熊本のタッチラグビー大会でずぶ濡れになって冷えた体を温めるために、近くにあった弁天温泉に入ったときのことである。脱衣所を出て、まだ濡れた髪をタオルで乾かしていると、「ハロウィンを簡単に説明すると、海外版のお盆です」という貼り紙が目に入った。ふと、あれ、ハロウィン=お盆?そうだっけ?
よく考えたら、ぼくはハロウィンの起源を知らないなぁ、と思い、ハロウィンのことを少し調べてみた。そしたら、ハロウィンのことを調べれば調べるほど、歴史と共に変化を重ねた文化・宗教行事であることが分かった。しかし、ぼくには、人類学者や社会学者レベルの知識は必要ない。ただ単純に、「ハロウィンの起源」「ハロウィンが開催される理由」「ハロウィンで行われる行事」を知りたいだけなのだ。
ということで、いろいろ探したなかで、ぼくが求める「ハロウィンの起源」「ハロウィンが開催される理由」「ハロウィンで行われる行事」を簡潔に説明している動画をここでシェアしようと思う。英語で説明されているので、英語のリスニングの勉強だと思って頑張ってみてください。
ハロウィンの起源
ハロウィンの起源は、約2000年前にケルト人が現在のアイルランド地方で行っていたお祭り「ソーウィン(Samhain)」までさかのぼる。当時、ケルト人は11月1日を新年として祝っていた。ケルト人は、前日の10月31日の夜に、この世とあの世の境界線があいまいになり、幽霊がこの世に戻ってくると信じていた。自分の家に幽霊を入れないために、玄関にお供え物(食べ物や飲み物)を置いていた。また、外出するときに幽霊の格好をして、ほかの幽霊に気づかれないようにした。
9世紀には、キリスト教の影響を受け、11月2日に祝われていたハロウの日(Hallows)とソーウィン(Samhain)の前日(eve)にあたる10月31日をハロウィン(Hallow(s) + e(v)e + (Samhai)n = Halloween)としてお祝いした。ハロウィン中、貧しい人たちは町中の家の戸を叩き、食料やお金を恵んでもらう代わりに、亡くなった方や家族にお祈りを捧げた。
ハロウィンが開催される理由
1950年代には、アメリカに移住したアイルランド人が、ハロウィンの行事を仮装してお祝いするものへと変化させ、それがアメリカの文化として根付いた。このころには、宗教的な色合いが薄れ、社会の秩序を保つ行事、そして子供たちの休日としてハロウィンが行われるようになった。
ハロウィンで行われる行事
日本でもよく耳にする Trick or Treat(お菓子くれなきゃ悪戯するぞ)の表現は、アメリカのハロウィンで子供たちが近所の家の戸を叩きお菓子をおねだりしたことが始まりとされる。何世紀ものあいだ貧しい人が恵みを受けるために練り歩いた風習が、この形に進化したと考えられる。
日本では、子供たちがお隣のドアをノックしてお菓子をもらっている姿は見られない。その代り、渋谷で代表されるように、仮装した若者たちがワイワイする行事となっている。(⇐海外でも行われますが、ここまで盛大にやっている国はないのでは?)
なぜカボチャ?
動画では説明されなかったので、ここで「なぜカボチャが、ハロウィンに出てくるのか?」を簡単に解説しようと思う。
目と口がくり抜かれたカボチャは、「ジャック・オー・ランタン(jack-o’-lanterns)」と呼ばれる。ジャック・オー・ランタンの「ジャック」は、悪魔を騙したジャックという男性を指す。ジャックは、悪魔を騙し酒を飲んだりしながら長生きしたが、その素行の悪さから天国には入れず、また悪魔を騙したことで地獄にすら入ることができず、カブの中に石炭の火を灯してこの世をさまよっていると言われている。
ハロウィンで使われるカボチャは(⇐アメリカでは、ジャックが使っているカブよりもカボチャが手に入りやすいので、カボチャが使われるようになった。アイルランドではいまだにカブが使われる)、(1)ジャックの霊そのもの、(2)ジャックがあの世に行けるようにする道しるべ、(3)悪霊を追い払うお守り、などと言われている。
ハロウィンをもっと知りたい方は
こちらのドキュメンタリーをどうぞ。