日本人の英語力を飛躍的に伸ばす教育(高校生編)
英語の勉強にはゴールが必要なのに・・・
英語を勉強している日本人に、「なぜ英語を勉強しているの?」と聞いてみると、「英語がしゃべれないよりしゃべれた方がいいから」「英語ができれば就職に有利だから」「英語は世界の共通言語だから」などといった、漠然とした答えが返ってきます。
まわりにいる99%の英語学習者が同じような答えをしているため、自分自身の答えを疑ったり・顧みることをすることがほとんどありません。そのため、「なぜ英語を勉強しているの?」に対するこのような答えが、その人の英語力のアップを妨げていることに気づけないのです。
「英語がしゃべれないよりしゃべれた方がいいから」「英語ができれば就職に有利だから」「英語は世界の共通言語だから」などの答えが、英語力のアップにつながらないことをたとえ話で説明してみましょう。
まず、あなたに、プロ野球選手の卵を探すスカウトマンになっていただきます(頭の中で)。
スカウトマンのあなたの目の前には、野球を熱心に練習する高校生がいます。将来のスター選手を探しているあなたは、その高校生の本気度を知るために、「なぜ野球を練習しているの?」と聞いてみます。
もし、その高校生がこんな答えを返して来たら、あなたはその人をスカウトの対象にしますか?
「野球ができないよりできた方がいいから」
「野球ができればプロ野球選手になれるから」
「野球は世界で人気のあるスポーツだから」
もし、その高校生がこんな答えを返して来たら、あなたはその人をスカウトの対象にしますか?
「イチロー選手のような3割バッターになりたいから」
「ダルビッシュ選手のようなスライダーを投げる投手になりたいから」
「大リーグでゴジラ松井選手のような成績を収めたいから」
あなたはプロ野球の卵を探すスカウトマンとして、どちらの答えに将来の有望性・可能性を感じますか?また、なぜあなたはそちらがより有望だと判断しましたか?
99%の英語学習者は、自分の英語がうまくならない理由が、「なぜ英語を勉強しているの?」に対する自分の答えの中にあることに気づいていません。英語がうまくなるには、「明確なゴール」がなければならないことにまず気が付かなければなりません。
ゴールがないせいで・・・
明確なゴールが無いと、なぜ英語はうまくならないのか?その理由は単純です。目的地が決まっていないのに、目的地に向かおうとすることと同じだからです。自分では前に進んでいるつもりでも、もしかしたら、同じところをグルグル回っているだけかもしれません。
また、目的地が決まっていないということは、その目的地までどのようなルートで行くかというプランも立てられないということです。英語学習における目的地までのルートプランを戦略と言いますが、「なぜ英語を勉強しているのか」という明確なゴールが無ければ、効果的な戦略も立てられません。どんなに素晴らしい戦略でも、あなたのゴールがはっきりしていなければ、それは宝の持ち腐れです。
英語の勉強、高校生は何をすればいいの?
「英語ができる」ようになりたいと願い、英会話スクールに行く高校生がたくさんいます。楽しい高校生活のなかでわざわざ教育に時間を投資するという行動は賛辞に値することですが、あなたに「なぜ英語を勉強しているのか?」の明確な答えが無ければ、その投資は水の泡になってしまう可能性があります。
もちろん、「なぜ英語を勉強しているのか?」という答えは、一朝一夕に生まれるものではありません。ほとんどの場合、色々な経験を積んで初めて芽生えるようになります。また、芽生えた答えは、時間と経験と共に変化するものです。
「なぜ英語を勉強しているのか?」という答えを出してから英語の勉強を開始することはお勧めしませんが(英語を勉強することで色々なことを経験できるので)、答えを急ぎすぎたり、ひとつの答えに固執する必要はありません。
それでも、「明確なゴール」を持つことは大切です。理想的には、高校生のあなたに「なぜ英語を勉強しているのか?」を考えさせる英会話スクールがあればいいのですが、英会話スクールがそんなことまでケアしてくれる(重要だと認識している)とは想像できないので、やはり「明確なゴール」を持つことはあなた自身の責任となるでしょう。
高校生の勉強はこれだけでいい
幼少期のたったひとつの英語の勉強、中学生のたったひとつの英語の勉強を終え、「なぜ英語を勉強しているのか?」という疑問の種が植えられた高校生がやっておきたい英語の勉強はみっつしかありません。それは、Phrasal verbs, Collocations, Idiomsです。
Phrasal verbsとは、複数の単語を並べそこにひとつの意味を付加するフレーズのことを指します。主に、「動詞+副詞」または「動詞+(副詞)+前置詞」によって構成されています。例えば、Look forの意味は、「探す」ですね。Lookは「見る」、Forは「~のために」という意味がありますが、ふたつを直訳すると、「~のために見る」になります。その言葉をさらに縮めたものが「探す」になります。
Collocationsとは、よく使われるフレーズのことを指します。言葉を分解すると、Co-(一緒に)+llocation(配置)になります。つまり一緒に使われる言葉の組み合わせのことです。例えば、「強い雨」は英語でなんて言いますか?日本語を直訳すると、「Strong rain」になります。絶対に間違いでというわけではありませんが、ネイティブがよく使う表現は、「Heavy rain」です。このように、ネイティブがよく使う表現を知っておくと、コミュニケーションがスムーズに進むようになります。
Idiomsとは、慣用表現と呼ばれるもので、組み合わさるとそれぞれの単語が持つ意味とは違う内容になる表現のことを指します。例えば、kick the bucket(バケツを蹴る)という表現を見て、どんなことを想像しますか?文字通り、バケツを蹴る人を想像していますか?間違いではありませんが、ネイティブがkick the bucketという慣用表現を使う時は、ほぼ100%で「死ぬ」という意味でこの表現を使います。言葉の語源は諸説ありますが、ぼくが知っているのは、死刑囚が絞首刑にされるときに、バケツの上に上り、縄を首にかけて、最後に自分でバケツを蹴って死ぬから、というものです。
上に挙げた例は比較的単純なものですが、Phrasal verbs、Collocations、Idiomsのなかには、英語のニュアンスが備わっていない人には意味が直感で分かりずらいものもたくさんあります。そういうこともあり、幼少期のたったひとつの英語の勉強、中学生のたったひとつの英語の勉強を先に終えている必要があります。高校における英語の勉強は、Phrasal verbs, Collocations, Idiomsに専念すべきです。その理由はこうです。
幼少期のボキャブラリーの勉強、中学生のたったひとつの英語の勉強を続けていれば、かなり多くのボキャブラリーとグラマーを知っていることになります。あたまの中にある沢山の英単語を正しいグラマーを使って表現できるので、英語力をさらに発展させる基盤が出来上がっています。あとは、この基盤の上に、自分が表現したいものをPhrasal verbs, Collocations, Idiomsを使って創り上げることができます。
高校生になるとみっつもやることが増えるのかぁ、とがっかりする人が多いですが、これは間違いです。一番大変なのは、ボキャブラリーとグラマーをしっかり身につけることです。それさえ身に付いていれば、あとのPhrasal verbs, Collocations, Idiomsは、あなたの英語の表現力を自然に高めてくれるものでしかありません。
高校生の子供には英語をしゃべれるようになってほしいけど、高い月謝のせいで英会話スクールにはおくれないという家族がたくさんいます。しかし、いまでは、高校生にとって英会話スクールに劣らないツールが存在します。それは、スマホのアプリです。
高校生を観察するとわかりますが、高校生はスマホを手放しません。人と会話するよりも、スマホを触っている時間の方が長いのではないでしょうか?
高校生の子供にスマホを持たせない教育方針を否定するわけではありませんが、もうすでに子供にスマホを持たせている家庭は、このスマホを利用したPhrasal verbs, Collocations, Idiomsの勉強を取り入れてあげましょう。そうすることで、子供がすでに持っている英語力を「自発的に」磨いて行くことができます。
現在アメリカで人気のあるPhrasal verbs, Collocations, Idiomsのアプリ(iPhone)をリストアップしておきました。あなた自身がやり方が分からなくても、スマホに長時間触り続けている高校生であれば、使い方をすぐに理解できるはずです。あ、ちなみに英語の勉強は英語でやることをお勧めします。英語への精神的な抵抗が減ります。
これをすべてやれば全てOKというものではありません。高校生の子供が熱中できるアプリにたどり着けるといいですね。
大学生・社会人向けのアプリを知っている人は、この記事の下のコメントでシェアしてあげましょう。また、Androidのアプリを知っている人も、コメント欄にてシェアしてあげましょう。Sharing is caring!!
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