/watch?v=8k9XiYku5Ck   アルバムが出たのは2011年9月。ぼくは32歳。オーストラリアの医学部の2度目の受験し、オーストラリアの永住権はまだ取れていない。   深く暗い沼の中に沈みながらOutcryするぼくの心。君と一緒に歌えた時間はとても大切だった。    

日本最高峰・東京大学が贈る、アカデミック英語を伸ばす無料オンラインコース

  科学者の成功には、英語力が必要不可欠である。   実験に使用する機材や用品の取扱説明書は英語で書かれてあるし、自分の研究の方向性を決める論文は英語で書かれている。   自分の研究の結果を世の中に発信する場合も、英語で論文を執筆しなければならない。   学会に出席すると、海外の研究者と英語でコミュニケーションをとることになるので、リスニングとスピーキングの能力が必要となる。   サイエンティストの研究はとても時間がかかる作業で、毎日カタツムリがあくびをしながらノロノロ歩いているかのようなスピードでしか進まない。長期的なプロジェクトではあるものの、科学者たちには毎日やることが沢山あって、めまいがするような状態で研究を行っている。   そんな忙しい科学者たちがスキマ時間を使ってアカデミック英語を身に付けられるようにと、日本最高峰・東京大学が無料英語コースを開講している。   その名も、English Academia である。   対象は、 英語でのコミュニケーションに 苦手意識がある大学院生学術的な交流の輪を 国際的に広げたい大学院生研究者を目指す大学院生 となっているが、一般の方も登録すれば受講することが出来る(無料)。   現在、English Academiaには2つのコースが設けられている。   English Academia① アカデミックなコミュニケーションが交わされる研究室、学会、授業での基礎知識を学ぶことができる。 https://www.youtube.com/watch?v=TXqxp7GMZUw   English Academia② プレゼンテーションやディベート、メールや電話、就職面接など実践的かつ発展的な英語表現を学ぶことができる。 https://www.youtube.com/watch?v=JiA5RsQ5Mg8   コースを終わらせると、東京大学から修了証書がもらえる。日本最高峰・東京大学から単位を取得できた気分になれる。修了証明書をあなたの履歴書に中に書いておくというのも、決して悪い選択ではないはずだ。   出典:いつもの匠  

Dream Theater、の過去のアルバムを振り返る(その7)

  Dream Theaterの記事を書いたら、無性に彼らの音楽を聴きたくなった。   ということで、Dream Theaterのアルバムをひとつずつ振り返ることにした。   Dream Theaterの音楽を語れるほど彼らを研究しているわけではないので、アルバムが出た頃のぼくの思い出を書いてみようと思う。   Dream Theaterの7thアルバムは、『Train of Thought』だ。     https://www.youtube.com/watch?v=0sAnfx_ewnk   アルバムが出たのは2003年11月。ぼくは24歳。オーストラリアの大学で卒論を書いている。   金魚を使った神経再生の研究。卒論が書き終わる間際にハーバード大学から発表された似たような研究。食い違うデータを論理的に口頭発表し最優秀賞をもらったプレゼン。   芝生の上でゴロゴロすることからも卒業しなければいけなかった。芝生との別れが一番辛かった。そのせいでぼくの心はVacantに。    

磁気遺伝学

  この記事では、 神経科学の発展スピードについて、 個人的な感想を述べたい。   ぼくは西オーストラリア大学で神経科学を専攻し、 日本の理化学研究所の脳科学総合研究センターで働いていた。   ぼくが行動遺伝技術開発チームで働いていたときに 感動した技術がある。   それは、光遺伝学(Optogenetics)と呼ばれるもので、 簡単に説明すると、細胞に遺伝子改変を行い、 光を使ってその遺伝子(またはタンパク質)を ON にしたり OFF にしたりする技術である。   この技術は神経科学の分野で幅広く適用され、 さまざまなエキサイティングな研究結果が世界で報告され、 2010年にはネイチャーメソッドの 「メソッド・オブ・ザ・イヤー」に選ばれている。   https://www.youtube.com/watch?v=I64X7vHSHOE   Optogeneticsの欠点は、 遺伝子改変を行なった細胞に 光を物理的に照射しなければならないところにある。   たとえば、脳の内側に位置する視床(Thalamus)の細胞を Optogenetics を使って制御しようとすると、 光は頭蓋骨を貫通しないため、 光ファイバーを視床(Thalamus)まで物理的に持ってくる必要がある。   その過程において、 脳表面から視床(Thalamus)までの 細胞を破壊しなければならない。   脳機能の多くはネットワークの産物であるため、 あるパーツを破壊してから、 別のパーツの働きを研究することは、 光遺伝学が持つ大きな欠点だった。   行動遺伝のメンバーとこの欠点について議論したとき、 「磁場」を使うことでこの欠点が解消されることは (磁場は頭蓋骨を傷付けずにあっさりと貫通する) 誰の目から見ても明らかだった。   ぼくらはまだ実現もしていない、 磁場を使って遺伝子の ON と OFF を操作する技術を 磁気遺伝学 (Magnetogenetics) と勝手に名づけた。   そして、Nature 誌でその名前が採用された・・・わけではない。 たまたま同じだっただけである。   https://www.youtube.com/watch?v=Mq1mYifs5QE   あれから数年の間に、 磁気遺伝学の実現につながりそうな論文がちらほら出始めた。   そして、あの他愛の無い議論から約6年後、 Nature Neuroscience に 『Genetically targeted magnetic control of the nervous system』 という論文が発表された。   磁気遺伝学(Magnetogenetics)の 日の出を象徴するような研究である。   Optogenetics から Magnetogenetics への発展についてふと思ったのは、 研究者がある科学的好奇心を持つと、 その技術は5,6年で日の目を見るのではないかということだ。   もちろん、好奇心がつねに実りにつながるわけではない。 ただ、必然性のある技術はおそらく 5,6年で実現するのではないだろうか?   研究に取り組む大学生・大学院生・研究員の皆さん、 あなたの研究もこれからの科学を大きく変える、 必然性のあるものかもしれません。 応援しています。     出典:wallpaperswide.com    

【驚愕】理研の脳センターでのぼくの仕事、数えたら9本の論文があることが判明

  ぼくはいま、オーストラリアの医学部卒業に向けて、コリーでへき地医療研修をおこなっている。   オーストラリアに永住する前は、埼玉県の和光氏にある理化学研究所・脳科学総合研究センターの糸原重美先生のラボで働いていた。    ごとうひろみち著「サイエンティストのお仕事」 最近になって、ぼくがラボで立ち上げを任されていた行動実験のデータが論文になるかもしれないという連絡をいただいた(まだ正式には発表されていないが、論文の受理が決定したら、そのときはブログで発表します)。   今回の記事は、「理研時代にどんな仕事に関わっていたんだっけ」と思いながらResearch Gateの自分の研究者ページを眺めていた時に分かったことを、あなたにシェアしておこうと思う。   簡単に言うと、Peer-reviewed journalではないものも含めると、全部で9つの論文があることが分かったのだ。ぼくが主著者である論文はひとつもないが、それでもこれだけの論文に関われるだけの仕事をしていたんだと思うと、素直に嬉しくなる。また、それ以上に、研究成果を論文として発表できるほどの能力を持った研究者たちと同じ職場で働けたことを考えると、本当に幸運だったんだと思う。深い感謝の念を覚える。   それでは、Research Gateに掲載されている(だれが掲載したのか知らないが)論文は、以下9つである。古いものより。   1.The cholinergic medial habenula-interpeduncular pathway is critical for impulse control(論文) 2.Comprehensive behavioral analysis of Rac-GAP α-chimerin deficient mice(論文) 3.The role of cAMP-GEF II/RapGEF4/Epac2...
ごとうひろみち
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『高校中退⇒豪州で医者』をいつも読んでいただき誠にありがとうございます。著者・ごとうひろみちに興味を持ってくれたあなたのために、詳しい自己紹介を←ここでしていますので、どうぞご覧ください。

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ぼくは高校英語が理解できなかった。そんなぼくがどうやってオーストラリアで医者になれたのか?この物語を読めば、あなたにも英語で夢を叶えるヒントが見つかるかも。

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英語で知っておきたい自然の名言を、翻訳家・ごとうひろみちが20個厳選しました   まえがき:ここで紹介している英語の名言は、英語を勉強している人、名言を知りたい人、何かのヒントを探している人など、たくさんの方の役に立ててもらえたらと思い、ごとうひろみちが翻訳をしたものです(ぼくは翻訳会社ulatusのフリーランサー翻訳家です)。名言を読んだ瞬間に心を揺り動かし、あなたを突き動かしてくれる、そんな英語の名言に出会えるといいですね。高校中退者のぼくでもプロ翻訳家になれた英語勉強法に興味がある方はこちらをどうぞ。   Look deep into nature, and then you will understand...

日本人が海外医学部で一番苦労する(だろう)こと

  最近、ぼくはブログの中で、異能vationに応募したことや、英語コンサルを行っていること、ビジネスを学んでいることを、心赴くままに綴ってきた。この3つのことはすべて、ぼくが持っている「日本人の英語を変える、ノンネイティブの英語を変える」という英語ドリームを叶えるためである。この夢を叶えるには時間と労力がかかることは理解しているし、一朝一夕に実現できることではない。だからこそ、ぼくは医学部を1年間休学することを選択したのだ。   それでも、時間は、ぼくの人生から無表情に削り取られてゆく。   これまでのように、英語ドリームに時間と労力をかけることはできなくなっている。というのも、ぼくにはもうひとつの夢があるからだ。それはオーストラリアで温かい医者になるという夢だ。2018年には、西オーストラリア大学の医学部に戻り、医学の勉強を再開しなければならない。それも、医学部の最終学年であり、これまでの知識とスキルをしっかりと身に付けて、最終試験をパスしなければならない。   医学の知識とスキルは、使い続けていなければ、一気に頭の中から消えていってしまう。そのスピードたるや、頭の中の消しゴムどころの話ではない。誰かが巨大な業務用掃除機で、ぼくの頭の中にある知識とスキルを、けたたましい轟音とともに吸い取っていくレベルである。   https://www.youtube.com/watch?v=HOhgP4fEx6s   ↓次のページに続く     あなたも学校でこんな経験をしたことが無いだろうか?あなたは学校の試験のためにたくさん勉強する。それでも、試験が終わり会場を後にした瞬間、詰め込んだ知識がふわぁ~と頭から抜けて、もう一回試験を受けたとしてもパスする自信がない、みたいな経験が。ぼくは毎回の試験で経験します。   試験が終わってから数分~数時間しか経っていないのに、詰め込んだ知識が指先からこぼれていく感じがするのに、これが1年間だとどうなるのか?   はい、正直に言います。ヤバいです。留年確実です。何もしなければ。   https://www.youtube.com/watch?v=ZrSH_TsRsec   ということで、ぼくは日本での残された時間を少しずつ、医学の勉強に使い始めようと思っています。それもかなり効果的な戦略を練らないと、1年休学した後遺症のせいで留年が決定してしまうので、日本でできることから始めようと思います。しかも、自分の苦手分野と対峙することにします。   ぼくは医学部で筆記試験を落としたことはない。もちろん、たくさん勉強して四苦八苦するのは事実だが、筆記試験が苦手だと思ったことはない。筆記試験は、医学部が用意しているガイドラインの意図を読み取ることができれば、落とすことはない。高得点は取れないかもしれないが、落とすことはない。と思う。多分。恐らく。     しかし、ぼくには、逃げ出したくなるほど苦手なものがある。それは、医療現場におけるコミュニケーション技能である。コミュニケーション能力は、問診(History-taking)、身体検査(Physical examination)、医療検査(Investigation)、医学的管理(Management)、医療チームへの報告(Presentation)、などにおいて文字通り患者の生死にかかわる重要なスキルである。コミュニケーション能力が低いせいで医療ミスが起こることを、医学生は頭に叩き込まれる(参考文献)。   特に患者さんとのコミュニケーションが大事なことは、尊敬するオリバー・サックス氏だけでなく、医療器具に頼りすぎる若い医師たちを危惧する先輩方の医師が口をそろえて言うことである。   https://www.youtube.com/watch?v=8LZJz7GtJA0 動画でよく出てくるLVADは、Left Ventricular Assist Deviceの略(参照資料)   実は、このコミュニケーション能力が、ぼくが最も苦手とするものである。内向的な性格もひとつの要因ではあるが、苦手意識を作り出している一番の要因が「英語の壁」だと思う。英語ネイティブではない事に対する負い目みたいなものである。しかし、この負い目は、ぼくが頭の中で作り上げている「心理的虚構」にすぎないことにぼくはうすうす気づいている。できなくてもしょうがないという言い訳を作っているようなものではないかと。   もちろん、ネイティブの同級生に比べれば、ぼくは彼らの英語の表現の幅や奥ゆかしさには到底敵わない。しかし、医学において大事なのは、患者さんとコミュニケーションを取ることであって、英語の表現の幅や奥ゆかしさを競い合うものではない。とぼくは自分に言い聞かせることにした。←これが日本でできる一番目のこと。     次に、ぼくは医療現場における英語表現に慣れていないという事実。同じ英語であっても、働く現場によって使われる表現が微妙に変わることは当たり前で、とくにプライバシーや尊厳が重要視される医療現場の英語は、パブや家で話されているものとは違うものだ。この微妙に違う言葉遣いにぼくが慣れていないのだ。だから、医療現場に立つと医者や医療スタッフが何を言っているのか分からないし、何を言えばいいのか分からないのだ。   医療現場の英語表現に慣れるために、日本にいるぼくができることは何か?   いきなり近所の大学病院に押しかけて外国の患者さんに対して英語でコミュニケーションをしてみるというのはどうだろうか?否。ぼくはオーストラリアの医学生であって、日本の医学生ではない。そんなことをしていたら、書類送検でとっ捕まってしまう。   https://www.youtube.com/watch?v=2ue_wRn-Ke8   現場で学ぶことが一番だが、それが無理なら書籍から学ぶしかない。と考えたぼくは、近所のジュンク堂や丸善、紀伊国屋を周り、自分のためになりそうな本を探し回った。     そのなかでも、置かれていた医療英語の書籍をすべて立読みし、そのなかでも自分の学習のためになりそうな9つの書籍を購入した。まだ書籍を読み終わったわけではないので内容には触れないが、それぞれ違った角度から「医療現場で使われる英語」を紹介している。   やさしい英語で外来診療〜聞きもらしのない問診のコツ   CDで学ぶ 外国人患者が来ても困らない 外来診療のための英会話   医師のための診療英会話   医師のための身体診察と検査の英語   医師のための医療面接の英語   CDで学ぶ医師のためのオールラウンド英会話   CD付き 正しく診断するための...

異能vation、の伊藤穰一さんが面白い

  変な人を日本政府がサポートするプログラム「異能vation」の2次面接の戦略と戦術を考えている。   記事「異能vation、の2次面接の練習を始めます」で触れたが、もしぼくの「破壊的な挑戦」の申請書が1次選考を通過すると、2次面接で3分間の面接・プレゼンを求められる(かもしれない)。面接・プレゼンを楽しむためにTED Talksやスティーブ・ジョブズ氏関連の書籍を参考にしながら、自分のプレゼンを組み立てている。   プレゼンの練習に疲れたので、何か別のことをしようと思い、近所のジュンク堂に行くことにした。家を出て上を見上げると、真っ青な湖面に白色の積乱雲が漂っている。こんな日は、この歌が自然に頭に流れてくる。   https://www.youtube.com/watch?v=PQXMU1A8CjI   書店に行く目的は、異能vationの方向性を決めているプログラムアドバイザーが日頃どんなことを考えているかを理解するためである。プログラムアドバイザーが異能vationの具体的な方向性に言及している書籍は無い(と思う)。しかし、プログラムアドバイザーがどんな思想を持って活動しているのかは著作を通して知ることができる。総務省はこの思想に魅力を感じてプログラムアドバイザーに選んでいるはずなので、プログラムアドバイザーの思想を知れば、異能vationの選考条件が自然に浮かんでくる(とぼくは青空を目で聞きながら夢想している)。   伊藤穰一(じょういち)さんの紹介   プログラムアドバイザーのリストに最初に来ている人物は、伊藤穰一(じょういち)(愛称はJoi)さんである。伊藤穰一さんのことはTEDを通じて存在を知っていたが、どんな思想・経歴をお持ちなのかぼくは全く知らなかった。   https://www.youtube.com/watch?v=LN6Vn-aqgFs   伊藤さんの経歴をWikipediaで調べてみると、おもわず笑ってしまった。     大学中退の学歴で、MITのメディアラボ所長になるって!現在は、博士号も取り、現実的な処世術としてMIT教授にもなっている(その時の話は、彼のブログ記事「教授になります」が面白い)(追記:現在、伊藤さんはジェフリー・エプスタイン関係の事件が原因でMITのメディアラボ所長を退職されています)   経歴の面白味は、それだけじゃないです。伊藤さんは、過去に六本木でナイトクラブを経営したり、DJだったり、IT会社を複数起業していたり、大企業の取締役をしていたり、赤ちゃん企業にスタートアップ投資するエンジェル投資家の顔も持っています。かと思えば、スキューバー・ダイビングの先生であったり、著名人を写真に収める写真家であったりもします(そのほかにも突っ込みどころが満載なのでWikipediaとその脚注・外部リンクの情報を読んでみてください。面白いに尽きます)   https://www.youtube.com/watch?v=Fbqib311QgA   伊藤穰一さんって、変な人でしょ?異能vationの最終選考者の竹内さんが、伊藤さんを「Joi = 神」と表現している理由がなんとなくわかったような気がします。   UCアーバイン校で人類学教授をしている伊藤瑞子さん(穰一さんの妹)との対談を聞いていると、穰一さんの異能ぶりを家族の視点から知ることもできます。   https://www.youtube.com/watch?v=P0CxCR9Uj60   伊藤穰一(じょういち)さんの書籍   伊藤穰一さんにHookedされてしまったぼくは、ジュンク堂におかれている彼の書籍をすべて買って読んでみた。           そのなかでも、異能vationの面接に役立ちそうな切り口を与えてくれたが、著書『9プリンシプルズ』である。書籍の内容は学術的であるため、ターゲット読者はおそらく知識人であると考えられるが、メッセージはシンプルである。書籍に書かれているメッセージとは、これからのネット時代においてイノベーションを起こしながら生き残るには9つのマインドセットが必要であるということだ。   1.権威より創発 2.プッシュよりプル 3.地図よりコンパス 4.安全よりリスク 5.従うより不服従 6.理論より実践 ...

加藤将太の次世代起業家育成セミナーを受ける前に知っておきたい13のこと

  加藤将太との出会い   ぼくは自分が叶えたい夢を実現するために、ビジネスを学ぶことを決意した(ぼくの夢はこんな夢)。お客さんを集めて、物を売った経験もないぼくは、つぎの3条件を満たすオンラインコースを探していた。 ずぶの素人でも始められる 自分の時間・ペースで学習できる 実績のある(つまり生徒が成功している)人が教えている   胡散臭いものばかりが氾濫するネット上を、ぼくは血眼になってビジネスの先生を探した。探すだけで数か月の時間が過ぎた。その時間で学んだことは、「手軽に」「これだけ」などのキーワードでビジネスを教えている人は信じられないということだった。 なぜなら、そこに、人生の荒波にもまれても生き伸びることができる人生哲学が感じられないからだ。どちらかと言えば、時代の隙間につけ入って、規制ができる前に稼ぎましょう、という半犯罪行為ともとらえられることを教えている。そんなことをやっていては、一時的に稼ぐことができたとしても、時間が立てば、収入はゼロになる。 生きていくために、「時代の隙間につけ入り、規制ができる前に稼ぐ」を繰り返すのも一つの人生哲学かもしれないが。でも、ぼくは自分の夢をかなえるために、手を変え品を変えるつもりはなく、どんな時代でもしっかりと立っていられるビジネスを学びたいと考えていた。その選択をしなければ、ぼくのビジネスの消費者にメリットを長期間にわたって与え続けられないからだ。 ネットでビジネスを教えている人の中で唯一、しっかりとした哲学を感じられたのが、加藤将太さんである。彼の人生哲学に同意するかどうかに関わらず、哲学に基づいて戦略を持った加藤さんに、ビジネスの教えを乞うことを考えることは自然なことだった。   加藤将太は3つの条件を満たしているのか?   人生哲学があることを感じたぼくは、次に自分自身に課した3つの条件を考えた。 ずぶの素人でも始められる 自分の時間・ペースで学習できる 実績のある(つまり生徒が成功している)人が教えている   (1)ずぶの素人でも始められるのか?   物を売ったことが無い、ビジネスのずぶの素人でも始められるのかどうかについて。答えを先に言うと、「ずぶの素人でも始められる」ということだ。その証拠は、ビジネスに関する知識がゼロであるぼくが、路頭に迷うことなく、ビジネスを学び続けられているという事実である。それだけではない。ぼくよりもずっと若い学生が、ビジネスの知識・経験ゼロの状態から学習を続けている。 「学習を続けている」という部分が大事である。なぜなら、誰だって「始めることはできる」からだ。NBA選手になるために練習を始めることは誰にでもできる。始めるだけなら、ぼくだってできる。でも、そのための練習を続けることは並大抵の人生哲学と戦略が無ければ、不可能である。加藤将太はそれを与えてくれる。   (2)自分の時間・ペースで学習できるのか?   答えは、「自分の時間・ペースで学習できる」である。これを実現しているのが、オンラインコースという形態である。ネットにアクセスすることができれば、自分が学習できる時間や場所から、ネット上のセミナーを閲覧したり、提供されている文書を読むことができるからだ。大学の講義のように、決められた時間に行かなければ学べないということが無いので、自分の生活にあったペースで学習を進めることができる。   (3)加藤将太の生徒は成功しているのか?   答えは、「加藤将太の生徒は成功している」である。加藤さんのページに掲載されている生徒さんは成功例の一部ではあるが、年商数億円を稼いでいる生徒もいる。その他にも、年商数千万の生徒さんがゴロゴロいる。 年商だけで成功は語れないが、ずぶの素人が自分の好きなことをビジネスにしてお金を稼いでいることを考えれば、「加藤将太の生徒は成功している」と言っていいだろう。   ここまでは、ぼくが加藤将太のセミナーを選んだ理由を書いてきたが、つぎに、加藤将太のを受けるかどうか迷っている人が本当に知りたい情報をここで話そうと思う。それは、セミナーを実際に受けている人が感じている、「良いところ」である。   良いところ   まずは、加藤さんの次世代起業家育成セミナーの良いところを紹介していこう。   (4)マインドの重要性を認識している   加藤さんのは、巷に氾濫する、小手先の技術を教えてお金を回収する「テクニック系」のビジネスコースではない。それよりも、ビジネスに必要なマインドを重要視している。 加藤さんのビジネスコースで感心したところは、セミナー受講者の「ビジネスマインド測定試験」がある点だ。この数値自体にどれだけの信頼性・再現性があるのかはまだ実証されていないものの、マインドを数値化しながらビジネスを教えている人は、加藤さん以外に誰もいない。 (学習を続けてもこのマインド数値が上がらない人には、全額返済してもらって学習をやめることができる。裏を返せば、加藤さんが「あなたはビジネスのマインドが身に付いていないから絶対失敗します。だから、お金はいらないので、セミナーにはまだ投資しないでください」という足きりをしているのだ。加藤さんの真剣さがうかがえる)   (5)学習者の挫折ポイントを知っている   加藤さんには多くの生徒さんがいる。そして、セミナーを受けた生徒さんの中から、成功する起業家と失敗する起業家がいることに気づいている。加藤さんは「なぜ同じことを学んでいるのに、挫折する人がいるのか?」ということを深く考えて、「挫折ポイント」なるものを明らかにしている。 この「挫折ポイント」はだれでも経験するものであるが、加藤さんが優れているところは、その挫折ポイントを回避・解決する方法を提供している点である。しかも、この挫折ポイントは、ビジネスだけでなく、人が新しいことを始めるの挫折ポイントでもある。その回避・解決法をしっているだけでも、あなたはビジネスだけでなくやりたいことに挫折しなくなるというメリットがある。 すべての挫折ポイントにはここで触れないが、だれでも思いつくものは「モチベーションの維持」である。何かを張り切って始めても、途中でモチベーションが下がってしまい、ゴール前にやめてしまうということ、あなたも経験があるのではないしょうか?(ぼくの人生は、そればかりです) 加藤さんは、このモチベーションを維持するための仕掛けをいくつも用意している。これまたすべての仕掛けを説明していたのでは、加藤さんの方も商売あがったりなので、ひとつの仕掛けを教えようと思う。その仕掛けとは、他の学習者の進歩状況がネット上で分かるというものだ。となりで一緒に頑張っている人の存在は、あなたのモチベーションを大きく高めてくれるものなのだ。一緒に頑張ってくれる人がいれば、わたし・ぼくも頑張れるのになぁ・・・と感じている人は多いはずである。   (6)コンテンツの量が多く、質も(おそらく)高い   次世代起業家育成セミナーで提供されているすべての動画の時間を計算してみると・・・約300時間である(追加コンテンツで増える可能性あり)。1日1時間を毎日続けても、動画を見終わるのに約300日かかるということである。動画だけではない。動画の説明をしている文書などを読むと、学習時間はさらに増える。ぼくのようなビジネスの素人が学習をしているということは、動画や文書を何度も見返す必要があるので、最低でも600時間の学習が必要になる。これはとんでもないコンテンツの量である。 次世代起業家育成セミナーの質に関して、(おそらく)高い、と書いたのには理由がある。それは、ぼく自身がずぶの素人でビジネスの知識も経験もないため、加藤さんのコンテンツの質を他のコンテンツと比較できないからである。 しかし、(おそらく)低いではなく、(おそらく)高い、と書いたのにもきちんとした理由がある。ぼくが次世代起業家育成セミナーの学習を進めるにつれて、「そういう考え方があるのか」と感心させられるだけでなく、「それを自分のビジネスに取り入れてみたい」と衝動に駆らせるアイデアがたくさん提供されているからである。 これは、とても大事な点である。加藤さんのセミナーを受けている人は、ビジネスで成功したい人である。つまり、加藤さんのセミナーでアイデアを発見し、自分のビジネスに生かせないか?と自問しているはずである。「自分のビジネスを成功させるアイデア」が次から次に生まれてくる事実を考慮すると、加藤さんのセミナーは質が高いと表現するに値すると思う。   (7)ウェブ試験がある   どんな学習でもそうだが、自分がどれだけ理解しているのかというフィードバックが無いと挫折をする。このフィードバックはできるだけ、客観的なもの、つまり数値で評価することが好ましい。 加藤さんの次世代起業家育成セミナーには、あなたの学び度合いを数値で評価してくれる「ウェブ試験」がある。ビジネス素人の受講者は分かると思うが、このウェブ試験は難しい。ビジネスを知っている人がどれぐらいの点数が取れるか分からないが、ぼく(ピッカピッカのビジネス素人)が最初にウェブ試験を受けたときの成績は、30点である。それも、セミナー動画を一通り真剣に見て、内容を理解したと思った後に受けたのにもかかわらずである。(加藤さんのコンテンツはホンモノだ、とぼくが燃え始めたのは言うまでもない) その後、加藤さんが学習者に身につけてほしい知識が分かってくると、だんだん点数が上がってくる。そうすると、何が起こるか?それまでなんとなく眺めていた、世の中のビジネスの仕組みが目に見えてくるではないか!それも、成功しているビジネスと失敗しているビジネスの原因の多くが、このビジネスの仕組みに違いがあるということがわかるようになる。   (8)常に進化している   加藤さんの次世代起業家育成セミナーでぼくがとても素晴らしいと思う点は、コンテンツが常に進化しているところである。先述した「挫折ポイント」を回避する仕掛けも、続々追加されている。 おそらくだが、加藤さんの中には理想的なコンテンツの形があるのだと思う。しかし、加藤さんは、学習者からのフィードバックを加味することで、自分の理想だけでなく、学習者にとっての理想的なコンテンツを実現しようとしている。 加藤さんが成長しようとしているのに、学習者が歩みを止めていたのでは、じぶんのビジネスをなかなか成功させることができないことは明らかである。加藤さんと共に成長できるのが、このセミナーの素晴らしいところである。   ここまでは、加藤将太のセミナーの「良いところ」を書いてきたが、つぎに、加藤将太のを受けるかどうか迷っている人が本当に知りたい情報をさらに話そうと思う。それは、セミナーを実際に受けている人が感じている、「改善できるところ」である。読み続けるには、広告の下の次の数字③をクリックしてください。   改善できるところ   加藤さんの次世代起業家育成セミナーの良いところを述べてきたが、彼のコンテンツも改善できるところがある。そのいくつかを紹介していこう。   (9)動画が編集・洗練されていない   次世代起業家育成セミナーの動画は、文字通りセミナーの動画である。加藤さんは、ホワイトボードに板書しながら、セミナーを進めていく。たしかに、実際のセミナーの臨場感を味わえるだけでなく、加藤さん自身の思考の流れを学ぶことができるので悪くはない。しかし、セミナー動画が一寸の編集もされていない(訂正追記を除く)ため、無駄な空白時間が多い。 一度動画を見ただけで内容が理解できる物であれば、これでもいいのかもしれないが、加藤さんの動画は内容が濃い。とくにぼくのようなビジネスの素人は一度視聴しただけでは理解できない。動画を繰り返し視聴し学ぶ必要がある。これはつまり、繰り返して学習する人にとっては、無駄な空白時間も繰り返されるということである。学習・理解にかかる時間を最短にするためにも、セミナー動画を編集・洗練させるべきである。特に加藤さんは時短をセールスポイントにしているので、ことさらである。   (10)「ん?」となることがある   次世代起業家育成セミナーを視聴していて、総時間の0.1%ぐらい「ん?」となり、分からなくなることがある。これには、ふたつの原因がある。 ひとつ目の「ん?」の原因は、加藤さんが説明している内容を理解するための前提知識が、視聴者に足りないこと。つまり、次世代起業家育成セミナーの内容をすべて理解するには、やはり少しの知識が必要なのである。幸い、視聴者の前提知識を必要とするケースは、加藤さんが脱線しているときに多く見られるので、あなたの学習の大きな障害になることはない。 ふたつ目の「ん?」の原因は、加藤さんの疲労である。加藤さんのセミナーは、一度に長時間行われたものが多いため、講師の加藤さん本人が疲れてしまい、頭が回らなくなり話の内容が「?」となることがある。これは、人間である以上仕方のない事ではある。それでも、セミナーの99.9%は論理的に話されている。 加藤さんのセミナーは総じて、初心者でも分かるように作られており、「ん?」が学びの障害になることはない。   (11)じぶんが学びたいこと以外も学習する   ぼくはインターネットビジネスを学びたいと思い、加藤さんのセミナーを受け始めた。しかし、世の中にはインターネットビジネスだけがビジネスではない。たとえば、物販や美容師など、インターネットだけでは完結しないビジネスもある。 次世代起業家育成セミナーはオンライン(Online)だけでなく、オフライン(Offline)のビジネスも教えている。そのため、ぼくのようにインターネットでビジネスをしたい人には、オフラインのビジネスを学ぶことは少々遠回りに感じられることがある。それでも、オフラインのビジネス知識が、自分のオンラインのビジネスに生かせることもあるので、時間の無駄ではないだろう。   (12)ウェブ試験で高得点を取るためには、記憶が良くなければならない。   先述したウェブ試験だが、この試験で高得点を取るには記憶が良くなければならない。ウェブ試験は選択問題(MCQ)だが、設問の内容だけを読んで、正しい答えに辿りつけないことが多くある。その場合、正しい答えにたどり着くためにセミナー動画の内容を覚えておかなければならない。セミナー動画が長時間なので、その内容を記憶しておくことはとても困難なことである。理想的には、設問の情報だけで正しい答えを導き出せる問題が出題されるウェブ試験である。   (13)それなりの投資が必要である   加藤さんの次世代起業家育成セミナーのすべてのコンテンツにアクセスするには、それなりにお金の投資が必要となる。正直、手軽に出せるような値段ではない。   しかし、成功にはお金を投資しなければならない。なぜなら、お金で成功までの時間を買うことが大事だからである。現代は、時代が変化するスピードがとても速い。これだと思ったビジネスをゆっくり作り上げていたのでは、他の競争者に出し抜かれるだけでなく、そのビジネス分野がすたれてしまう可能性もある。お金の投資は、「ビジネスを立ち上げるまでに必要な時間」を買うことができる大切な行動である。 値段だけで、自分の夢であるビジネスを諦めてはいけない。そのことを、たとえ話で理解してもらおうと思う。 もし、あなたの手元に、ハーバード大学からの無条件入学許可書が届いたとします。あなたはハーバード大学に入学しますか? ハーバード大学は、アメリカにある世界的トップクラスの大学です。そんな大学を卒業したあとのメリットを思い描いてみてください。ハーバード大学卒のあなたが、就職面接で有望視されることは想像にかたくありません。また、大学時代に出会った同級生は卒業後も、仕事や生活の面であなたに大きなプラスとなるでしょう。 でも待ってください。ハーバード大学の授業料は高いです。年間約400万円です。あなたは値段が高いというだけでハーバード大学入学を断念しますか?おそらくほとんどの人は、ハーバード大学に行くメリットが大きいと判断し、どうにかしてお金を工面することを考えると思います。 加藤さんのセミナーも同じようなものだと思ってください(☚年間400万円、みたいな莫大な出資ではありませんのでご安心ください)。すべてのコンテンツを学習しようとすると、値段は安くありませんが、セミナーを受けることで手に入る将来のメリットを考えるとその値段に見合うだけのコンテンツを提供しているとぼくは考えています。   結論   結局、加藤将太の次世代起業家セミナーは買いなのか? ぼくの個人的な考えは、もしあなたが次の13のチェックリストに7つ(つまり半分)以上の丸印(つまりYESと答えたら)を入れたとしたら、買いだと思う。   番号 チェックリスト YESは〇を入れる。 1 わたしはビジネスの知識・経験が無い 2 自分のペースでビジネスを学びたい 3 実績のある人からビジネスを学びたい 4 ビジネスに必要なマインドとスキルを学びたい 5 挫折をしたくない 6 良質かつ豊富なコンテンツから学びたい 7 じぶんが進歩しているか確認したい 8 成長していきたい 9 すこしの時間のロスを受け入れることができる 10 完ぺきではないことを受け入れられる 11 自分以外のビジネスを知ることも大事である 12 記憶力はいい方だ 13 成功には投資は必要だ 14 仮想通貨に興味がある     7つ以上〇がついた人は、まず加藤さんがやっているキャンペーンナーの案内を読んでみましょう。凄いプレゼントももらえるキャンペーンもやっています(⇒プレゼントを釣りにしたく無かったので、記事では一切触れませんでした)   次世代起業家育成セミナーの入口はこちら↓↓↓  

【世紀の一戦】ごとうひろみち 対 Atsueigo

  えー、巷では名須川天心対フロイドメイウェザーの世紀の一戦がもっぱらの話題です。英語の世界も負けてられん、と【世紀の一戦】ごとうひろみち 対 Atsueigo を(一方的に)実現させました。それでは、前置きを含めてどうぞ。   ☆★☆★☆★☆★   オーストラリアの医学部を卒業した後、日本に一時帰国し、総務省の異能vationのイベントに参加したり、Urdocアプリの創始者と対談したり、日本の医学生に臨床英語のセミナーを開いたり、東大で先生をしている友人にサインをもらったり、1日5~8時間ぐらい東京の町を当てもなく歩いたりした。   オーストラリアにとんぼ返りする直前にAtsueigoさんの東京トークライブに参加してきた。今回の記事では、トークライブでのAtsueigoさんの印象や、Atsueigoさんがこれから挑戦しなければならない問題を提起していく。記事の流れはこうなっている。   Atsueigoとは誰なのか? ごとうひろみちとは誰なのか? Atsueigoのトークライブと彼の英語力 Atsueigoに挑戦状を叩きつける 挑戦状の先にあるもの   まずは、自己紹介から。Atsueigoさんを知らない方のために、彼のことを簡単に紹介しておく。   Atsueigoとは誰なのか? 以下、Atsueigoページより抜粋。   ...

オーストラリアの医学部に進もうかと考えている日本の女子高生からの悩みに、ごとうひろみちが答えてみた

  ぼくのブログには、オーストラリアで医者になりたいというコメントがたくさん寄せられます。そのほとんどは、具体的なプランが無いなど、どうやって返信をしていいのか分からないものが多いです。 そんな中、オーストラリアの医学部に行くことを真剣に考えている日本の女子高生からお便りをいただきました。丁度、深夜勤務明けのお休みの日にお便りをいただいたこともあり、ぼくも真剣にコメントを返してみました。 以下、高校生からの文章を太字にして、パラグラフごとにぼくなりの返事をしています。   こんにちは、初めまして。 ⇒初めまして。   今回は大学進学について悩んでいたところ、このサイトと出会い、ぜひ助言をいただきたくこの文面を書いています。拙い文章力で申し訳ありませんが、しばらくお付き合いください。 ⇒この時点ですでに文章力の高さを感じます。   私は広島在住の18歳で、将来の夢は小さな頃から医師になること、「人の命を救うこと」でした。昨年高校を卒業し、高校では日本の文部科学省規定の学習ではなくIBディプロマを取得しました。英語でBiologyやChemistryなど、様々な科目を学習してきた私でしたが、自分の英語に日本人の中では話せる方であったとしても、nativeと戦っていけるほどの自信はなかったので、そのまま日本の大学(subject requirementの関係で一校のみ)を受験しました。しかしscoreがrequirementに及ばず不合格に。医師の道を諦めるという選択肢はなかったので、IB生では異例の浪人を決意し、IBの最終試験の再受験のための勉強(自宅にて)とセンター試験のための勉強を一から(予備校にて)並行して行い、無事IB scoreはrequirementを越え、今年はセンター試験の点数も持っていたため、昨年受験した大学を含め三校受験しました。一週間ほど前に開示された結果は全校不合格でした。 ⇒IBディプロマというものがあるんですね。知りませんでした。まずは、IBディプロマ修了おめでとうございます。大学受験は残念でしたが、前に進んでいる(行動している)ので全く問題ありません。今は胸が痛いかもしれませんが、数年後にはこの経験があったからこそ「自分」のアイデンティティが確立されたと思えるようになります。   合否発表前より、全て不合格だった場合にはどうするかを考えており、以下の2つが家族の中でも濃厚な線でした: 1. ハンガリー医科大学時事務局を通じてハンガリー国立大学医学部を受験し、進学。卒業後は日本の医師国家試験を受験(卒業と同時に受験資格は得られる)し日本で医師として働く。 ⇒ハンガリー医科大学事情は詳しく知らないのですが、確か留学生の留年率が50%だったような気がします。つまり、毎年、半分の同級生が留年するというとても大変な道のりです。このことを考えると、日本で浪人をして日本の医学部に行くほうが時間的・金銭的にベターかも、という可能性も見えてきます。 追記:留年率は66%でした。過去記事を参照。   2. オーストラリアの大学に進学し(昨年の段階で合格はもらっていたため)、学士をとった上で帰国、日本の国立大学医学部へ学士編入し、日本で医師として働く。元来私は日本で医師になることを目標にしていたので、このどちらかを考えていました。しかし、高校の先輩で今オーストラリア・ブリスベンで看護師として働く方と話す機会があり、とても生き生きと自分の夢に向かって走っている彼女の話を聞くと、この先輩のようになりたい、オーストラリアに進学したいという気持ちが強くなりました。 ⇒オーストラリアの大学合格おめでとうございます。パチパチ!素晴らしいです。オーストラリアで学士を取った後、日本の医学部に編入する選択肢も現実的です。おそらくですが、オーストラリアで学士を取ると、そのままオーストラリアの医学部(大学院コース)に進みたくなるかもしれません。これも、選択肢の中に入れておいてください。   両親も私が医師になる夢はずっと応援してくれているので、日本での進学の道がほとんど閉ざされてしまった今、オーストラリアへの進学を前向きに考えてくれています。 ⇒両親が応援してくれるのは、すごくプラスです。ぼくは、誰からも応援されることなく医学部受験をしたので、両親が応援してくれたら、もっと高い点数を取ることができたかもしれません。   ただ、master courseの学費の高さや、(学費を安くするための)永住権取得の難しさ、そしてオーストラリアで日本人が医師になることの現実性など、本格的に考えれば考えるほど、実際に医師として働けるなど夢のまた夢のように思えてしまっています。 ⇒学費の高さは、とても重要なポイントです。最近では、クラウドファンディングなどで学費を捻出する強者もいるようですが、ほとんどの人は高い学費が払うことができずに医学部に行くことを断念します。ぼくもその例にもれず、医学部を3度受験し3回合格したにもかかわらず、永住権が無かったために2回入学を辞退しています。ここをどうクリアするかは、経済事情によりますので、ご両親とよく議論されることをお勧めします。オーストラリアで日本人が医師になることの夢のまた夢と表現されていますが、オーストラリアで働く日本人医師はちらほらいます。例が少ないために、「無理なんだ」と思い込んでいるだけだと思いますよ。前例が無ければ自分が最初の例になればいいだけのことです。   一番の夢が「人の命を救うこと」である以上、医師になれる確率が高い道、という考えで進学先を決めるとすると、上記のようにハンガリー -> 日本、もしくは学士編入が良いのでは、という考えが両親の中では強いようです(医師として働けるようになるまでの年月も踏まえて)。 ⇒日本で医師になることを前提にハンガリーへ留学する人が多いことは認知しています。詳しいことは知らないのですが、ハンガリーの医学部には日本の医師国家試験の勉強もしている医学生が周りにいるらしいです。この点において、オーストラリアよりもハンガリーのほうが有利かもしれません。というのも、オーストラリアの医学部には日本人の医学生はゼロですし(いるのかなぁ?)、周りに日本の医師国家試験の勉強する人はいません。アメリカのUSMLEを受験する人は少ないですが存在します。   私の一番の希望は、オーストラリアでbachelorをとり、その後永住権をとった上でmasterに進む、という道ですが、masterへの進学が叶いそうにない(永住権を取れそうにない)場合は、bachelorだけでもオーストラリアで取得し、そこからハンガリー/日本の医学部へ進学/編入したいと考えています。*bachelorに関してはメルボルン大学またはUQのbachelor of...

最新のブログ記事

丹精込めて書きました

オーストラリア医師、レジストラを振り返る(パート5:リハビリ科)

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オーストラリア医師、レジストラを振り返る(パート4:コロナウイルス病棟)

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オーストラリア医師、レジストラを振り返る(パート3:心臓病科・心疾患集中治療室)

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オーストラリア医師、レジストラを振り返る(パート2:急性疾患医療)

  ぼくは「オーストラリアで温かい医者になる」という夢を持っている。ぼくはその夢を叶えるべく、オーストラリアの医学部を卒業し、インターン医師として次の4つの研修を無事修了した。 一般内科 (General Medicine)(リンク) 移植外科 (Transplant Surgery)(リンク) 救急医療 (Emergency...

オーストラリアで総合医になる必勝方法

  ぼくには、「オーストラリアで温かい医者になる」という夢がある。この夢の旅路に就くまでのその道は、控えめに言っても、紆余曲折で満ち溢れていた。   ごとうひろみちの紆余曲折の人生に興味のある方はこちらをどうぞ。 ↓↓↓↓↓↓   オーストラリアの医学部を一年休学した後に卒業し、ぼくは現地の病院に就職した。現在は、医師3年目のペーペー Registrarをやっている。通常、オーストラリアで言うRegistrarは「専門医になるための訓練を受けている医師」を指すのだが、ぼくはいまService registrarという少し変わったポジションで働いている。Service registrarは、特定の専門のトレーニングプログラムに入っているわけではないが、病院側が働き手が一時的に足りていない分野に送り込むRegistrarのことを指す。オーストラリアの医師のハイラルキーに興味がある方は、過去記事『オーストラリアのインターン医師になったらやらなければならない6つのこと』をどうぞ。   インター医師よりも経験はあるが専門をまだ決めかねている医師は、このService registrarとして働くことが多い。そして、Service registrarとしてインターン医師よりは重い責任を負いながら、どの専門に進むかを考えている。どの専門に進むのかを決める要因は千差万別で、流行りの専門を選ぶ医師がいたかと思えば、朝の問診が嫌いだからという理由で救急医療を選ぶ医師がいたりする。色々な思惑と背景を持った医師がいる以上、これさえ押さえておけば専門医トレーニング選びに後悔しない、というものはない。 ちなみに、医学部に入ったときにこんなフローチャートが授業で出てきたが、あながち間違いではないような気がする。専門を迷われている方は参考にするといいかもしれない(が、あまり気にする必要もないと思う)。     オーストラリアのインターン医師は、大きく分けて外科、内科、救急、精神科のローテーションを通じて医師としての一般的なスキルを磨く。3年という限られたインターンシップの期間中に、すべての科を回ることは不可能である。あらかじめ「~科で働きたいなぁ」と思っている医師は、病院側にその科に優先的に回してもらうことをお願いする。また、「~科には興味がない」ということを病院側に伝え、それ以外の科に回してもらうこともできる。   ぼくは医師として以下のローテーションを回ってきた。 1年目 内科(記事) 移植外科(記事) 救急(記事) ...

オーストラリア医師、レジストラを振り返る(パート1:リハビリ科)

  ぼくは「オーストラリアで温かい医者になる」という夢を持っている。ぼくはその夢を叶えるべく、オーストラリアの医学部を卒業し、インターン医師として次の4つの研修を無事修了した。 一般内科 (General Medicine)(リンク) 移植外科 (Transplant Surgery)(リンク) 救急医療 (Emergency...