ぼくはこれまで、「英語ができると見えてくる景色」、「英語ができるようになりたいと思ったら」、「英語でできる人の10のスキル」について書いてきました。巷でよく見る、「1日30分で英語ペラペラ」「英語は簡単」などの洗脳広告を批判的に見ている記事だったと思います。
この記事では、もっと単純なことをお話しようと思います。それは、 英語で成功する人・失敗する人を分けるものが何なのかということです。
個人的には、ぼくが暴露した「英語でできる10のスキル」と同じもしくはそれ以上に大切なことだと思います。とても重要なことなので、丁寧に説明してきます。
英語で成功する人・失敗する人を分けるものは、たったふたつしかありません。
(1)失われている時間に敏感になること
ぼくの知り合いに、お金を使わずに英語を勉強することに無類の喜びを感じる人がいます。その知り合い曰く、東京の山手線の駅の周りには無料体験ができる英会話教室が必ずあるそうです。
この知り合いは、1週間に一回、山手線の駅を降りて、英会話学校で無料体験を受けました。また、次の週になると、前回降りた駅の次の駅で降りて、そこにある英会話学校で無料体験を受けたそうです。
それを繰り返し、山手線を一周して初めの駅に戻ってきたころには、また新しい英会話学校ができているので、そこでまた無料体験を受けるといったことを繰り返したそうです。確かに、1週間に一回無料で英会話学校に通っているのと変わりがないですよね。
そんな地道な努力を続けているその知り合いは、最近英検1級に合格したそうです。
英検1級の合格率は約10%なので、難易度はとても高い試験です。
その知り合いは、「わたしは英会話学校の無料体験だけで英検1級に合格した」と自慢げに話をしていました。
一見、お金をかけずに英検1級に合格したサクセス・ストーリーに聞こえるかもしれません。でも・・・この知り合いは英検1級合格までに5年という時間をかけています。
それだけでなく、英会話学校に通うために使った、山手線で使った電車代や、移動にかかった時間などを考えると、この勉強法は本当はハイ・コスト、ロー・リターンだったのではないかと考えてしまいます。(本人には言えませんが)
さらに、英会話学校に通ったことが英検1級合格に貢献してくれたかどうかも疑わしいです。というのも、英会話学校で会話できることは内容的にも人畜無害なものが多く、その人の知的成長に大きく貢献してくれることはほとんどありません。
「この英会話学校に通っていたから、わたしは英語で成功しました」というサクセス・ストーリーを聞いたことがありません。あなたは英会話スクールを成功の要因に挙げている人を知っていますか?
英会話学校は、「英語で会話する機会・場所」を与えて、その見返りとして生徒さんからお金を回収するビジネスだから、生徒さんが英語で成功するかどうかは問題ではないのです。
英会話学校のデメリットはまだあります。英会話学校は、クラスの時間が決められているので自分の好きな時に勉強するという自由度が学習者にはありません。英語を勉強している人のほとんどが、学校や仕事などの忙しい時間の合間を縫って英語学校に通っています。学校や仕事が忙しい人は、時間割がバッティングしてしまい、英語の勉強がしたくても英会話学校に通うことができません。
そんな忙しい現代社会で英語力をアップさせるには、学校や仕事が忙しくない合間の時間に英語の勉強を積み上げていくことしかないのかもしれません。
話が英会話学校の弱点になってしまったので、テーマを「失われる時間」に戻しましょう。
山手線の周りをグルグルしながら英検1級に合格した知り合いの話をしたので、ここで機会費用のこともお話ししようと思います。
「機会費用」という言葉を知っていますか?機会費用とは、「何かをしないことで失われてしまうもの」を意味する用語だそうです(狭義)。
上の知り合いは、山手線の周りの無料英会話体験を繰り返すことで、英会話教室に通うお金をセーブするという節約術を使っていました。英会話学校が生まれては消えていく、今の日本の英語ビジネスを逆手に取ったやり方で奇抜で面白い勉強法だとは思います。
ただ、説明したように、この知り合いは、英検1級に合格するまでに5年をかけています。英検1級に合格するためにどれぐらいの期間が必要なのかぼくにはわかりませんが、5年という期間はとても長いような気がします。
5年と言うと、大学卒業+1年の時間です。サイエンスの分野で言えば、PhD(博士号)取得にかかる平均的な時間です。司法試験合格も大体5年ぐらいかかると聞いたことがあります。
しかも、英検1級は、大卒、博士号、司法試験などとは決定的に違う部分があります。それは、英検1級を持っていても収入に直結しないということです。
大卒と博士号は就職に有利です。司法試験は弁護士・裁判官・検察官などの職に就くことができます。英検1級は・・・通訳ガイド試験の一次試験が免除される以外大きなメリットはありません。就職に大きなメリットがあると聞いたことはありません。(幸いぼくの知り合いは、通訳ガイドになりたいそうなのでここのメリットはあったようです。)
英検1級に合格するためにどんなことにお金をかけるべきかぼくは知りませんが(ぼくは3級しか持っていません)、秀逸な教材に投資して効率的な勉強をすれば、おそらく長くても1年ぐらいで合格できるのではないかと想像します。
ぼくは「お金をかけろ!」という考えは持っていませんが「お金をかけないことで失われる時間」にとても敏感です。時間の無駄にしかならないようなものにお金をかける必要はどこにもありませんが、「あなたの時間を買ってくれる」ものには勇気を出して投資をすべきだとぼくは考えていますし、そのことを実践してきました。
ぼくの知り合いが、この考え方を持っていれば、1年で英検1級に合格しさらに通訳ガイドとして
バリバリ働けていたのではないかと思ってしまいます。つまり、英検と通訳に合格し、仕事を通じて生きがいとお金を稼げていた可能性があるということです。
ぼくらには、1日24時間しかありません。これは天才、凡才にかかわらず同じです。時間は万人に同じように失われていきます。しかも、ぼくらは生き物でいずれ死が訪れます。これもまた、天才、凡才にかかわらず同じです。
死を迎えるまでに「英語ドリーム」を実現するために「お金をかけないことで失われる時間」に敏感になることが、英語で成功する人・失敗する人を分けるひとつ目の要因だと思います。
それでは、英語で成功する人・失敗する人を分けるふたつ目の要因についてお話ししようと思います。それは・・・
(2)行動すること
個人的には、 英語で成功するかどうか以前に、英語で成功するかどうか以前に、行動するか・しないかが楽しい人生かそうでないかを決めるのではないかと思っています。
極端な話をすれば、高校中退者のぼくが、
- 英語が通じる国ならふらり一人旅して心行くまで現地の人と交流し、現地のリアル(旅行ガイドブックには載っていない現地の人しか知らない情報)を知り、異国の文化を満喫できる
- TOEFL279点、IELTS8.5点(⇒ともにTOEIC990点相当)
- 世界大学ランキング上位の大学を卒業
- 世界トップクラスの研究所で英語論文執筆
- オーストラリアの永住権取得(高い英語力が求められます)
- 世界医学部ランキング100番以内の医学部にトップ5%成績の成績で合格
- オーストラリアで医者になる(もうすぐ)
を実現できたのも、行動したからに尽きます。
「行動する」ことの大切さを考えると金髪の革命児ジョーの生き方がぼくの頭に浮かびます。
ジョーを知らない人もいると思うので、ここで彼が実現してきたことを簡単に紹介します。
(1)お金が無い状態でアメリカへ渡り、素人レベルの大道芸をしながらお金を稼ぎ、ヒッチハイクをしながらアメリカ横断
(2)南米を縦断中に、アマゾン川をイカダを下りながらタンカー船に巻き込まれて死にかけた
(3)大阪の浮浪者の方を支援し、動画を通じて就職を助けた
(4)社会が忌み嫌うホームレス街を訪ね、自分もホームレス生活をしてみた
(5)元世界チャンピオンの亀田興毅にボクシングで全力で挑戦した
やらない理由よりも、やる理由を考えるジョーの生き方に勇気をもらう人も多いかと思います。彼の素朴で力強い生き方に魅せられるのは、ぼくだけではないはずです。彼のファンになっていない人は、ぜひ応援してあげてください。応援という行動を起こしてください。
ジョーのやってきたことはとても素晴らしいのですが、彼のコピーキャットになる必要はどこにもありません。ぼくはなにもあなたにジョーになれと言っているわけではありません。あなたにはあなただけの人生があるからです。ただジョーが伝えたいメッセージ「やらない理由を考えるのではなくやる理由を考え、行動に移す生き方」は、人生を楽しいものに変えてくれる力があるので、ぜひ取り入れていきましょう。
あなたの周りの人をぐるーと見てください。行動しているのに楽しくなさそうな人いますか?行動していないのに(から)楽しくなさそうな人は沢山いますよね。ぼくの周りにいる楽しくなさそうな人は、
行動していません。ぼくの周りにいる人生を楽しんでいる人は、必ず行動をしています。楽しくない人生を望むなら、行動をしないことです。楽しい人生を望むなら、行動をすることです。
行動することと人生における成功の関係を、ホリエモンこと堀江隆文氏はこう語っています。
彼の仮説は、
(1)行動するかしないかが成功と失敗を分ける
(2)成功・失敗に頭の良し悪しは関係ない
というものです。
ぼくが出会ってきた「英語で成功している人」もここに尽きます。頭が飛びぬけていい人は、ひとりもいません。(医学部にいるので飛びぬけて頭がいい人がどんな人なのかわかります)。
ぼくなんか平均以下の知能(IQ)しかないと思っています。ただ、その素質のなさを行動しない理由にしたことはありません。素質が無い人には、素質が無い人なりのやり方があるはずと思うからです。だからぼくはやる理由を考え、そして行動しました。
英語で成功している人は「英語でできるスキル」を習得するために行動を続け、時間と努力を最大限にまで投資しています。行動を起こす人が、成功のスキルを身につけると、それは成功しますよね。失敗しても試行錯誤を重ねて成功するまで行動を続けますよね。
ほとんどの人は、行動しないうえに成功のスキルの存在さえ知らないのですから、成功できないのは滝から水が落ちるように自然なことなのかもしれません。
ぼくがこれまで、あなたに英語で成功してほしい、英語で夢をつかんでほしいという願いから、「英語ができると見えてくる景色」、「英語ができるようになりたいと思ったら」、「英語でできる人の10のスキル」、そして「英語で成功する人・失敗する人を分けるたったふたつのこと(この記事)」をシェアしてきました。
後は、ぼくがどのようなことを考え、行動してきたかを、物語『高校中退から豪州医学部へ』にしました。この書籍を読んで、やらない理由ではなくやる理由を探して、行動を起こす出す勇気を見つけてください。
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