変な人を日本政府がサポートするプログラム「異能vation」の2次面接の戦略と戦術を考えている。
記事「異能vation、の2次面接の練習を始めます」で触れたが、もしぼくの「破壊的な挑戦」の申請書が1次選考を通過すると、2次面接で3分間の面接・プレゼンを求められる(かもしれない)。面接・プレゼンを楽しむためにTED Talksやスティーブ・ジョブズ氏関連の書籍を参考にしながら、自分のプレゼンを組み立てている。
プレゼンの練習に疲れたので、何か別のことをしようと思い、近所のジュンク堂に行くことにした。家を出て上を見上げると、真っ青な湖面に白色の積乱雲が漂っている。こんな日は、この歌が自然に頭に流れてくる。
書店に行く目的は、異能vationの方向性を決めているプログラムアドバイザーが日頃どんなことを考えているかを理解するためである。プログラムアドバイザーが異能vationの具体的な方向性に言及している書籍は無い(と思う)。しかし、プログラムアドバイザーがどんな思想を持って活動しているのかは著作を通して知ることができる。総務省はこの思想に魅力を感じてプログラムアドバイザーに選んでいるはずなので、プログラムアドバイザーの思想を知れば、異能vationの選考条件が自然に浮かんでくる(とぼくは青空を目で聞きながら夢想している)。
伊藤穰一(じょういち)さんの紹介
プログラムアドバイザーのリストに最初に来ている人物は、伊藤穰一(じょういち)(愛称はJoi)さんである。伊藤穰一さんのことはTEDを通じて存在を知っていたが、どんな思想・経歴をお持ちなのかぼくは全く知らなかった。
伊藤さんの経歴をWikipediaで調べてみると、おもわず笑ってしまった。
大学中退の学歴で、MITのメディアラボ所長になるって!現在は、博士号も取り、現実的な処世術としてMIT教授にもなっている(その時の話は、彼のブログ記事「教授になります」が面白い)(追記:現在、伊藤さんはジェフリー・エプスタイン関係の事件が原因でMITのメディアラボ所長を退職されています)
経歴の面白味は、それだけじゃないです。伊藤さんは、過去に六本木でナイトクラブを経営したり、DJだったり、IT会社を複数起業していたり、大企業の取締役をしていたり、赤ちゃん企業にスタートアップ投資するエンジェル投資家の顔も持っています。かと思えば、スキューバー・ダイビングの先生であったり、著名人を写真に収める写真家であったりもします(そのほかにも突っ込みどころが満載なのでWikipediaとその脚注・外部リンクの情報を読んでみてください。面白いに尽きます)
伊藤穰一さんって、変な人でしょ?異能vationの最終選考者の竹内さんが、伊藤さんを「Joi = 神」と表現している理由がなんとなくわかったような気がします。
UCアーバイン校で人類学教授をしている伊藤瑞子さん(穰一さんの妹)との対談を聞いていると、穰一さんの異能ぶりを家族の視点から知ることもできます。
伊藤穰一(じょういち)さんの書籍
伊藤穰一さんにHookedされてしまったぼくは、ジュンク堂におかれている彼の書籍をすべて買って読んでみた。
そのなかでも、異能vationの面接に役立ちそうな切り口を与えてくれたが、著書『9プリンシプルズ』である。書籍の内容は学術的であるため、ターゲット読者はおそらく知識人であると考えられるが、メッセージはシンプルである。書籍に書かれているメッセージとは、これからのネット時代においてイノベーションを起こしながら生き残るには9つのマインドセットが必要であるということだ。
1.権威より創発
2.プッシュよりプル
3.地図よりコンパス
4.安全よりリスク
5.従うより不服従
6.理論より実践
7.能力より多様性
8.強さより回復力
9.モノよりシステム
↓↓どういうものか知りたい人ははこちらの動画をどうぞ。
↓↓Why bother writing a book?という質問に対するJoiさんの答えに共感
ビットコインとブロックチェーンの部分も面白い
wired.jpの池田純一氏が、著書『9プリンシプルズ』に関する批評を書いている。ここでは添付していない動画なども掲載されているので、興味がある方はどうぞ。⇒リンク
異能vationの選考を通過するために
異能vationの2次選考のためにこの書籍の学術的な部分を理解しておく必要はないと思うが、これらの9つの切り口を、自分のプレゼンに当てはめてアピールできるかを考えることは大切である。自分に嘘をついてまで、9つのプリンシプルズを当てはめる必要はないが、自分の持っているアイデアがこれらのプリンシプルズに入るかどうかを考えることで、どこが自分のアイデアの強みなのかを知ることができる。(この考え方は1次選考の応募書類にも当てはまる)
どれにも当てはまらない人は自信を持つことだ。何より「従うより不服従」に当てはまるし、自分のプリンシプルズを生み出す絶好の機会だからだ(これは「権威よりも創発」に当てはまる)。
ぼくと伊藤穰一さんには「中退」というの共通点がある(伊藤さんは大学中退、ぼくは高校中退)。共通点を持つと親近感が湧くことは周知の事実である。そういうことで、伊藤さんの思想を参考にしながら、自分のプレゼンを創り上げることにします。必要・時間があれば、ほかのプログラムアドバイザーのことも調べてみようと思います。