オーストラリアの医学生が2900kmをドライブしてへき地に向かった話

 

医学部2年生を無事に終えたぼくは、

医学部3年生・Rural Clinical Schoolの舞台となる

ブルームまでドライブした。

 

 

パースからブルームまで、

できるだけ海岸線の道を選びながら、

約2900キロの道を旅した。

 

途中ドライブに疲れたら、

目が覚めるように青い海で泳いだり、

水の色が赤茶色の川で全裸で泳いだりした。

 

特に、Coral Bayのビーチはとても綺麗で、

シュノーケルをしていると

海から様々な生き物たちの音が聞こえてきた

(正直怖かったです)。

 

Geraldton,

Carnarvon,

South Hedland,

Sandfireなどで宿泊したが、

毎日夕日が美しくとてもラッキーだった。

 

ブルームに到着する日だけは

空の様相が違っていた。

 

ぼくが車をブルームに向かって走らせていると、

頭の上の重苦しい真っ黒な雲が、

熱帯地方特有の土砂降り「スコール」を

車の窓にたたきつけてきた。

 

魔法使いの呪文のような鋭さと重さが、

その雨には内在していた。

20メートル先が見えない道を

車で運転することは初めての経験だった。

 

制限速度110キロの道を、

ぼくは70キロぐらいで走った。

 

スコールに慣れているドライバーが

110キロで後ろから追突してきたらどうしようとビクビクしていた

(まぁ、ぼくには何ひとつできないのだが)。

 

ぼくは、魔法使いの手から逃れる呪文を唱えるかのごとく、

福山雅治の『スコール』を頭の中で歌っていた。

 

 

ブルームの天気情報を見てみると、

ぼくの車を暴力的に叩いていった雨は

スコールでも魔法使いの仕業でもなく、

ストームだということが分かった。

 

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ごとうひろみち
『高校中退⇒豪州で医者』をいつも読んでいただき誠にありがとうございます。著者・ごとうひろみちに興味を持ってくれたあなたのために、詳しい自己紹介を←ここでしていますので、どうぞご覧ください。

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