オーストラリアの医学部、最終学年の5発目の研修先はへき地医療

 

オーストラリアの医学部最終学年の第4の研修先である脳神経外科が終わり、ぼくが次に向かう研修先はへき地医療である。

 

同級生たちは、西オーストラリアの隅々に散らばり、地元の総合医(General Practitioner)の指導の下、様々な患者さんに出会いながら、臨床スキルを磨く。

 

自分が希望した研修先へ行ける同級生が多いのだが、中には耳にしたこともないへき地へ行かなければいけない友人もいる。

 

ぼくは医学部3年生の時に、奨学金をもらいながらブルーム(Broome)というへき地で1年過ごした経験を持っており、へき地医療にはとても関心がある。また、へき地でしか経験できないようなことが沢山あるので、ぼくはへき地医療の経験を好意的に見ている。

 

 

ただ、3年生の時とは異なり、できるだけ移動時間がかからない町を、ぼくは選択した。医学部最終学年は時間がどれだけあっても、足りない。だから、できるだけ無駄を省くことをつねに心がけておかないと、留年という現実が待っているのだ。

 

ぼくがお世話になる町の名前は、コリー(Collie)。ブラック・ダイアモンド湖があるところで有名だ。季節は徐々に寒くなってきているが、湖にぜひとも飛び込んでおこうと思う。その他、面白そうな所があるので、探索していこうと思う。

 

 

コリーには5週間滞在することになるので、現地の生活は現地に着いてから「生の声」としてみんなにお伝えしていこうと思う。

 

それよりも、まずはへき地医療研修の内容をさっと頭に入れておこうと思う。旅行気分でコリーに行って、卒業に必要な成績を取り損ねるということを避けるためだ。

 

へき地医療の研修中に集中して学ばなければいけない項目が7つある。

 

毎週、最低30時間はクリニックにいて、自分一人で10人ぐらいの患者さんを診なければいけない(最終的な臨床の判断は、総合医が行う)。クリニックが終わった後も、On callで週に2人ぐらい患者さんを診なさいと書かれている。

 

へき地医療の研修は主に、慢性的な病気を見ることになるため、うちの医学部は以下の点を重点的に学べと書いている。(これはつまり、最終試験(ペーパーと実技)に出るよ、ということでもある)

 

へき地医療研修の成績は、総合医の目の前で、実際の患者さんに問診、身体検査、マネージメントを行い、その臨床技術を評価してもらうStructured Clinical Assessment (SCA)がふたつ。そして、研修中の態度や行動が評価されるClinical & Professional Rating (CPR)が評価の対象となる。

 

Structured Clinical Assessment (SCA)とClinical & Professional Rating (CPR)の詳しい説明は、こうなっている。ふたつともブルームで経験しているので、大丈夫だと思う(たぶん)。

 

そして、うちの大学の医学部には、課外活動を評価するPLACESというものがある(詳しくは記事「オーストラリアの医学生が勉強以外にやっている課外活動」をどうぞ)。へき地医療の経験を書いておけば、課外活動として評価してあげるよ、という医学部側の配慮である。強制的なものではないが、卒業までに課外活動のポイントが足りていないぼくは、これをやろうと思っている(たぶん)。

 

 

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ごとうひろみち
『高校中退⇒豪州で医者』をいつも読んでいただき誠にありがとうございます。著者・ごとうひろみちに興味を持ってくれたあなたのために、詳しい自己紹介を←ここでしていますので、どうぞご覧ください。

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