異能vation、でケンミンSHOW

 

「変な人」を政府が支援するプログラム異能vationを耳にしたことがある人は多いと思う。プログラムに関する詳しい内容は過去の記事「異能vation、に応募します」をどうぞ。

 

政府公認の「変な人」になるためには、1次選考(書類審査)と2次選考(プレゼン+Q&A)を通過しなければならない。異能vationが発足された2014年以来、これまでたくさんの人たちが応募し、1次選考と2次選考を通過してきた。

 

これまでの選考通過者とその内容はこちらをどうぞ。

⇒2016年度(1次選考通過者2次選考通過者

⇒2015年度(1次選考通過者2次選考通過者

⇒2014年度(1次選考通過者2次選考通過者

 

アメリカには、シリコンバレーというイノベーションが起こりやすい地域がある。個人的に異能vationに選ばれやすい地域があるかどうかに興味があったので、勝手にデータを解析して推測してみた。都道府県の特性をあぶりだすケンミンSHOWと呼ばれる番組があるらしい(ぼくは観たことが無い)ので、そのタイトルをつかって、異能vation「ケンミンSHOW」をやってみることにした。

 

1次選考通過者、でケンミンSHOW

 

日本には47都道府県がある。これまで異能vationの1次選考に通過してきた人たちがどこにいるのかを調べてみて、住んでいる地域が異能vationを生み出す環境かどうかを考察してみる。まず、1次選考通過者が応募した時に住んでいた都道府県(←出身地ではない、と思う)を見てみよう。

 

これまで1次選考に通過した人の合計数は、112名。都道府県は47あるので、住んでいる地域が異能vationに影響しないのであれば、1都道府県当たり2.4人(112÷47=2.4)の1次選考通過者がいる計算になる。さて、実際のデータはどうか。

 

図1:都道府県別1次選考通過者の合計数

 

図1は、異能vationの1次選考通過した人の合計数を都道府県別に見ている。東京から通過者がたくさん出ていることが一目で分かる。このデータから、東京が異能vationに有利、ということにはならない。まず、総人口が違うからだ。人口が多ければ多いほど、異能vationの選考を通過する人の数は確率的に増えていく。

 

そこで、このデータを都道府県別総人口で割ってみるとどうなるだろうか?(都道府県の人口は、こちらのデータを参考にしている)

 

図2:都道府県別1次選考通過者の割合(100万人当たり)

 

図2は、各都道府県に住んでいる人(100万人)当たり何人の1次選考通過者がいるかを示している。ばらつきがある都道府県の総人口を考慮して再計算してみても、やはり東京の1次選考通過者の数は突出している。東京に住んでいる100万人が異能vationに応募すれば、3.2人が1次選考に通過した計算になる。

 

2次選考通過者、でケンミンSHOW

 

1次選考通過者のケンミンSHOWのデータを議論する前に、2次選考通過者のケンミンSHOWに移ってみよう。同じようなデータを示す。まずは、都道府県別2次選考通過者の合計数。

 

図3:都道府県別2次選考通過者の合計数

 

これまた、東京が断トツで多い。1次選考を勝ち抜いている人の数が多いので、これは驚くには値しない。それでは、人口比で見てみるとどうなるか?

 

図4:都道府県別2次選考通過者の割合(100万人当たり)

 

図4は、各都道府県に住んでいる人(100万人)当たり何人の2次選考通過者がいるかを示している。ばらつきがある都道府県の総人口を考慮して再計算してみても、やはり東京の2次選考通過者の数は突出している。東京に住んでいる100万人が異能vationに応募すれば、1.2人が2次選考に通過した計算になる。数字のゼロは、全ての1次選考者が2次選考に通過できなかったことを示している。

 

それでは、最後に1次選考通過者のうち何%が2次選考を通過したかを見てみよう。

 

図5:都道府県別1次選考者/2次選考通過者の割合(%)

 

図5は、都道府県別の1次選考者÷2次選考通過者の割合(%)を示している。100%は、1次選考通過者のすべてが2次選考を通過している。それに対して0%は、1次選考通過者のすべてが2次選考を落選していることを示している。

 

100%をたたき出している長野県、大分県、京都府、宮城県、茨城県の一次選考通過者の数はそれぞれ1人(茨城は2人)で母数の数が非常に少ないため、統計学的に意味のある議論をすることはできない。

 

それでは、母数が比較的多かった東京を見てみるとどうだろう?東京都から応募した1次選考通過者のうち、37.2%の人が2次選考に通過している。これまで行われてきた異能vationの1次選考通過者の総計は112名で2次通過者の数は34名であるため、平均すると約31%となる。東京の数値は、若干高いのかもしれない。(統計的検定は面倒なのでしません。興味があればご自分でどうぞ)

 

異能vationのケンミンSHOWの考察

 

これまで、都道府県という環境の違いが、異能vationの「変な人」たちの出現に影響を与えているかどうかを示すデータをまとめてみた。そのデータから考察できることをこれから議論してみようと思う。

 

まず、1次選考・2次選考ともに、東京都の異能vation選考通過率が高いことは示唆できる(図1~4)。東京都の高い通過率の原因がどこにあるかは分からないが、一般的に考えてみると、3つの可能性があると思う(別の可能性を否定するわけではありませんよ)。

 

可能性1:東京都は異能を生みやすい環境である

東京には様々な環境が用意されている。自然もあれば大都会という部分もある。日本人だけでなく異国の文化を持つ人と触れ合う機会も劇的に多い環境である。この環境の多様性が、異能vationに値するようなアイデアを生み出している可能性がある。それだけでなく、異能な人が東京の環境に魅かれて住み始める可能性もある。

 

可能性2:異能vationの意義を理解している人が多い

東京に住むだけで、総務省がやっている異能vationのプログラムのことを知る機会が多くなり、どのようなアイデアが求められているかを理解できている可能性がある。それに対し、異能vationの内容がよく知られていない県に住んでいる人は、異能vationを良く理解せずに「ただ」応募している可能性がある。異能vationの意義の理解度の違いが、人口比の通過者数に影響を与えているのかもしれない。

 

可能性3:異能vationのアイデアが目につきやすい

異能vationの選考員であるスーパーバイザーは東京で活動している人が多い。このことは、東京発のアイデアが過去に、スーパーバイザーの目に触れて脳裏に残っている可能性があるということだ。人は潜在的に親和性のあるものを選択することが分かっている(参考文献)。そのため、過去の知識が選考に影響を与える可能性を否定することはできない。ただ、異能vationの選考は、応募者の名前が伏せられた状態で行われるため、スーパーバイザーの知り合いだから優先的に通過することは理論上ない。それでも、応募者とスーパーバイザーが知り合いで、応募者のアイデアがスーパーバイザーにとって親和性の高いものであれば、そのアイデアが選考通過する確率は高くなるかもしれない。この可能性を調べるには、スーパーバイザーが選考以前にそのアイデアを知っていたかをアンケートで確かめればいい。

 

異能vationの通過者がいない都道府県

 

これまで、異能vationの通過者を輩出している都道府県に注目してきた。最後に、通過者が全くいない都道府県がどこなのかを見て終わりにしたいと思う。異能vationの1次選考通過者がひとりもいない都道府県は、つぎの24か所である。

青森県
山形県
福島県
栃木県
群馬県
新潟県
富山県
福井県
山梨県
岐阜県
静岡県
三重県
和歌山県
鳥取県
島根県
岡山県
山口県
徳島県
愛媛県
高知県
佐賀県
長崎県
熊本県
沖縄県

 

異能vationがこれからも行われれば、すべての都道府県から通過者が出てくることは予想される。しかし、万が一、選考通過者がでてこない都道府県があるとしたら、そこにはとんでもなく貴重な知見が隠されている可能性がある。異能vationが起こらない環境が分かれば、異能vationを起こせる環境を作為的に作れるかもしれない。そんなことも考えながら、異能vationの動向を注意深く見守っていきたい。

 

出典:まとめNAVER

 

 

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異能vation、の応募数がヤバいらしい

  今日は、2017年8月4日。   変な人を政府が支援するプログラム「異能vation」の締め切り(6月30日)から約1か月の時間が経つことになる。予定によれば、1次選考の結果が出るのが今月8月の中旬だという。   年 時期 内容 平成29年 5月22日(月) 公募開始 受付期間:5月22日(月) 11:00 〜 6月30日(金) 18:00 6月30日(金) 公募終了 8月中旬 一次選考 一次選考通過者の発表 9月末 最終選考 最終選考通過者の発表 平成30年 3月 「スプリングスクール」(成果発表など) 8月中旬頃 終了評価 出典:異能vation   ぼくは異能vationに2つの角度からアプローチしている。ひとつは応募者として。もうひとつは協賛企業として。どちらも同じぐらい情熱を傾けられるものなので、ぼくはとてもワクワクしている。   応募は締め切りを過ぎてしまったので、今のぼくができることと言えば、2次面接の練習と、申請書を読むぐらいである。ところが、申請書を今か今かと心待ちにしているのだが、未だに応募内容が手元に届いていない。   もしかしたら、ぼくの会社の連絡先が取りこぼされていて申請書が届いていないのではないかと心配になり、本部に連絡して聞いてみると、こんなメールが返ってきた。   まだ応募数などを正式に発表できる段階ではありませんが、予想をはるかに上回る応募があったため、準備が予定よりも遅れている状況でございます。(また)ご連絡先から漏れているわけではありませんので、その点はご安心ください。   おお、異能vationが盛況であるという!!応募者にとっては競争率が上がることになるのであまり嬉しいニュースではないのかもしれないが、協賛企業としては様々なアイデアに触れる機会が増えるため実に喜ばしい事である。連絡の不備ではないことが分かり安心した。   ただ、手元に申請書が無い以上、ぼくにできることは何もない。しくしく。そこで、興味がすこしある「予想をはるかに上回る応募者数」がどれぐらいなのか予想してみようと思う。予測してみるパラメーターは次の4つである。   応募数 増加数 1次選考の倍率 2次選考の倍率   1.応募数   図1:異能vationの応募数(2017年度は予想値)   2014~2016年度の応募数を図表に表し、そこから2017年度の応募数を予想してみる。過去3年間の傾向を考慮すると、約1500人の応募数があることが予想される。   2.増加数   図2:異能vationの応募数の増加率(2017年度は予想値)   2014年度の応募数(710件)を基準にし、増加率が年ごとにどう変化しているかを計算し、2017年度を予想すると、約2.1倍の増加率になる。   3.1次選考の倍率   図3:異能vationの1次選考の倍率(2017年度は予想値)   2014~2016年度の1次選考の倍率を図表に表し、そこから2017年度の倍率を予想してみる。過去3年間の傾向を考慮すると、1次選考の倍率は約51倍になることが予想される。   4.2次選考の倍率   図4:異能vationの2次選考の倍率(2017年度は予想値)   2014~2016年度の2次選考の倍率を図表に表し、そこから2017年度の倍率を予想してみる。過去3年間の傾向を考慮すると、2次選考の倍率は約150倍になることが予想される。   しかし、しかし、である   前年度までの数値をもとに、次のような予想値を計算してきた。 応募数=1500件 増加率=2.1倍 1次選考の倍率=51倍 2次選考の倍率=150倍   しかし、これはあくまで「予想できる数値」である。本部によれば、応募数は「予想をはるかに上回る」ものであるらしい。特に根拠があるわけではないが、異能vationの認知度が毎年上がっていることを考えると、 応募数=約2100件 増加率=約3.0倍 1次選考の倍率=70倍 2次選考の倍率=210倍 ぐらいになっているのかもしれない。   申請書を読まれているスーパーバイザーの皆様お疲れ様です。もしかしたら、応募数があまりにも膨大すぎで新しいスーパーバイザーが必要になるかもしれませんね。そんな時は、ぼくでよければ一声ください、って無理?   ジェネレーションアワードは??   上記の応募数の予測は、あくまで破壊的挑戦部門についてである。それでは、2017年から新設されたジェネレーションアワード部門の応募数はどれぐらいになると予想されるのか?   これは憶測にすぎないのだが、申請書の文字制限からジェネレーションアワード部門の応募数を予測してみたいと思う。破壊的挑戦部門の申請書は約2400文字ぐらい(←大目?)で書けるのに対し、ジェネレーション部門の文字制限は600文字である。単純計算をすると、文字数が4分の1(25%)になるため、応募数は4倍になると予測される。   破壊的挑戦部門で算出した応募数(1500~2100件)の4倍は・・・6000~8400件である。これはトンデモナイ応募数だ。もしこれが実際の応募数であったとすると、異能vationの今後の選考のシステムが大きく変わる可能性がある。というのも、8人のスーパーバイザーだけでこの数の応募をさばくのは現実的ではないからだ。   少数の選考員だけでさばこうとすると、残念ながら、全ての応募内容に目を通すことはなくなるだろう。スーパーバイザーが目を通すか・通さないかの決定打は、タイトルの魅力だけとなる(ああ、もっと面白いタイトルにしとくべきだった・・・)。どんなに魅力的な概要を書いていたとしても、タイトルが面白くなければ簡単に落選してしまう、ということが実際に起こるかもしれない。   異能vationの選考方法が変わる?   これは個人的な予想だが、異能vationの選考のためにAIが使われる時代がもうそこまで来ているのかもしれない。例えば、すべての申請書の文章の類似性を計算し、できるだけ類似性の低いものから優先的に読まれるとか・・・。でもそんなことされたら、同じような内容で8つの申請書を書いているぼくは真っ先に落選してしまう。   AIが選考に使われたと仮定すると、応募者もAIを使って申請書を書くようになるだろう。どんなアイデアが生まれるのか・選考されるのか予想もつかないが、これまでとは違ったものが生まれるかもしれない。生まれないかもしれない。   異能vationの選考がどのように変化していくのか、とても興味深い問題である。そして、この問題は、異能vationだけでなく、受験、就職、お見合いなど、すべての選考プロセスに変化を与えるかもしれない。    

最年少7段将棋棋士、天才・藤井聡太に脳科学が迫る

  ぼくはオーストラリアに移住する前、日本の理化学研究所・脳科学総合研究センター(通称 RIKEN BSI)で働いていた(糸原重美先生には、大変お世話になりました)。そのときのことを書籍にしたのが著書「サイエンティストのお仕事」である。   「サイエンティストのお仕事」 RIKEN BSIには面白い研究者がたくさんいる。そのなかでも、中谷裕教さん(東京大学大学院総合文化研究科 進化認知科学研究センター 助教)はダントツでぼくの記憶に残っている。中谷さんとの思い出は、上の書籍で語っているため控えるが、その中谷さんが最近とてもタイムリーな書籍を出版された。   中谷さんの書籍のテーマは、将棋である。そして、書籍のタイトルは 「次の一手」はどう決まるか である。   巷では、藤井聡太氏(15歳)が最年少で7段に昇段したことが話題になっているが、中谷裕教さんは、藤井聡太氏が注目されるずっと以前から、羽生善治氏のような天才将棋棋士たちの脳を研究し、天才と凡人を分けるものがどこから生まれているのか?ということを研究している。   中谷裕教さんの研究は、【対談】脳科学者なかたにひろのり x ごとうひろみち「英語の達人にあるためのヒント」でも触れられている。   https://youtu.be/Fg08PCU06-g   天才の脳は、凡人の脳と違うのか?違うなら、どこがどう違うのか?そんなことに興味があるあなたは、この書籍を手に取って読んでみてほしい。    

ぐれたグレタさんをぼくが応援する3つの理由

  気候変動と人間生活 気候変動が及ぼす影響は、地球上の生態系の隅々にまで及ぶ。気候変動は、人間生活の変化だけでなく、食物連鎖の断裂、地質の劣化など、様々な変化を引き起こす。 気候が変動することそのものは自然なことである(四季があるように)。しかし、人間の経済活動が引き起こす地球温暖化がいずれ人間生活そのものを持続不可能なものにする、ということが多岐にわたる科学者たちによって叫ばれている。簡単に言うと、現状維持だといずれ破綻するかもしれないよ、という声がたくさんの科学者から上がっているのだ。   科学者と一般人のギャップ 残念ながら、科学者たちの声は一般の人たちになかなか届かない。その原因の一つに、科学者たちが自分たちの研究の時間を失うことを嫌い「データを見せるから自分で解釈してね」と丸投げすることがある。そしてもうひとつの原因に、現代のほとんどの人たちがデータやメソッドを読むことよりも結論だけを求めることがある。「データ」だけを提示する科学者と「結論」だけを求める一般人の間にギャップがあるのだ。   ギャップを埋める政治 そんな科学者と一般の人たちの間のギャップの橋渡しに大きな役割を果たしたのが、政治である。地球温暖化を政治的な舞台に上げたはアメリカ大統領選挙に出馬したアル・ゴア氏である。映画『不都合な真実』をご覧になった方も少なくないと思う。   https://www.youtube.com/watch?v=0yg8uwaC4Xk   政治嫌いがやる誤った判断 政治は、たくさんの人に声を届け問題を認識してもらい、問題解決のためにグループや企業に支援を行うという点で、とても重要である。 しかし、政治に根拠のない嫌悪感を覚える人の中に、気候変動が政治的に利用されているから気候変動は嘘だと誤って判断してしまうがいる(かなりの数で)。そうすることで自分のマインドを政治的なマインドコントロールから守ろうとしているのかもしれない。 残念ながら、そんなことをしても政治的なマインドコントロールどころか人間生活の破綻から身を守ることはできない。政治的議論から目をそらしても気候変動そのものの存在は消えないし、気候変動が人間生活の破綻を起こしてからでは、時すでに遅し、だからだ。   科学的データが示すこと ぼくがここで主張したいことは政治を無視するなということではない。気候変動を無視するなということである。あなたがどんな政治的思想を持っていたとしても、気候変動を示す科学的データは変わらない。民主主義の人が読んでも、社会主義の人が読んでも、共産主義の人が読んでも、科学的データそのものは変わらない。 現時点での科学的データが示すことは、この記事の冒頭で書いたように、人間の経済活動によって引き起こされる気候変動が原因で、いずれ人間生活が持続不可能なものになる、という可能性である。 ぼく個人的には、科学的データがいまのままで問題ないよと示すのであれば、気候変動に取り組まなくてもいいと判断する。しかし、現時点での科学的データが、このままじゃ人間生活破綻するんじゃね?ということを右から左から、下から上から、訴えてくるので、気候変動は重要な問題であると判断しているだけである。   気候変動に取り組む活動家 グレタ・トゥーンベリ 2018年の後半、この気候変動の問題に取り組む、ある活動家が世界中で有名になった。その活動家の名前は、グレタ・トゥーンベリ(以下グレタさん)。   ぐれたグレタさん グレタさんが活動を始めたのは時若干15歳の時。気候変動のための学校ストライキを行い、自国のスウェーデンスの国会議会の外で、気候変動に取り組むことを訴えたことがメディアなどで大きく取り上げられた。 グレタさんは、自分は学校に行って多くのことを学びたいのに気候変動に取り組まなければ自分たちも未来の子供たちも学校に行くことすらできない、という声を上げ、気候変動の活動を始めた。グレタさんのことをWikipediaで読むだけでもとても面白い。(事実の真偽は別にして) https://www.youtube.com/watch?v=KAJsdgTPJpU   ぐれたグレタさんをぼくが応援する3つの理由 行きたい学校へ行かずに気候変動の活動を始めた「ぐれたグレタさん」を、ぼくが応援する理由は3つある。   理由①科学データに基づいて行動していること グレタさんは、気候変動活動の根拠を科学データに置いている。 科学データを絶対視せずに実験手法を批判的に読むことのほうが大事ではあるが、多くの科学者たちの独立したデータが示唆する「人間の経済活動によって引き起こされる気候変動が原因でいずれ人間生活が持続不可能なものになるという可能性」は現時点ではかなり説得力がある。 強い根拠に基づいて行動することは問題解決につながるため、グレタさんの気候変動活動は奨励されるべきことである。問題を解決するには、根拠を持たないよりは持ったほうがいいし、行動しないよりは行動をしたほうがいい。根拠と行動が伴ったグレタさんを応援するのは自然なことである。 ちなみに、グレタさんは学校に行かずに「ぐれた」が、会社を休んで気候変動に取り組むぐれた社会人(ぐれた老人になるにはどうすればいいんだろう?)がいても、ぼくは応援すると思う。ただ、学生と大人だと、社会で果たす責任の大きさが全く違うので、大人の場合は批判される度合いがもっと大きなものになることは容易に想像できる。   理由②精神疾患の社会的立場の創出に貢献していること グレタさんは、アスペルガー症候群 、強迫性障害 、選択的無言症を患っている、と言われている。   https://www.youtube.com/watch?v=EAmmUIEsN9A   現代社会における精神疾患の一般的な扱いは、床に落ちたごみのようなもので、カーペットの下に掃いておけば見えなくなってそれで解決できると思っている人が少なくない。それでは、ユダヤ人が虐殺されたヒトラーのナチズム、中国人が虐殺された満州事変、ツチ族が殺されたルワンダ虐殺と、何の変りもない。 精神疾患はまだまだ分からないことが多く、健常者(どんな人を指すのかわからないけど、たぶん精神疾患をカーペットの下に掃く人)が持っていない能力が精神疾患患者には眠っているかもしれないと考える人もいる。 例えば、グレタさんが患っているアスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害とも言われる)は、社会に大きな革命を起こした著名人の多くが患っている(いた)と言われている(その根拠がどこにあるのかわかりませんが、興味がある人はアスペルガー症候群を患う著名人のリストをどうぞ)。 アスペルガー症候群の能力は世界をより豊かにしてくれるという発想は、アスペルガー症候群は床の上のごみという考え方に比べてより許容的で、社会に多様性を生み出してくれる。   精神疾患、健常者、そのほかの脳の多様性(例えば男女の脳)を生かした社会を作ろうという発想を Neurodiversity という。まだまだエセ科学的なものが多いが、この研究が進めば社会だけでなく環境もより良くなるはずである。というのも、Neurodiversityを発展させると、人間だけでなくそのほかの動植物にもその考え方を適用できるからだ。 精神疾患を患うグレタさんが自分の能力を発揮して社会において大きな役割を果たすことは、いまの患者さんやこれから生まれる患者さんへの新たな社会的意義の開拓になる。だから、この点においても、ぼくはグレタさんを応援している。   理由③気候変動が及ぼす影響は未来の子供たちにまで届くこと ぼくがグレタさんを応援するのは子供だからだと批判されたことがある。行動する若者を応援したくなるのはぼくの偏った価値観であることは否定しない。財力や人のつながりが大人に比べて少ない若者が現代社会で、自分の中から湧き出てくる信念を貫いて行動し続けることは並大抵のことではないのだ。 しかし、ぼくがグレタさんを応援するのは、彼女が若者であるということ以前に気候変動に取り組む活動家であるという事実がある。もし彼女が科学的に根拠がない「HPVワクチンはてんかんを起こすから予防ワクチン反対」という活動をしていたら糾弾するだろう。 気候変動の活動家が若者であれ老人であれ、科学的なデータに「人間の経済活動によって引き起こされる気候変動が原因でいずれ人間生活が持続不可能なものになるという可能性」が強く示唆されている以上、ぼくが気候変動の活動を応援するのは理性的な判断である。 大切なのでもう一度言います。気候変動の活動家が、ぐれた若者であれ、ぐれた社会人であれ、ぐれた老人であれ、強い根拠に基づいて行動する活動家をぼくは応援します。   ぼくは遅かれ早かれ死ぬ。この記事を読んでいるあなたもそうです。自分たちの子供たち、そしてその次の子供たち、またその次の子供たちがどんな社会に住むようになるのかはわからない。人間は適応能力が高いので、今とはある程度違った自然環境・社会環境でも力強く生きていくことができるだろう。しかし、いま行われている人間の経済活動によって引き起こされる気候変動のせいで未来の人間生活が持続不可能なものになってしまうのは食い止めなければならない。   そんなことを考えながらこんなブログ記事を書いて、毎日病院に出ては患者さんのケアに全力を注いでいる。  

異能vation、の説明会に行ってきた

  記事「日本政府が「変な人」を支援するプログラム、に応募します」にて、異能vationの説明をしました。簡単に言うと、「変な人」を政府が支援するプログラムです。   このプログラムに応募することを宣言しましたが、申請書を書くうえで、どうしても明らかにしておきたいことがあったので、異能vationの説明会に行ってきた。   会場   福岡での説明会は、2017年6月14日(水)に博多駅前のTKP博多駅前シティセンターで行われた。   会場には異能vationに関心を持った人がたくさんいて、報道陣もいるものだと想像していた。だから、ぼくは受付開始時間13:30分の5分前に到着して手続きを済ませようとした。しかし、会場に行ってみると、報道陣どころか聴衆者もいない。   13時30分から受付を始めますから、と関係者の方から再度戻ってくるように促された。コンビニでメントス(コーラ味)を買って、会場に戻ってくると、なんと・・・30台のテレビカメラのほかに、マイクを手に取ったレポーターが50人も押し寄せている・・・   なんてことは無く、ぼくの前に到着していた聴衆者のひとりが、関係者と登録の手続きをしているところだった。報道陣の姿はない。   平日(水ようびの14時開始)だとはいえ、異能プログラムは魅力的なプロジェクトなので、ぼくが学生だったら学校をズル休み、社会人だったら仮病を使ってまで参加するんだけどなぁ。(今現在はニートですから、行かない理由がありません!)   プレゼンター   説明会の発表をしてくれたのは、福田正さんだった。   出典:日経テクノロジー   福田正さんのプロフィールは、日経テクノロジーにてこのように説明されている。   角川デジックス 代表取締役社長 1961年,大阪府生まれ。米Boston College卒業。コンピュータ・サイエンスを学ぶ。食品メーカーを経て,障害者のコンピュータ利用の支援事業などにかかわる。2000年2月の角川デジックスの設立時に代表取締役専務に就任,2003年10月より現職。2004年10月よりウォーカープラス(現・角川クロスメディア)取締役,2007年4月より角川モバイル 取締役を兼任。同年10月,角川グループによる米BitTorrent, Inc.への出資に伴い,BitTorrent 日本法人の取締役も兼任している。   福田さんの印象は「おもろいおっちゃん」だった。MITの利根川進先生からも感じたことがある「バイタリティ」を福田さんからも感じた。     福田さんは説明会にて、プログラムへの情熱と可能性を忌憚なく語ってくれた。また、内部の方しか知ることができない面白話をユーモアたっぷりに話してくれて、説明会に来た応募者を大いに勇気づけてくれた。   説明会への参加の有無は、応募の合否に関係が無い。しかし、説明してくれる人が「おもしろい人」であることを知っているだけで、説明会への参加は十分に価値がある。(ぼくは「つまらない人間」なので、つねに「おもしろい人間」に出会って、刺激を受けることを欲しているのです)   福田さんからの熱いメッセージ   ぼくは説明会の後に、申請書について分からない箇所について質問をした。質問の内容をここで書くよりも、福田さんの答えを書いた方が読者にとって役に立つので記します。   応募書類の書き方はあくまで参考程度にしておいて、破壊的な挑戦をアピールできるのであれば、(ほぼ)なんでもいい、というものです。破壊しようとする人が、型にはまる必要はない、という熱いメッセージでした。   熱いメッセージに勇気をもらったぼくだが、たくさんの方が質問できるように、あまり出しゃばらないように気を付けていた。でも、結局質問したのは、ぼくと、となりの机に座っていた男性だけだった(ふたりとも一番前の机に座っていた、真面目か!)。   異能vationの裏の顔   他の人は何のために来たのだろうと不思議に思っていたのだが、帰り際にその答えが見つかった。   聴衆者はひとりずつ、福田さんに直接挨拶をして自分の名刺を渡しているのだ。   説明会には、ぼくみたいに応募する人だけではなく、異能vationとかかわりを持ってビジネスを大きくしたい人も参加しているのだ。異能vationは、「変な人」が集うイベントであると同時に、企業が事業拡大を図れる絶好の機会なのだ、ということを理解した説明会であった。   東京で行われた説明会の映像   https://www.youtube.com/watch?v=L9NtQfVv3Ek    

【対談】脳科学者なかたにひろのりxごとうひろみち「英語の達人になるためのヒント」

  ぼくは、オーストラリアに永住するまで、日本の理化学研究所脳科学総合研究センターで働いていた。ぼくが「日本人の英語を変える」という夢を持ち始めたきっかけは、大学院生、テクニカルスタッフ、研究員を対象におこなっていた英語クラスである。(詳しくは拙著「サイエンティストのお仕事」を参照ください。いまなら無料プレゼント中)   悲しいことに、ぼくが「日本人の英語を変える」という夢を語ると、ほとんどの人が興味を持たないか、「そんなの無理だよ」という憐みの表情でぼくを見つめる。それでも、自分を信じて活動を続けていると、少ないながらも、応援してくれる人がいる。そのなかでも、理研時代の友人であり脳科学者でもある「なかたにひろのりさん」は、仕事を辞めた後も交流を続け「英語教育」に関する貴重なアドバイスを与え続けてくれる方である。   なかたにさん本人の希望で詳しいプロフィールには触れないが、なかたにさんがおこなっている「プロ将棋士の脳研究」は新聞でも紹介されているので、「あぁ、あのなかたにさん、か」と思われる方も多いのではないだろうか。   出典:毎日新聞   今回の記事は、「なかたにさん」と語り合った、達人の脳の研究から見えてくる「英語の達人になるためのヒント」をここで公開しようと思う。ぜひとも、対談をご覧になっていただき、英語の達人になるヒントを得ていただけたら幸いである。対談の内容をさらに強化するための「最強英語勉強法」も期間限定で無料プレゼントしているので、こちらも早めにゲットされることをお勧めしたい。   【対談】なかたにひろのりxごとうひろみち「英語の達人になるためのヒント」 https://www.youtube.com/watch?v=Fg08PCU06-g ↑↑ボリュームが小さめです↑↑   毎日新聞記事のリンク 将棋の「天才」の育て方 長期の訓練で「直観」成長 https://mainichi.jp/articles/20171019/ddm/016/040/012000c   サイエンス誌の論文のリンク The neural basis of intuitive best next-move generation in board game experts. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21252348   Think Differentの動画 https://www.youtube.com/watch?v=GEPhLqwKo6g   対談に関する質問や感想は、下のコメント欄にどうぞ。  

異能vation、破壊的な挑戦部門の一次選考通過者

  世界的なイノーベンションを起こせる人材を日本政府がサポートする「異能vation」の破壊的な挑戦部門の一次選考通過者が発表された。今年は、アメリカのカルフォルニア、中国の北京から通過者が出ており、異能vationへの世界からの注目が高まっていることを示す形となった。   以下、通過者と技術課題名の一覧。   一次選考通過者 技術課題名 以下の技術課題名が一次選考通過となりました。(五十音順) ※技術課題名と氏名は本人が公表用として申告してきたものです   技術課題名 ※ 都道府県 氏名 ※ 実世界プライバシー保護を目的とした「写らせないんです」システムの構築 大阪府 青砥 隆仁 * 物体内部の理解を目的とした次世代計測装置の開発 大阪府 青砥 隆仁 * <語り>による認知症早期診断技術 奈良県 荒牧 英治 高度なインタラクションを可能にするセマンティックARのための環境識別技術の開発 米国・カリフォルニア あるしおうね 折り紙技術を用いた高さ30メートルの段ボール製組立式巨大半球状ドームスタジアム造り 千葉県 上地 政己 スーパーエコロジー・インターネット〜TCP/IPをぶっ壊せ!〜 福島県 内海 哲史 対戦相手に絶対に振り込まない麻雀コンピュータの開発 東京都 大川内 隆朗 心の声を聴く、聴“心”器の開発 熊本県 小川 晋平 ナラティブ的認知に注目したトレーディングカードゲーム要素を用いたプログラミング技能習得支援 栃木県 小川 充洋 ウェアラブルミュージックプロジェクト "着る楽器"の演奏技法の開発と作曲 神奈川県 かおりんぐマシン 既存のBLE IoTデバイスをインターネットにつなげるゲートウェイの開発 東京都 小林 隆仁 次世代水産海洋情報サービスシステム「トレダス-X」の開発 北海道 齊藤 誠一 人間が乗り込み操縦する、巨大人型ロボットの実現に向けて、二足歩行技術の研究 大阪府 坂本 元 OTON GLASS-読む能力を拡張するスマートグラス-におけるインターフェースとサービスの研究開発 東京都 島影 圭佑 Fall In Friends 東京都 霜田 哲之介 Acoustic...

衝撃映像、顔赤らめながら公開

  ぼくはオーストラリアで医者の仕事をしながら、実は、日本政府の総務省が行っている異能vationに協賛企業として参加するという別の顔も持っている。ぼくの会社は「日本人の英語をネイティブにする」ことをゴールにビジネスを展開している。   99%の日本人が英語試験の点数を上げることに躍起になっているなか、ぼくは15年近くにわたって民間の英語試験の点数を上げても英語で夢を叶えることはできませんよ、と警鐘を鳴らし続けている。   現状を批判するアプローチだけではつまらないので、現状を打破し「日本人の英語をネイティブにする」アイデアに賞を授与する活動も行っている。   ところで、ジェネレーションアワードの企業特別賞のなかに、SPELL MASTER スペルマスター : 「英語学習」を「魔法学習」へ変える魔法陣 というものがあったのを、あなたは気づいただろうか?     ぼくはこの作品を見たときに、その可能性に一目惚れしてしまった。ちなみに、授賞理由はこう書いている。 SPELL MASTER スペルマスター : 「英語学習」を「魔法学習」へ変える魔法陣 は、子供たちが生来的に持つ冒険心と夢見る心を育みながら、日本人(英語ノンネイティブ)でも英語を使って自分の夢を実現できるのだと信じられる大人へと成長させる可能性を秘めた、まだ世に出ていない魔術師的ツール。 子供たちが英語に持つ感情を大きく変えてくれる、と直感したのだ。   https://www.youtube.com/watch?v=eawi7FTXHug   現在のところ商品化には至っていないが、ぼくは何かを生み出そうとしている若い人に何かしらの支援をしようと思い、この度僭越ながら異能vationのジェネレーションアワードの企業特別賞を通じて、「日本人の英語をネイティブにする賞 - iTELLian Award」を授与させていただいた。 ほぼ100%の参加者がスーツ姿で出席する中、ぼくだけが医者のコスプレをして授賞式に参加するという衝撃映像がこちら(実際医者だけど、オーストラリアでは白衣を着る医者はほとんどいません)。来年は、ナースにしてみようかなぁ。   授賞式が開催されている間、共同受賞者のわたなべきよたか君(中央)と色々お話をさせていただいた。また、右端の上田学さん(超、気さく)とも知り合いになり、日本人の英語をアップデートするためのアイデアを議論させていただいた。   ちなみに、共同受賞者のわたなべきよたか君の背後にある「異能vation」は、書家師範・石川溪雨さんが潤筆したもの。少しだけお話をさせていただいたが、興味深い研究をされている面白い方だった。 書家師範・石川溪雨 出典:異能vation   話をしてみたい人がもっといたが、イベントそのものの時間がどうしても足りないのと、異能な方たちはもっと時間が無いのか、異能vationの会場をさっさと退場されていた。来年は、Yes!で同じみの高須克彌先生にご挨拶したい。   😃✌️ https://t.co/NV6jzuMhgp — 高須克弥 (@katsuyatakasu) October 31, 2019    
ごとうひろみち
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『高校中退⇒豪州で医者』をいつも読んでいただき誠にありがとうございます。著者・ごとうひろみちに興味を持ってくれたあなたのために、詳しい自己紹介を←ここでしていますので、どうぞご覧ください。

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ぼくは高校英語が理解できなかった。そんなぼくがどうやってオーストラリアで医者になれたのか?この物語を読めば、あなたにも英語で夢を叶えるヒントが見つかるかも。

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日本人が海外医学部で一番苦労する(だろう)こと

  最近、ぼくはブログの中で、異能vationに応募したことや、英語コンサルを行っていること、ビジネスを学んでいることを、心赴くままに綴ってきた。この3つのことはすべて、ぼくが持っている「日本人の英語を変える、ノンネイティブの英語を変える」という英語ドリームを叶えるためである。この夢を叶えるには時間と労力がかかることは理解しているし、一朝一夕に実現できることではない。だからこそ、ぼくは医学部を1年間休学することを選択したのだ。   それでも、時間は、ぼくの人生から無表情に削り取られてゆく。   これまでのように、英語ドリームに時間と労力をかけることはできなくなっている。というのも、ぼくにはもうひとつの夢があるからだ。それはオーストラリアで温かい医者になるという夢だ。2018年には、西オーストラリア大学の医学部に戻り、医学の勉強を再開しなければならない。それも、医学部の最終学年であり、これまでの知識とスキルをしっかりと身に付けて、最終試験をパスしなければならない。   医学の知識とスキルは、使い続けていなければ、一気に頭の中から消えていってしまう。そのスピードたるや、頭の中の消しゴムどころの話ではない。誰かが巨大な業務用掃除機で、ぼくの頭の中にある知識とスキルを、けたたましい轟音とともに吸い取っていくレベルである。   https://www.youtube.com/watch?v=HOhgP4fEx6s   ↓次のページに続く     あなたも学校でこんな経験をしたことが無いだろうか?あなたは学校の試験のためにたくさん勉強する。それでも、試験が終わり会場を後にした瞬間、詰め込んだ知識がふわぁ~と頭から抜けて、もう一回試験を受けたとしてもパスする自信がない、みたいな経験が。ぼくは毎回の試験で経験します。   試験が終わってから数分~数時間しか経っていないのに、詰め込んだ知識が指先からこぼれていく感じがするのに、これが1年間だとどうなるのか?   はい、正直に言います。ヤバいです。留年確実です。何もしなければ。   https://www.youtube.com/watch?v=ZrSH_TsRsec   ということで、ぼくは日本での残された時間を少しずつ、医学の勉強に使い始めようと思っています。それもかなり効果的な戦略を練らないと、1年休学した後遺症のせいで留年が決定してしまうので、日本でできることから始めようと思います。しかも、自分の苦手分野と対峙することにします。   ぼくは医学部で筆記試験を落としたことはない。もちろん、たくさん勉強して四苦八苦するのは事実だが、筆記試験が苦手だと思ったことはない。筆記試験は、医学部が用意しているガイドラインの意図を読み取ることができれば、落とすことはない。高得点は取れないかもしれないが、落とすことはない。と思う。多分。恐らく。     しかし、ぼくには、逃げ出したくなるほど苦手なものがある。それは、医療現場におけるコミュニケーション技能である。コミュニケーション能力は、問診(History-taking)、身体検査(Physical examination)、医療検査(Investigation)、医学的管理(Management)、医療チームへの報告(Presentation)、などにおいて文字通り患者の生死にかかわる重要なスキルである。コミュニケーション能力が低いせいで医療ミスが起こることを、医学生は頭に叩き込まれる(参考文献)。   特に患者さんとのコミュニケーションが大事なことは、尊敬するオリバー・サックス氏だけでなく、医療器具に頼りすぎる若い医師たちを危惧する先輩方の医師が口をそろえて言うことである。   https://www.youtube.com/watch?v=8LZJz7GtJA0 動画でよく出てくるLVADは、Left Ventricular Assist Deviceの略(参照資料)   実は、このコミュニケーション能力が、ぼくが最も苦手とするものである。内向的な性格もひとつの要因ではあるが、苦手意識を作り出している一番の要因が「英語の壁」だと思う。英語ネイティブではない事に対する負い目みたいなものである。しかし、この負い目は、ぼくが頭の中で作り上げている「心理的虚構」にすぎないことにぼくはうすうす気づいている。できなくてもしょうがないという言い訳を作っているようなものではないかと。   もちろん、ネイティブの同級生に比べれば、ぼくは彼らの英語の表現の幅や奥ゆかしさには到底敵わない。しかし、医学において大事なのは、患者さんとコミュニケーションを取ることであって、英語の表現の幅や奥ゆかしさを競い合うものではない。とぼくは自分に言い聞かせることにした。←これが日本でできる一番目のこと。     次に、ぼくは医療現場における英語表現に慣れていないという事実。同じ英語であっても、働く現場によって使われる表現が微妙に変わることは当たり前で、とくにプライバシーや尊厳が重要視される医療現場の英語は、パブや家で話されているものとは違うものだ。この微妙に違う言葉遣いにぼくが慣れていないのだ。だから、医療現場に立つと医者や医療スタッフが何を言っているのか分からないし、何を言えばいいのか分からないのだ。   医療現場の英語表現に慣れるために、日本にいるぼくができることは何か?   いきなり近所の大学病院に押しかけて外国の患者さんに対して英語でコミュニケーションをしてみるというのはどうだろうか?否。ぼくはオーストラリアの医学生であって、日本の医学生ではない。そんなことをしていたら、書類送検でとっ捕まってしまう。   https://www.youtube.com/watch?v=2ue_wRn-Ke8   現場で学ぶことが一番だが、それが無理なら書籍から学ぶしかない。と考えたぼくは、近所のジュンク堂や丸善、紀伊国屋を周り、自分のためになりそうな本を探し回った。     そのなかでも、置かれていた医療英語の書籍をすべて立読みし、そのなかでも自分の学習のためになりそうな9つの書籍を購入した。まだ書籍を読み終わったわけではないので内容には触れないが、それぞれ違った角度から「医療現場で使われる英語」を紹介している。   やさしい英語で外来診療〜聞きもらしのない問診のコツ   CDで学ぶ 外国人患者が来ても困らない 外来診療のための英会話   医師のための診療英会話   医師のための身体診察と検査の英語   医師のための医療面接の英語   CDで学ぶ医師のためのオールラウンド英会話   CD付き 正しく診断するための...

異能vation、の伊藤穰一さんが面白い

  変な人を日本政府がサポートするプログラム「異能vation」の2次面接の戦略と戦術を考えている。   記事「異能vation、の2次面接の練習を始めます」で触れたが、もしぼくの「破壊的な挑戦」の申請書が1次選考を通過すると、2次面接で3分間の面接・プレゼンを求められる(かもしれない)。面接・プレゼンを楽しむためにTED Talksやスティーブ・ジョブズ氏関連の書籍を参考にしながら、自分のプレゼンを組み立てている。   プレゼンの練習に疲れたので、何か別のことをしようと思い、近所のジュンク堂に行くことにした。家を出て上を見上げると、真っ青な湖面に白色の積乱雲が漂っている。こんな日は、この歌が自然に頭に流れてくる。   https://www.youtube.com/watch?v=PQXMU1A8CjI   書店に行く目的は、異能vationの方向性を決めているプログラムアドバイザーが日頃どんなことを考えているかを理解するためである。プログラムアドバイザーが異能vationの具体的な方向性に言及している書籍は無い(と思う)。しかし、プログラムアドバイザーがどんな思想を持って活動しているのかは著作を通して知ることができる。総務省はこの思想に魅力を感じてプログラムアドバイザーに選んでいるはずなので、プログラムアドバイザーの思想を知れば、異能vationの選考条件が自然に浮かんでくる(とぼくは青空を目で聞きながら夢想している)。   伊藤穰一(じょういち)さんの紹介   プログラムアドバイザーのリストに最初に来ている人物は、伊藤穰一(じょういち)(愛称はJoi)さんである。伊藤穰一さんのことはTEDを通じて存在を知っていたが、どんな思想・経歴をお持ちなのかぼくは全く知らなかった。   https://www.youtube.com/watch?v=LN6Vn-aqgFs   伊藤さんの経歴をWikipediaで調べてみると、おもわず笑ってしまった。     大学中退の学歴で、MITのメディアラボ所長になるって!現在は、博士号も取り、現実的な処世術としてMIT教授にもなっている(その時の話は、彼のブログ記事「教授になります」が面白い)(追記:現在、伊藤さんはジェフリー・エプスタイン関係の事件が原因でMITのメディアラボ所長を退職されています)   経歴の面白味は、それだけじゃないです。伊藤さんは、過去に六本木でナイトクラブを経営したり、DJだったり、IT会社を複数起業していたり、大企業の取締役をしていたり、赤ちゃん企業にスタートアップ投資するエンジェル投資家の顔も持っています。かと思えば、スキューバー・ダイビングの先生であったり、著名人を写真に収める写真家であったりもします(そのほかにも突っ込みどころが満載なのでWikipediaとその脚注・外部リンクの情報を読んでみてください。面白いに尽きます)   https://www.youtube.com/watch?v=Fbqib311QgA   伊藤穰一さんって、変な人でしょ?異能vationの最終選考者の竹内さんが、伊藤さんを「Joi = 神」と表現している理由がなんとなくわかったような気がします。   UCアーバイン校で人類学教授をしている伊藤瑞子さん(穰一さんの妹)との対談を聞いていると、穰一さんの異能ぶりを家族の視点から知ることもできます。   https://www.youtube.com/watch?v=P0CxCR9Uj60   伊藤穰一(じょういち)さんの書籍   伊藤穰一さんにHookedされてしまったぼくは、ジュンク堂におかれている彼の書籍をすべて買って読んでみた。           そのなかでも、異能vationの面接に役立ちそうな切り口を与えてくれたが、著書『9プリンシプルズ』である。書籍の内容は学術的であるため、ターゲット読者はおそらく知識人であると考えられるが、メッセージはシンプルである。書籍に書かれているメッセージとは、これからのネット時代においてイノベーションを起こしながら生き残るには9つのマインドセットが必要であるということだ。   1.権威より創発 2.プッシュよりプル 3.地図よりコンパス 4.安全よりリスク 5.従うより不服従 6.理論より実践 ...

加藤将太の次世代起業家育成セミナーを受ける前に知っておきたい13のこと

  加藤将太との出会い   ぼくは自分が叶えたい夢を実現するために、ビジネスを学ぶことを決意した(ぼくの夢はこんな夢)。お客さんを集めて、物を売った経験もないぼくは、つぎの3条件を満たすオンラインコースを探していた。 ずぶの素人でも始められる 自分の時間・ペースで学習できる 実績のある(つまり生徒が成功している)人が教えている   胡散臭いものばかりが氾濫するネット上を、ぼくは血眼になってビジネスの先生を探した。探すだけで数か月の時間が過ぎた。その時間で学んだことは、「手軽に」「これだけ」などのキーワードでビジネスを教えている人は信じられないということだった。 なぜなら、そこに、人生の荒波にもまれても生き伸びることができる人生哲学が感じられないからだ。どちらかと言えば、時代の隙間につけ入って、規制ができる前に稼ぎましょう、という半犯罪行為ともとらえられることを教えている。そんなことをやっていては、一時的に稼ぐことができたとしても、時間が立てば、収入はゼロになる。 生きていくために、「時代の隙間につけ入り、規制ができる前に稼ぐ」を繰り返すのも一つの人生哲学かもしれないが。でも、ぼくは自分の夢をかなえるために、手を変え品を変えるつもりはなく、どんな時代でもしっかりと立っていられるビジネスを学びたいと考えていた。その選択をしなければ、ぼくのビジネスの消費者にメリットを長期間にわたって与え続けられないからだ。 ネットでビジネスを教えている人の中で唯一、しっかりとした哲学を感じられたのが、加藤将太さんである。彼の人生哲学に同意するかどうかに関わらず、哲学に基づいて戦略を持った加藤さんに、ビジネスの教えを乞うことを考えることは自然なことだった。   加藤将太は3つの条件を満たしているのか?   人生哲学があることを感じたぼくは、次に自分自身に課した3つの条件を考えた。 ずぶの素人でも始められる 自分の時間・ペースで学習できる 実績のある(つまり生徒が成功している)人が教えている   (1)ずぶの素人でも始められるのか?   物を売ったことが無い、ビジネスのずぶの素人でも始められるのかどうかについて。答えを先に言うと、「ずぶの素人でも始められる」ということだ。その証拠は、ビジネスに関する知識がゼロであるぼくが、路頭に迷うことなく、ビジネスを学び続けられているという事実である。それだけではない。ぼくよりもずっと若い学生が、ビジネスの知識・経験ゼロの状態から学習を続けている。 「学習を続けている」という部分が大事である。なぜなら、誰だって「始めることはできる」からだ。NBA選手になるために練習を始めることは誰にでもできる。始めるだけなら、ぼくだってできる。でも、そのための練習を続けることは並大抵の人生哲学と戦略が無ければ、不可能である。加藤将太はそれを与えてくれる。   (2)自分の時間・ペースで学習できるのか?   答えは、「自分の時間・ペースで学習できる」である。これを実現しているのが、オンラインコースという形態である。ネットにアクセスすることができれば、自分が学習できる時間や場所から、ネット上のセミナーを閲覧したり、提供されている文書を読むことができるからだ。大学の講義のように、決められた時間に行かなければ学べないということが無いので、自分の生活にあったペースで学習を進めることができる。   (3)加藤将太の生徒は成功しているのか?   答えは、「加藤将太の生徒は成功している」である。加藤さんのページに掲載されている生徒さんは成功例の一部ではあるが、年商数億円を稼いでいる生徒もいる。その他にも、年商数千万の生徒さんがゴロゴロいる。 年商だけで成功は語れないが、ずぶの素人が自分の好きなことをビジネスにしてお金を稼いでいることを考えれば、「加藤将太の生徒は成功している」と言っていいだろう。   ここまでは、ぼくが加藤将太のセミナーを選んだ理由を書いてきたが、つぎに、加藤将太のを受けるかどうか迷っている人が本当に知りたい情報をここで話そうと思う。それは、セミナーを実際に受けている人が感じている、「良いところ」である。   良いところ   まずは、加藤さんの次世代起業家育成セミナーの良いところを紹介していこう。   (4)マインドの重要性を認識している   加藤さんのは、巷に氾濫する、小手先の技術を教えてお金を回収する「テクニック系」のビジネスコースではない。それよりも、ビジネスに必要なマインドを重要視している。 加藤さんのビジネスコースで感心したところは、セミナー受講者の「ビジネスマインド測定試験」がある点だ。この数値自体にどれだけの信頼性・再現性があるのかはまだ実証されていないものの、マインドを数値化しながらビジネスを教えている人は、加藤さん以外に誰もいない。 (学習を続けてもこのマインド数値が上がらない人には、全額返済してもらって学習をやめることができる。裏を返せば、加藤さんが「あなたはビジネスのマインドが身に付いていないから絶対失敗します。だから、お金はいらないので、セミナーにはまだ投資しないでください」という足きりをしているのだ。加藤さんの真剣さがうかがえる)   (5)学習者の挫折ポイントを知っている   加藤さんには多くの生徒さんがいる。そして、セミナーを受けた生徒さんの中から、成功する起業家と失敗する起業家がいることに気づいている。加藤さんは「なぜ同じことを学んでいるのに、挫折する人がいるのか?」ということを深く考えて、「挫折ポイント」なるものを明らかにしている。 この「挫折ポイント」はだれでも経験するものであるが、加藤さんが優れているところは、その挫折ポイントを回避・解決する方法を提供している点である。しかも、この挫折ポイントは、ビジネスだけでなく、人が新しいことを始めるの挫折ポイントでもある。その回避・解決法をしっているだけでも、あなたはビジネスだけでなくやりたいことに挫折しなくなるというメリットがある。 すべての挫折ポイントにはここで触れないが、だれでも思いつくものは「モチベーションの維持」である。何かを張り切って始めても、途中でモチベーションが下がってしまい、ゴール前にやめてしまうということ、あなたも経験があるのではないしょうか?(ぼくの人生は、そればかりです) 加藤さんは、このモチベーションを維持するための仕掛けをいくつも用意している。これまたすべての仕掛けを説明していたのでは、加藤さんの方も商売あがったりなので、ひとつの仕掛けを教えようと思う。その仕掛けとは、他の学習者の進歩状況がネット上で分かるというものだ。となりで一緒に頑張っている人の存在は、あなたのモチベーションを大きく高めてくれるものなのだ。一緒に頑張ってくれる人がいれば、わたし・ぼくも頑張れるのになぁ・・・と感じている人は多いはずである。   (6)コンテンツの量が多く、質も(おそらく)高い   次世代起業家育成セミナーで提供されているすべての動画の時間を計算してみると・・・約300時間である(追加コンテンツで増える可能性あり)。1日1時間を毎日続けても、動画を見終わるのに約300日かかるということである。動画だけではない。動画の説明をしている文書などを読むと、学習時間はさらに増える。ぼくのようなビジネスの素人が学習をしているということは、動画や文書を何度も見返す必要があるので、最低でも600時間の学習が必要になる。これはとんでもないコンテンツの量である。 次世代起業家育成セミナーの質に関して、(おそらく)高い、と書いたのには理由がある。それは、ぼく自身がずぶの素人でビジネスの知識も経験もないため、加藤さんのコンテンツの質を他のコンテンツと比較できないからである。 しかし、(おそらく)低いではなく、(おそらく)高い、と書いたのにもきちんとした理由がある。ぼくが次世代起業家育成セミナーの学習を進めるにつれて、「そういう考え方があるのか」と感心させられるだけでなく、「それを自分のビジネスに取り入れてみたい」と衝動に駆らせるアイデアがたくさん提供されているからである。 これは、とても大事な点である。加藤さんのセミナーを受けている人は、ビジネスで成功したい人である。つまり、加藤さんのセミナーでアイデアを発見し、自分のビジネスに生かせないか?と自問しているはずである。「自分のビジネスを成功させるアイデア」が次から次に生まれてくる事実を考慮すると、加藤さんのセミナーは質が高いと表現するに値すると思う。   (7)ウェブ試験がある   どんな学習でもそうだが、自分がどれだけ理解しているのかというフィードバックが無いと挫折をする。このフィードバックはできるだけ、客観的なもの、つまり数値で評価することが好ましい。 加藤さんの次世代起業家育成セミナーには、あなたの学び度合いを数値で評価してくれる「ウェブ試験」がある。ビジネス素人の受講者は分かると思うが、このウェブ試験は難しい。ビジネスを知っている人がどれぐらいの点数が取れるか分からないが、ぼく(ピッカピッカのビジネス素人)が最初にウェブ試験を受けたときの成績は、30点である。それも、セミナー動画を一通り真剣に見て、内容を理解したと思った後に受けたのにもかかわらずである。(加藤さんのコンテンツはホンモノだ、とぼくが燃え始めたのは言うまでもない) その後、加藤さんが学習者に身につけてほしい知識が分かってくると、だんだん点数が上がってくる。そうすると、何が起こるか?それまでなんとなく眺めていた、世の中のビジネスの仕組みが目に見えてくるではないか!それも、成功しているビジネスと失敗しているビジネスの原因の多くが、このビジネスの仕組みに違いがあるということがわかるようになる。   (8)常に進化している   加藤さんの次世代起業家育成セミナーでぼくがとても素晴らしいと思う点は、コンテンツが常に進化しているところである。先述した「挫折ポイント」を回避する仕掛けも、続々追加されている。 おそらくだが、加藤さんの中には理想的なコンテンツの形があるのだと思う。しかし、加藤さんは、学習者からのフィードバックを加味することで、自分の理想だけでなく、学習者にとっての理想的なコンテンツを実現しようとしている。 加藤さんが成長しようとしているのに、学習者が歩みを止めていたのでは、じぶんのビジネスをなかなか成功させることができないことは明らかである。加藤さんと共に成長できるのが、このセミナーの素晴らしいところである。   ここまでは、加藤将太のセミナーの「良いところ」を書いてきたが、つぎに、加藤将太のを受けるかどうか迷っている人が本当に知りたい情報をさらに話そうと思う。それは、セミナーを実際に受けている人が感じている、「改善できるところ」である。読み続けるには、広告の下の次の数字③をクリックしてください。   改善できるところ   加藤さんの次世代起業家育成セミナーの良いところを述べてきたが、彼のコンテンツも改善できるところがある。そのいくつかを紹介していこう。   (9)動画が編集・洗練されていない   次世代起業家育成セミナーの動画は、文字通りセミナーの動画である。加藤さんは、ホワイトボードに板書しながら、セミナーを進めていく。たしかに、実際のセミナーの臨場感を味わえるだけでなく、加藤さん自身の思考の流れを学ぶことができるので悪くはない。しかし、セミナー動画が一寸の編集もされていない(訂正追記を除く)ため、無駄な空白時間が多い。 一度動画を見ただけで内容が理解できる物であれば、これでもいいのかもしれないが、加藤さんの動画は内容が濃い。とくにぼくのようなビジネスの素人は一度視聴しただけでは理解できない。動画を繰り返し視聴し学ぶ必要がある。これはつまり、繰り返して学習する人にとっては、無駄な空白時間も繰り返されるということである。学習・理解にかかる時間を最短にするためにも、セミナー動画を編集・洗練させるべきである。特に加藤さんは時短をセールスポイントにしているので、ことさらである。   (10)「ん?」となることがある   次世代起業家育成セミナーを視聴していて、総時間の0.1%ぐらい「ん?」となり、分からなくなることがある。これには、ふたつの原因がある。 ひとつ目の「ん?」の原因は、加藤さんが説明している内容を理解するための前提知識が、視聴者に足りないこと。つまり、次世代起業家育成セミナーの内容をすべて理解するには、やはり少しの知識が必要なのである。幸い、視聴者の前提知識を必要とするケースは、加藤さんが脱線しているときに多く見られるので、あなたの学習の大きな障害になることはない。 ふたつ目の「ん?」の原因は、加藤さんの疲労である。加藤さんのセミナーは、一度に長時間行われたものが多いため、講師の加藤さん本人が疲れてしまい、頭が回らなくなり話の内容が「?」となることがある。これは、人間である以上仕方のない事ではある。それでも、セミナーの99.9%は論理的に話されている。 加藤さんのセミナーは総じて、初心者でも分かるように作られており、「ん?」が学びの障害になることはない。   (11)じぶんが学びたいこと以外も学習する   ぼくはインターネットビジネスを学びたいと思い、加藤さんのセミナーを受け始めた。しかし、世の中にはインターネットビジネスだけがビジネスではない。たとえば、物販や美容師など、インターネットだけでは完結しないビジネスもある。 次世代起業家育成セミナーはオンライン(Online)だけでなく、オフライン(Offline)のビジネスも教えている。そのため、ぼくのようにインターネットでビジネスをしたい人には、オフラインのビジネスを学ぶことは少々遠回りに感じられることがある。それでも、オフラインのビジネス知識が、自分のオンラインのビジネスに生かせることもあるので、時間の無駄ではないだろう。   (12)ウェブ試験で高得点を取るためには、記憶が良くなければならない。   先述したウェブ試験だが、この試験で高得点を取るには記憶が良くなければならない。ウェブ試験は選択問題(MCQ)だが、設問の内容だけを読んで、正しい答えに辿りつけないことが多くある。その場合、正しい答えにたどり着くためにセミナー動画の内容を覚えておかなければならない。セミナー動画が長時間なので、その内容を記憶しておくことはとても困難なことである。理想的には、設問の情報だけで正しい答えを導き出せる問題が出題されるウェブ試験である。   (13)それなりの投資が必要である   加藤さんの次世代起業家育成セミナーのすべてのコンテンツにアクセスするには、それなりにお金の投資が必要となる。正直、手軽に出せるような値段ではない。   しかし、成功にはお金を投資しなければならない。なぜなら、お金で成功までの時間を買うことが大事だからである。現代は、時代が変化するスピードがとても速い。これだと思ったビジネスをゆっくり作り上げていたのでは、他の競争者に出し抜かれるだけでなく、そのビジネス分野がすたれてしまう可能性もある。お金の投資は、「ビジネスを立ち上げるまでに必要な時間」を買うことができる大切な行動である。 値段だけで、自分の夢であるビジネスを諦めてはいけない。そのことを、たとえ話で理解してもらおうと思う。 もし、あなたの手元に、ハーバード大学からの無条件入学許可書が届いたとします。あなたはハーバード大学に入学しますか? ハーバード大学は、アメリカにある世界的トップクラスの大学です。そんな大学を卒業したあとのメリットを思い描いてみてください。ハーバード大学卒のあなたが、就職面接で有望視されることは想像にかたくありません。また、大学時代に出会った同級生は卒業後も、仕事や生活の面であなたに大きなプラスとなるでしょう。 でも待ってください。ハーバード大学の授業料は高いです。年間約400万円です。あなたは値段が高いというだけでハーバード大学入学を断念しますか?おそらくほとんどの人は、ハーバード大学に行くメリットが大きいと判断し、どうにかしてお金を工面することを考えると思います。 加藤さんのセミナーも同じようなものだと思ってください(☚年間400万円、みたいな莫大な出資ではありませんのでご安心ください)。すべてのコンテンツを学習しようとすると、値段は安くありませんが、セミナーを受けることで手に入る将来のメリットを考えるとその値段に見合うだけのコンテンツを提供しているとぼくは考えています。   結論   結局、加藤将太の次世代起業家セミナーは買いなのか? ぼくの個人的な考えは、もしあなたが次の13のチェックリストに7つ(つまり半分)以上の丸印(つまりYESと答えたら)を入れたとしたら、買いだと思う。   番号 チェックリスト YESは〇を入れる。 1 わたしはビジネスの知識・経験が無い 2 自分のペースでビジネスを学びたい 3 実績のある人からビジネスを学びたい 4 ビジネスに必要なマインドとスキルを学びたい 5 挫折をしたくない 6 良質かつ豊富なコンテンツから学びたい 7 じぶんが進歩しているか確認したい 8 成長していきたい 9 すこしの時間のロスを受け入れることができる 10 完ぺきではないことを受け入れられる 11 自分以外のビジネスを知ることも大事である 12 記憶力はいい方だ 13 成功には投資は必要だ 14 仮想通貨に興味がある     7つ以上〇がついた人は、まず加藤さんがやっているキャンペーンナーの案内を読んでみましょう。凄いプレゼントももらえるキャンペーンもやっています(⇒プレゼントを釣りにしたく無かったので、記事では一切触れませんでした)   次世代起業家育成セミナーの入口はこちら↓↓↓  

【世紀の一戦】ごとうひろみち 対 Atsueigo

  えー、巷では名須川天心対フロイドメイウェザーの世紀の一戦がもっぱらの話題です。英語の世界も負けてられん、と【世紀の一戦】ごとうひろみち 対 Atsueigo を(一方的に)実現させました。それでは、前置きを含めてどうぞ。   ☆★☆★☆★☆★   オーストラリアの医学部を卒業した後、日本に一時帰国し、総務省の異能vationのイベントに参加したり、Urdocアプリの創始者と対談したり、日本の医学生に臨床英語のセミナーを開いたり、東大で先生をしている友人にサインをもらったり、1日5~8時間ぐらい東京の町を当てもなく歩いたりした。   オーストラリアにとんぼ返りする直前にAtsueigoさんの東京トークライブに参加してきた。今回の記事では、トークライブでのAtsueigoさんの印象や、Atsueigoさんがこれから挑戦しなければならない問題を提起していく。記事の流れはこうなっている。   Atsueigoとは誰なのか? ごとうひろみちとは誰なのか? Atsueigoのトークライブと彼の英語力 Atsueigoに挑戦状を叩きつける 挑戦状の先にあるもの   まずは、自己紹介から。Atsueigoさんを知らない方のために、彼のことを簡単に紹介しておく。   Atsueigoとは誰なのか? 以下、Atsueigoページより抜粋。   ...

オーストラリアの医学部に進もうかと考えている日本の女子高生からの悩みに、ごとうひろみちが答えてみた

  ぼくのブログには、オーストラリアで医者になりたいというコメントがたくさん寄せられます。そのほとんどは、具体的なプランが無いなど、どうやって返信をしていいのか分からないものが多いです。 そんな中、オーストラリアの医学部に行くことを真剣に考えている日本の女子高生からお便りをいただきました。丁度、深夜勤務明けのお休みの日にお便りをいただいたこともあり、ぼくも真剣にコメントを返してみました。 以下、高校生からの文章を太字にして、パラグラフごとにぼくなりの返事をしています。   こんにちは、初めまして。 ⇒初めまして。   今回は大学進学について悩んでいたところ、このサイトと出会い、ぜひ助言をいただきたくこの文面を書いています。拙い文章力で申し訳ありませんが、しばらくお付き合いください。 ⇒この時点ですでに文章力の高さを感じます。   私は広島在住の18歳で、将来の夢は小さな頃から医師になること、「人の命を救うこと」でした。昨年高校を卒業し、高校では日本の文部科学省規定の学習ではなくIBディプロマを取得しました。英語でBiologyやChemistryなど、様々な科目を学習してきた私でしたが、自分の英語に日本人の中では話せる方であったとしても、nativeと戦っていけるほどの自信はなかったので、そのまま日本の大学(subject requirementの関係で一校のみ)を受験しました。しかしscoreがrequirementに及ばず不合格に。医師の道を諦めるという選択肢はなかったので、IB生では異例の浪人を決意し、IBの最終試験の再受験のための勉強(自宅にて)とセンター試験のための勉強を一から(予備校にて)並行して行い、無事IB scoreはrequirementを越え、今年はセンター試験の点数も持っていたため、昨年受験した大学を含め三校受験しました。一週間ほど前に開示された結果は全校不合格でした。 ⇒IBディプロマというものがあるんですね。知りませんでした。まずは、IBディプロマ修了おめでとうございます。大学受験は残念でしたが、前に進んでいる(行動している)ので全く問題ありません。今は胸が痛いかもしれませんが、数年後にはこの経験があったからこそ「自分」のアイデンティティが確立されたと思えるようになります。   合否発表前より、全て不合格だった場合にはどうするかを考えており、以下の2つが家族の中でも濃厚な線でした: 1. ハンガリー医科大学時事務局を通じてハンガリー国立大学医学部を受験し、進学。卒業後は日本の医師国家試験を受験(卒業と同時に受験資格は得られる)し日本で医師として働く。 ⇒ハンガリー医科大学事情は詳しく知らないのですが、確か留学生の留年率が50%だったような気がします。つまり、毎年、半分の同級生が留年するというとても大変な道のりです。このことを考えると、日本で浪人をして日本の医学部に行くほうが時間的・金銭的にベターかも、という可能性も見えてきます。 追記:留年率は66%でした。過去記事を参照。   2. オーストラリアの大学に進学し(昨年の段階で合格はもらっていたため)、学士をとった上で帰国、日本の国立大学医学部へ学士編入し、日本で医師として働く。元来私は日本で医師になることを目標にしていたので、このどちらかを考えていました。しかし、高校の先輩で今オーストラリア・ブリスベンで看護師として働く方と話す機会があり、とても生き生きと自分の夢に向かって走っている彼女の話を聞くと、この先輩のようになりたい、オーストラリアに進学したいという気持ちが強くなりました。 ⇒オーストラリアの大学合格おめでとうございます。パチパチ!素晴らしいです。オーストラリアで学士を取った後、日本の医学部に編入する選択肢も現実的です。おそらくですが、オーストラリアで学士を取ると、そのままオーストラリアの医学部(大学院コース)に進みたくなるかもしれません。これも、選択肢の中に入れておいてください。   両親も私が医師になる夢はずっと応援してくれているので、日本での進学の道がほとんど閉ざされてしまった今、オーストラリアへの進学を前向きに考えてくれています。 ⇒両親が応援してくれるのは、すごくプラスです。ぼくは、誰からも応援されることなく医学部受験をしたので、両親が応援してくれたら、もっと高い点数を取ることができたかもしれません。   ただ、master courseの学費の高さや、(学費を安くするための)永住権取得の難しさ、そしてオーストラリアで日本人が医師になることの現実性など、本格的に考えれば考えるほど、実際に医師として働けるなど夢のまた夢のように思えてしまっています。 ⇒学費の高さは、とても重要なポイントです。最近では、クラウドファンディングなどで学費を捻出する強者もいるようですが、ほとんどの人は高い学費が払うことができずに医学部に行くことを断念します。ぼくもその例にもれず、医学部を3度受験し3回合格したにもかかわらず、永住権が無かったために2回入学を辞退しています。ここをどうクリアするかは、経済事情によりますので、ご両親とよく議論されることをお勧めします。オーストラリアで日本人が医師になることの夢のまた夢と表現されていますが、オーストラリアで働く日本人医師はちらほらいます。例が少ないために、「無理なんだ」と思い込んでいるだけだと思いますよ。前例が無ければ自分が最初の例になればいいだけのことです。   一番の夢が「人の命を救うこと」である以上、医師になれる確率が高い道、という考えで進学先を決めるとすると、上記のようにハンガリー -> 日本、もしくは学士編入が良いのでは、という考えが両親の中では強いようです(医師として働けるようになるまでの年月も踏まえて)。 ⇒日本で医師になることを前提にハンガリーへ留学する人が多いことは認知しています。詳しいことは知らないのですが、ハンガリーの医学部には日本の医師国家試験の勉強もしている医学生が周りにいるらしいです。この点において、オーストラリアよりもハンガリーのほうが有利かもしれません。というのも、オーストラリアの医学部には日本人の医学生はゼロですし(いるのかなぁ?)、周りに日本の医師国家試験の勉強する人はいません。アメリカのUSMLEを受験する人は少ないですが存在します。   私の一番の希望は、オーストラリアでbachelorをとり、その後永住権をとった上でmasterに進む、という道ですが、masterへの進学が叶いそうにない(永住権を取れそうにない)場合は、bachelorだけでもオーストラリアで取得し、そこからハンガリー/日本の医学部へ進学/編入したいと考えています。*bachelorに関してはメルボルン大学またはUQのbachelor of...

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丹精込めて書きました

オーストラリア医師、レジストラを振り返る(パート5:リハビリ科)

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オーストラリアで総合医になる必勝方法

  ぼくには、「オーストラリアで温かい医者になる」という夢がある。この夢の旅路に就くまでのその道は、控えめに言っても、紆余曲折で満ち溢れていた。   ごとうひろみちの紆余曲折の人生に興味のある方はこちらをどうぞ。 ↓↓↓↓↓↓   オーストラリアの医学部を一年休学した後に卒業し、ぼくは現地の病院に就職した。現在は、医師3年目のペーペー Registrarをやっている。通常、オーストラリアで言うRegistrarは「専門医になるための訓練を受けている医師」を指すのだが、ぼくはいまService registrarという少し変わったポジションで働いている。Service registrarは、特定の専門のトレーニングプログラムに入っているわけではないが、病院側が働き手が一時的に足りていない分野に送り込むRegistrarのことを指す。オーストラリアの医師のハイラルキーに興味がある方は、過去記事『オーストラリアのインターン医師になったらやらなければならない6つのこと』をどうぞ。   インター医師よりも経験はあるが専門をまだ決めかねている医師は、このService registrarとして働くことが多い。そして、Service registrarとしてインターン医師よりは重い責任を負いながら、どの専門に進むかを考えている。どの専門に進むのかを決める要因は千差万別で、流行りの専門を選ぶ医師がいたかと思えば、朝の問診が嫌いだからという理由で救急医療を選ぶ医師がいたりする。色々な思惑と背景を持った医師がいる以上、これさえ押さえておけば専門医トレーニング選びに後悔しない、というものはない。 ちなみに、医学部に入ったときにこんなフローチャートが授業で出てきたが、あながち間違いではないような気がする。専門を迷われている方は参考にするといいかもしれない(が、あまり気にする必要もないと思う)。     オーストラリアのインターン医師は、大きく分けて外科、内科、救急、精神科のローテーションを通じて医師としての一般的なスキルを磨く。3年という限られたインターンシップの期間中に、すべての科を回ることは不可能である。あらかじめ「~科で働きたいなぁ」と思っている医師は、病院側にその科に優先的に回してもらうことをお願いする。また、「~科には興味がない」ということを病院側に伝え、それ以外の科に回してもらうこともできる。   ぼくは医師として以下のローテーションを回ってきた。 1年目 内科(記事) 移植外科(記事) 救急(記事) ...

オーストラリア医師、レジストラを振り返る(パート1:リハビリ科)

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