著書第6弾『豪州医学部受験必勝法』

 

オーストラリアで医者になる

そう心に刻み込んだのは

福島震災後のボランティアだった。

 

津波が無造作に積み上げた

瓦礫の下から漂ってくる

生き物の腐乱臭

 

蓋が空いたように

半分が宙に浮いている

鉄筋のビニールハウス

 

畳の上に座って

恥ずかしそうな笑顔を見せる

全裸の若い女性の写真

 

助けようとして

伸ばした手が届かずに

津波に飲み込まれていった奥様

 

自然はいまだに

ぼくの心に安らぎと怒りを

アンビバレンスを与える

 

オーストラリアの医学部

受験した日本人の話は見つからず

ぼくは独りで対策を練り始めた

 

受験会場に

ぼくの座るはずの椅子が

無かった共通一次試験

 

言いたいことも言えず

あまりにも情けなくて

泣きそうになった2次面接

 

3回受験して

3回合格した医学部

はやく医者になれ?

 

 

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ごとうひろみち
『高校中退⇒豪州で医者』をいつも読んでいただき誠にありがとうございます。著者・ごとうひろみちに興味を持ってくれたあなたのために、詳しい自己紹介を←ここでしていますので、どうぞご覧ください。

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