(4)専門のお医者さんにアドバイスを求める
患者さんの様態や併存疾患などによっては、一般内科以外の専門医師にアドバイスを求めること(Referralと呼ばれる)がある。簡単なケースは、がん患者さんが一般内科に入院してきた場合、がんの治療を担当してい腫瘍医に患者さんが入院していることを連絡するときである。そのほかにも、敗血症で入院しているのだがまだ原因となる細菌がわからない場合、感染症学医にアドバイスを求めたりする。
ぼくはこの Referralというプロセスがとても緊張する。患者さんの病状、過去の病歴、既存投薬、などなど様々なことを理解し、そのうえでなぜ専門医のアドバイスが必要なのかを説明しなければいけない。うまく説明ができず苦し紛れに「先輩医師がアドバイスを求めろと言ったから」と電話越しに言って、雷を落とされたこともある。
ぼくはふつうは、患者さんの医療記録ノート、看護師ノート、医療検査の結果、過去の退院要約などを目の前に用意し、どうやって説得するかを頭の中で練習し、深呼吸をひとつして、専門医師に電話する。このプロセスも、医学的な理解を深めるうえでとても有益な訓練である。