世界的なイノーベンションを起こせる人材を日本政府がサポートする「異能vation」の破壊的な挑戦部門の一次選考通過者が発表された。今年は、アメリカのカルフォルニア、中国の北京から通過者が出ており、異能vationへの世界からの注目が高まっていることを示す形となった。
以下、通過者と技術課題名の一覧。
一次選考通過者 技術課題名
以下の技術課題名が一次選考通過となりました。(五十音順)
※技術課題名と氏名は本人が公表用として申告してきたものです
技術課題名 ※ | 都道府県 | 氏名 ※ |
---|---|---|
実世界プライバシー保護を目的とした「写らせないんです」システムの構築 | 大阪府 | 青砥 隆仁 * |
物体内部の理解を目的とした次世代計測装置の開発 | 大阪府 | 青砥 隆仁 * |
<語り>による認知症早期診断技術 | 奈良県 | 荒牧 英治 |
高度なインタラクションを可能にするセマンティックARのための環境識別技術の開発 | 米国・カリフォルニア | あるしおうね |
折り紙技術を用いた高さ30メートルの段ボール製組立式巨大半球状ドームスタジアム造り | 千葉県 | 上地 政己 |
スーパーエコロジー・インターネット〜TCP/IPをぶっ壊せ!〜 | 福島県 | 内海 哲史 |
対戦相手に絶対に振り込まない麻雀コンピュータの開発 | 東京都 | 大川内 隆朗 |
心の声を聴く、聴“心”器の開発 | 熊本県 | 小川 晋平 |
ナラティブ的認知に注目したトレーディングカードゲーム要素を用いたプログラミング技能習得支援 | 栃木県 | 小川 充洋 |
ウェアラブルミュージックプロジェクト “着る楽器”の演奏技法の開発と作曲 | 神奈川県 | かおりんぐマシン |
既存のBLE IoTデバイスをインターネットにつなげるゲートウェイの開発 | 東京都 | 小林 隆仁 |
次世代水産海洋情報サービスシステム「トレダス-X」の開発 | 北海道 | 齊藤 誠一 |
人間が乗り込み操縦する、巨大人型ロボットの実現に向けて、二足歩行技術の研究 | 大阪府 | 坂本 元 |
OTON GLASS-読む能力を拡張するスマートグラス-におけるインターフェースとサービスの研究開発 | 東京都 | 島影 圭佑 |
Fall In Friends | 東京都 | 霜田 哲之介 |
Acoustic Fart Wave Generating System | 神奈川県 | 髙橋 宣裕 |
激安FPGAのメニーコアは本当にあります!シンプル高性能なメニーコアマイコンで簡単お手軽並列処理♪ | 東京都 | 田沼 英樹 |
Invisible Nature | 京都府 | 土佐 尚子 |
衣服に簡単に取り付けられる布製のタッチパッドモジュールの開発 | 東京都 | 土田 哲哉 |
ロボットを素早く賢くするシステム | 奈良県 | 友近 圭汰 |
電気を流す伸縮自在の糸で体の動きを知る | 宮城県 | 鳥光 慶一 |
装着型デバイスによる身体認知機能の最大化に基づく人々のエンパワーメント | 中国・北京 | 西田 惇 |
臀部清拭代行装置のための操作インタフェースの開発 | 東京都 | 濱田 健夫 |
転倒しない 2WD EVモーターサイクル開発PJ / 介護・災害時・宇宙でも活躍 | 大阪府 | 濱田 浩嗣 |
世界の好きな場所に意識を転送し現地の人と対話できるTele-ghostシステムの開発 | 大阪府 | 福重 真一 |
粉粒体を液状化する「流動床」現象を用いたインターフェースの開発 | 埼玉県 | 的場 やすし |
ボタン1つで、地球を冷やします!—CO2直接空気回収マシーン、CARS-α— | 山梨県 | 村木 風海 |
気泡インジェクターによる情報伝達 | 福岡県 | 山西 陽子 |
スマートコントラクトプラットフォームとしてのブロックチェーンデータベース Broof v3 の作成 | 東京都 | 吉田 晋 |
音声明瞭化技術で高齢者に音を届ける | 熊本県 | Listen to the voice |
最終選考が決まるのは、おそらくこの日付だと思われる⇒記事「異能vation、の選考発表はいつ頃か」
特筆しておきたい人物
技術課題のついては今後の記事で触れていこうと思うが、まず特筆しておきたい人物がいる。青砥隆仁さんである。今年(2017年)は、
「実世界プライバシー保護を目的とした「写らせないんです」システムの構築」と
「物体内部の理解を目的とした次世代計測装置の開発」
の二つの技術課題が、異能vationの一次選考に通過している。
ふたつの課題が通過することもすごいが、じつは青砥さんはこれまで、
2016年「デジタルファブリケーション技術を用いた光学的質感デコレーションの実現」
2015年「物体の弾性力や粘性力を撮影可能な次世代カメラの開発」←こちらは最終選考も通過
の申請書が異能vationの選考を通過している。
異能vation選考は、誰が申請書を書いているかが分からない状態で審査されるため、3年連続で技術課題選考に通過することは素晴らしい業績であると言える。独創的なアイデアだけでなく、今の社会の流れをうまく読み取れていなければ、異能vationに通過することは難しいため、本当にすごい事だと思います。青砥隆仁さんは、超注目の人物である。
ぼく、異能vation、感情
ぼくも「政府公認の変な人」になろうと、破壊的な挑戦部門に4つの申請書を出した。女子大生を眺めながら書いた申請書は、ひとつも選考通過をすることができなかった。
周りの人からは、「残念だったね」「また来年があるよ」などの慰めのお言葉をいただいている。言葉をかけてくれる人たちに感謝はしつつも、個人的には、「結果が分からない期間」の方が精神的に良くないんですよ~、と伝えている。
通過すれば素直に喜べばいいし、落選すれば悲しめばいい。その感情が収まれば、前に進むことができる。しかし、この「結果が分からない期間」は、どんな感情を持ってもつじつまが合わないので、心はとても不安定なのだ。ある意味、不安という感情なのだろう。前にも行けないし、後ろにも戻れない。
ぼくは、オーストラリアの永住権や医学部受験の時に、長い間待たされた経験がある。この「結果がはっきりとしない期間」「自分の力ではどうしようもない時間」が長く続くと、心が鬱状態になってしまうことをぼくは知っている。この状態を脱する・防止するには、別のことに感情を注ぎ込む以外にない、ということをぼくはつらい経験から学んだ。
ということで、ぼくはいま、来年度が最終学年となるオーストラリア医学部の復学に向けてできることを全力でやっています!面白いよ、医学は、やっぱり。温ったけー医者になるぞ~!
ぼくの英語ドリーム「日本人の英語を変える、ノンネイティブの英語を変える」にはこれからも相変わらず尽力していきます。まだ、異能vationのジェネレーションアワード部門も残っていますし、異能vationの協賛企業として「日本人の英語を変える、ノンネイティブの英語を変える」アイデアを持った人たちをバックアップする体制を整えていきます。(英語に興味がある人のために、こんなこともやっていますよ~)
異能vationというひとつのマイルストーンに挑戦できたことは、予想もしていなかったほどの大きな収穫でした。ぼくは挑戦すること自体に価値を見出すので、落選したことよりも挑戦した時点で得られた成長に喜びを感じています。この成長の機会を与えてくれた総務省の方々、どうもありがとうございました。そして、異能vationの一次選考に通過された皆様、最終選考に向けて幸運をお祈りしております。そして、あなたの技術で、世界をすこしでも良いものに変えてください。心から応援しております。